えー。
ほんまかい。
おでんもどれも120円均一
しかもうんまい。
さぶかったから最初はお燗でと思うわたし。
どれが良いか折角だから利き酒師に聞く。
これですな!
福井の黒龍、これは吟醸酒でもお燗の利く酒でほんとにうまいから!
お!ほんとでんな。
こいつあぁ最高でんな!
そうでしょう。
はー!あーたは酒がわかっていらっしゃるようですな!
そりゃあ、もちろん!
なんたらいい店。
大東京のTHE東京浅草でいい店を見つけた悦び
利き酒師のひとに酒は次はどれがよいか聴きまくりの順番に呑む。
はっはーん。
こりゃあほんとにうまいですな!
智則サイコー!
利き酒師はもうかるのだそうだ。
その人は元は公務員で土木課みたなとこにいたらしい。
それでいまは大手建設機器レンタル会社にいわば天下りでおるのだが、給料より利き酒師の報酬の方がよいといふ。
へえー!
利き酒師はまた智則をあつらえた。
成田に家があるそうだが、この店に週一どころかたまに週3くらいで通っているのだそうだ。
サイコー!浅草サイコー!
その店は私は教えない。
マスターも嫌だそうだ。
外人は入れない。
なんとなればコトバが通じないから酒の良さが伝わらないといふ、そういふ理由だ。
ミスターマスター店主は店が家でありそこそこ商売できれば儲からなくても良くて酒が好きなお客の喜ぶ顔が見たくてやっているのだといふ。
なんたら日本全国でもあまり類を見ないサイコーの日本酒好きの店を見つけた私は生きていれば清酒を愛しているからこそ出会えたのだなあと思った。
あ、白子酢が660円、そんな店は大阪にはあったが、富山にも絶対にない。
会計をすます。
えー!やっすいわ~
ほんとに日本当代随一でんな。
そいから日本浪曲協会
会館大広間に行く。
えー!
お客は8人。
なんといふことかキビシ~!
えー、勝千代が8人しか客が来ない。
信じられない。
私にはスーパースターなのだが。
どうなってやがるんでえ、このくそ日本は!
くそ馬鹿右翼、おい!おまいら国粋主義なら勝千代聞けやボケ!
パヨクの俺の方が好きになっとるやんけ
浪曲は宮崎滔天といふひとが桃中軒午衛門になったから割りと昔は左翼的だったのかもしれぬ。孫文を援助した人だ。
しかしながら浪曲界は大東亜戦争では戦意高揚浪曲を盛んにやったからどうともいえぬ。
前回にいた牛乳男もいない。
私の前には良くみる私ほど髪の長いそして私ほどの年の男がいる。
だがおんなはいない。
カナシー、勝千代はでも思い切り唸りを上げた。やれ!勝千代!唸れ!勝千代!勝千代!
泣きそう。
曲師はまみと鈴
素晴らしい。ビシっとした三味。
福助も良かったが私はもはや勝千代しか眼中にない。
質問コーナーをまたやってくれた。
わたしは掛け声のタイミングを教えてほしいと書いたがやはり自由らしい。
そいで終わって靴を履いていると勝千代さんが私に声をかけてくれたのだ。
尊いあの勝千代の声を私に向けてくれた。
先ほども来てくだすってありがとう存じます。といった。
え!
俺みたな虫けらみたな男の顔を勝千代さんは覚えていてくれたのか!
あー、なんと身に余る光栄だろう。
しかしながら私は浪曲師は眩しくて眩しくて、素晴らしかったです、としか言えなかった。
知人とコーヒーを飲んで素直に帰った。
素晴らしかった。
またすぐに脳天に響く勝千代のライブに行きたい。