柏を散歩する、喫茶店編

珈琲館で休日の午後を読書して過ごした。余り天気の良くない日だが、こういう日こそ外に出て体調を上げて行かなければいけないと我が身を叱咤激励し、お気に入りの迷彩パンツに紺のパーカーで散歩に出かけた。柏もちょっと駅から外れると家並みもゆったりして、ヘッドフォンで聞くＴＵＮＥーＩＮアプリのイタリアオペラは、プッチーニのマノン・レスコーだ。なかなかの絶唱が、いやが上にも気分を盛り上げてくれる。

ぷらぷらと他人の家の造りをあれこれけなしながら歩いて行くうちに、目当ての珈琲館に着いてしまった。中は広々として、茶色を貴重とした内装が落ち着いた雰囲気を出している。こういう喫茶店は好きだ。なにより席と席の間隔が広いのがいい。最近の喫茶店はドトールしかりカフェドクリエしかり、もちろんマックなどは論外であるが、スタバも例外ではない。

喫茶店の役目はゆったりコーヒーを飲ませるところにあるので、右も左も見知らぬ他人の腕を気にしてぶつからぬように両肘を引っ込めてコーヒーを啜るなど、全くもってわざわざコーヒーを飲む意味がない。でかい声で傍若無人におしゃべりするのが最近の流行になってからは、喫茶店にはトンと寄らなくなってしまった。３年前にタバコを止めてからは喫茶店にいく最後の理由もなくなって、人生が本当につまらなくなっていたところである。では何故珈琲館に行ったのか？暇だったのでとしか言いようがない。

そこでついでに、読書用に「西行物語」を持って行った。どうも年を取ると本が読めなくなって来るようだ。本を読むというのは、意外と集中力がいるものである。そこで一念発起して、前々から読もうと思っていた本にチャレンジすることにした。どうせ流し読みしか出来ないのだから太平記でも保元物語でもよかったのだが、結局ちょこっと読んだだけで本を読むのは一先ず置いといてブログを書いてしまった。

結果２時間ほどの間に、ざっと２０頁くらいしか読めなかった。とにかく意味のある自分の時間が持てたのだから、まあ良しとしよう。ブログも書いた事だし。今夜は、テレビで録画の女子ゴルフを見ることにしよう。老人の一日というものは、スケジュールで埋まってることが理想である。老人は一日中ポーっとして無害なのがいいと思ってるかしれないが、実は眠れない夜ほど怖いものはない。だから運動して疲れきって寝るのが理想なのである。つまり生きてる事を忘れてるくらいに、外界に熱中しているってのがいいのだ。