明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

SHUREを友人に聞かせたら

2018-05-24 17:00:00 | 芸術・読書・外国語
私の会社の友人がソニーの人気ヘッドフォンを持っていると以前に書いたが、その友人にSHUREを見せて感想を聞いたら意外に絶賛された。実はもっと辛口の批評をもらうと覚悟していたのだが、思いもかけず高評価だったので「柄にも似合わず嬉しくなってしまった」のだ。これは、その自慢の話である。

彼が言うのは「低音がいい」ということだが、言われる通り厚みがあって「量感」が優れていることは確かである。分離が良いというのは高価なヘッドフォンだから当然なのだが、ハウジングが大きく、軽くて耳への装着感が「すっぽり包み込んでくれて」、頭が痛くなく楽なのが非常に気に入っている。SHUREは音質に関しては「クラシックに向いている」と言うのが私の結論である(ラップやハードロックは聞いてない)。オーケストラのような圧倒的な音の量で圧倒する、というのではないが、室内楽や独奏曲もしくはオペラなどの「繊細な音のハーモニーを聞かせる」楽曲では「ダントツ」である。いまは主に通勤時にTUNE-INのネットラジオで、ポーランドのショパン専門サイトを楽しんでいる。音もスペック的には普通のコーデックだが、聞こえるのは「ハイレゾ風」の高音質のである。私はこれでを「ヘッドフォンの終着駅」だと思っているのだが、1ヶ月使ってみると結構「シーン的には使っていない」ことが分かってきた。

つまり通勤時以外では殆ど使っていないのである。これでは音楽命のはずの私としては、物足りないではないか。コンビニに行くのだってゴルフの練習場に行くのだって、音楽は常に聞いていたいのである。そこで新しい選択が生まれてくる。

2台目のヘッドフォンは、次の観点から選ぼうと決めた。
1 完全分離ワイヤレス
2 操作性は全自動
3 装着感はピッタリ
4 バッテリーは3時間以上
5 ノイズキャンセルはあればいいかな程度で無くてもいい
6 音質は中の上、余り多くは望まない
7 マイクや曲の操作性は不要
8 値段は5千円から2万円まで。値段にはこだわらない
以上である。やっぱ安いのは結局ダメだと分かったので選択肢から外した。

例によってAmazonから選ぶことにする。色々とレビューが沢山書いてあるがどれも、星一つの内容は「音が聞こえない」という最悪のレビューである。これでは買えないではないか。以前買ったNMBUSだかなんかの完全ワイヤレスは全然ペアリングも出来なければ音がそもそも出ない状況で、ボタンの押しづらいこと最悪の代物。結局は殆ど使わずに友達にあげてしまった。今、再度レビューを見ると「接続方法に癖があるみたいで、私のやり方が間違っていた」みたいである、あれま。なんとも残念だがボタンが押しづらかったので、結果は同じである。どちらにしても接続は「全自動」に限るのだ。で、あれこれレビューを見ているが、全然決まらない。そりゃそうである、イヤホンは使ってみなきゃわからないのだ。勿論悪い所はレビューを読めばある程度わかる、だがどれもこれも「繋がらない」とか「聞こえない」とかなので、当たり外れが相当あるみたいだ(私のように使い方のわからない場合もある)。買ってみてハズレを引くのも嫌なので、結局お金はかかるが「名前の通っているメーカーの品物」で満足することにした。オーディオテクニカの新しいのが7月に出るそうだが、今は5月、そんなに待てない。ええいBOSEにしてしまえ!、というので早速 Amazon のページを開く。Amazon の注文は「息をするより簡単」で、ポチッとする寸前までいったが何故かもう一歩のところで思いとどまった。ひと呼吸おいても遅くはないのじゃないか、と天の声が囁く。

なんやかやストレスで心が疲れてくると、このブレーキがかからなくなる。まだ私の「心の健康状態」は良いようで、今日の所は買わなくて済んだ。やっぱり完全ワイヤレスは「ハイリスク過ぎる」のだ。安物は失敗が多いし、高いと失望感が半端ない。今は新興メーカーが乱立状態であるから、評判がある程度落ち着いて固まってからでも遅くはないだろうと考え直した。でもこれって、この前失敗した時に考えたことと同じで、「前に戻っただけじゃん」とも言える、ああ。進歩してないのだ。要するに、そもそもがネットで買おうとすること自体が間違っている商品なのである。帰りにビックカメラに寄って、とりあえず2、3個試してから考えるとしよう。

結局音の良い悪いは「スピーカーの構造・出来」にある。音源がハイレゾだとかコードがリケーブルだとかDACがどうだとか言うけれど、素人には同じに聞こえるレベルか、ちょっと毛が生えたような程度なのだ。外に出て都会の騒音にまぎれてしまううちには「ある程度の音がしてればそれで十分」なのである。良い音を聞きたければ「コンサートに行く」のが正しいと割り切ること。そうすればコンサートを待つ気持ちも生まれてくるし、何も一流アーチストを高い金だして聞きに行く必要もなくなる。コンサートは日常的に毎月一回程度は聞くものなのだ。

こないだベラスケスを見に国立西洋美術館に行ってきたが、定期的に行っていると「心が伸びやかに」なってくるもんだなぁと実感した。文化的生活と言うのはこういうことなんだ、これ私の個人的な感想である。帰りに洒落た喫茶店でも入ってお茶してくれば「最高だった」のだが残念、今度は必ずやってやるって心に決めたのである、つまらないことだが「ささやかな目標」が出来た。世界では銃を乱射したりしてる奴が野放しになってる国もあるらしいが、私の人生で何とかなるものでもないだろう。まだまだ日本でも生きていくのに辛い問題を抱えている人達がいっぱいいることも事実である。だがそれは次回の目標にして、今回は私の好きな人生を送りたい。例えば仲の良い友達がいて展覧会とか演奏会の帰りに、喫茶店で「芸術談義」でも交わしながらコーヒーを飲む、ってのも最高だね。まあ残念ながらそれは「引っ越した後」に奈良で友達を作ってからにして、今は柏でまず「文化的な生活」の練習である。やっぱりヘッドフォンよりコンサートですよ。

ところで会社の友人だが、今年の秋10月に「あのポリーニ」のコンサート・チケットを申し込んだと息巻いていた。14000円、もちろん抽選である。ポリーニ、しかも日本最後のコンサートだ、行きたい是非行きたい!。さすがに友人のドヤ顔が羨ましかった、が、まだ当たったわけじゃァないのだ、ふふふ。27000円出してまだ残っている切符を買うか、14000円で幸運のチケットをゲットするか。コンサートそっちのけで抽選のほうに興味津々である。しかしポリーニのコンサートは一生の思い出になるだろうな。しかもショパンのソナタ第3番である。私がこの曲の最高の演奏と認めるのが、何を隠そうポリーニなのだ!(勿論若い時だが)。もし行けたらの話だが、きっと忘れられない一夜になりそうだ。

考えてみたら、BOSEが買えちゃうね!

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