和翠塾ブログ

目黒都立大にある書道教室「和翠塾」のブログです。

情熱大陸『紫舟』特番を見ました

2013-02-03 11:24:21 | 日記
書家紫舟の特集です。

私は武田双雲さんや紫舟さんのような若手が活躍することは、とても喜ばしいことだと思っています。
そして、ご本人達に対する風当たりの強さを思うと、ただただエールを送りたくなります。
出る杭は悪意あるやっかみで打たれますが、それでも活躍し続けてほしいのです。

書道の世界は音楽で言えば、クラシックの世界。
今ようやく彼らのようなジャズミュージックが認められつつある状態だと思うのです。

クラシックの基礎がある彼等でさえ、新しいジャンルを作り出そうとすると、その音楽や書体がわからないというだけて、彼等を討とうとする者達が出てくるのです。

まして、クラシックの基礎もなく、音楽の通信簿が1の若者がやる暴力的なロックミュージックなんて叩き潰せ!

今や昔のものがたりですね

しかしそんな時代が書道にも必ずやってきます。

脳性麻痺により手足が不自由なので、頭にベルトをつけそこに筆をはめ、身体を支える母親と共に書を書く人がいます。
彼は多分芸術を作り出しているつもりはないでしょう。
母親と触れ合いながら、言葉や身体で表現出来ないことを、心底楽しみながら表現しているのだと思うのです。

我々に、その魂の衝動と同等なエネルギーがあったとしても、それは技術や経験で厚く覆われてしまいがちなのです。

だからこそ 書道の世界にもロック革命が必要なのです。
紫舟さんや双雲さんの活躍はその流れを生み出す事につながり、パフォーマンス書道は下地を作り出しているのです。

書道におけるロック革命はすぐそばまできています。

書道には基礎が必要。
でも『書アート』は基礎がなくても出来るのです。
『書アート』はロックなのですから、魂の叫びがあれば出来るのです。
いや、魂の叫びがなけれは書道は技術と知識のひけらかしだけで終わってしまうでしょう。

僕は筆ペンで書かれた居酒屋のメニューが好きです。
そこには美味しさや作り手の温かい気持ちが表れていて、しかも無限に想像が広がって、思わず『おねーさーん』と注文してしまう(笑)

僕のいう所のロックではないけれど、ポップスであることは間違い無いのです。
ロックミュージックがでれば、ポップスだけじゃなく、ジャズもクラシックも刺激をうけ、コラボレーションを通して切磋琢磨していくのです。


私には試してみたいアイデアがあります。
それは書家を一瞬にしてロックミュージシャンに変貌させる方法です。
確立したら作品を発表しますね。

私生活や過去経歴まで明らかにした紫舟さんや双雲さんが、悪意あるやっかみや誹謗中傷で潰されないことを願います。
君たちは書道を一気に進化させるパイオニアなのだから。

頑張れ!
ロック書家オヤジは全面的に応援してるぞ!

杉山






王羲之特番

2013-02-03 10:17:42 | 日記
王羲之の展覧会が開催していることもあり、王羲之特番が放送されました。
今回は失われたコピー技術『双鉤塡墨』(そうこうてんぼく)についての話しでした。

王羲之の真筆は現存してはいません。
残っているのはコピーのまたコピー、さらにそのコピーというものばかりです。
その中にあって、中国皇帝が王羲之作品の保存を目的に国家の威信をかけて開発させた、『双鉤塡墨』という技術でコピーされた優秀な複製品が、世界に十数点ほど残っているというのです。

我々が王羲之作品を目にするものは、この技術で再現されたものが多くあります。

つい最近日本で王羲之の双鉤塡墨作品展がみつかりました。
40年前にも大名家子孫の家から見つかっています。
さすが、アジア文化の吹き溜まり日本、ですね(笑)
今後日本で更に発見される可能性もあります。

今回のテーマは、文献に少ししか記載されていない双鉤塡墨の技術を、現代の技術で再現しようという試みです。

結果として双鉤塡墨を越えることはできませんでした。
それは時間と予算と関わる人のレベルの差だと思いました。

かなり再現に近づいた所をみると、技術の解析は間違っていないと思いました。
再現したいという情熱もある。
しかし、予算も時間はない。
だから失敗を重ねて辿り着くことは許されない。
そして一番無いのは、多くの書の達人達が皇帝の命令で作業させられたという点でしょうね。

こればかりはねぇ(笑)です。


行書草書の基本を作り、書を芸術の域に高めた王羲之。

展覧会は三月ごろまで開催されているようです。
私も時間見つけていくあつもりです。

皆様も是非お運びください。

杉山