http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-09-18_23601/
子供ら1476人が犠牲になった学童疎開船「対馬丸」の悲劇を後世に伝えようと2004年に開館した対馬丸記念館(那覇市)の運営に黄信号がともっている。事業活動費(運営費)の大半を占める寄付金収入が景気低迷の影響を受けピーク時の3分の1に落ち込み、映像機器や施設のメンテナンスにも影響が出ている。同館は「戦争に巻き込まれた子供たちのためつくられた日本で唯一の平和記念館の灯を消すことはできない」(高良政勝館長)と県に支援を求めている。(知念清張)
常設展示や光熱費などに充てる事業活動費の大半を占める寄付金はピーク時の08年度1566万円から09年度1060万円、10年度551万円と激減。遺族らでつくる対馬丸記念会会員の会費111万円や入館料収入443万円などを合わせた昨年度の事業活動収入は1154万円で25万円の赤字に転落した。
語り部の証言映像など、悲惨な体験を分かりやすく伝える3台の映像機器のうち1台は故障。「イヤホンも頻繁に壊れ、映像機器の修理に10万円近くかかる」ため修理のめどがたっていない。また、台風で強い風雨に見舞われると事務所の壁などから水が染み出す。
「プロジェクターの電照やエレベーター管理費など今後施設維持にかかる費用は増える一方」だという。
開館当時101枚だった学童の遺影も274枚に増えた。遺族から寄せられる小さく傷みの激しい写真を修復し、パネル展示するためには1枚7千円から1万円ほどかかる。「収集写真が増えるほど運営が厳しさを増す」皮肉な状況だ。戦時中の状況を説明できる学芸員も、配置できない。
国は企画展などに年間1100万円を補助している。だが、国からの補助金は使途が限定され、運営費には使えない。那覇市も固定資産税など約130万円を免除するなどしているが、県からの支援はない。
高良館長は県と県議会に陳情書を提出。「不安定な寄付に頼るのは今後の運営を考えた場合極めて厳しい」として、「未来を担う子供たちに平和の種をまき、育むための施設。戦時下で県は学童疎開を強力に推進した。原点に返り、県も戦後処理の一つとして、協力してほしい」と県に運営費の補助を訴えている。
[ことば]
対馬丸記念館 那覇から九州へ向かった学童疎開船「対馬丸」が1944年8月22日、米潜水艦に鹿児島県悪石島沖で撃沈された悲劇を後世に伝えるため2004年に国が建設費約2億4千万円、展示経費6000万円を支出して開館。年間入場者は1万3594人(2010年度)で増加傾向にある。県は国による慰謝事業として実施されていることや県議会の同意がない限り、財政支援は厳しいとの姿勢を示している。
---------------------------
沈んだ船の引揚げを要求した家族の願いが報われず、その代償として建てられた記念館だという。米軍からの攻撃が予想されたにもかかわらず強行され、多くの子ども達が今も船と共に南洋に沈んでいる。本土から沖縄への修学旅行のコースにぜひ入らないだろうか。
子ども達のまきこまれた戦争。子ども達の心に深く刻まれると思うのだが
--------------------------------
1982年に作られたドキュメンタリーアニメ youtubeで発見しました
http://www.youtube.com/watch?v=VNmaV7tiDvM&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=HCdfwZC-5Nw