感想:THE 裁判員

2009-12-23 22:41:01 | ゲーム(DS)
今日のソフト



THE 裁判員 公式サイト


ゲームの発売が5月。
裁判員適用裁判の開始が7月。
長いこと放置したせいで時期を逃してしまったけれど
ようやく終わったので感想。


主人公は殺人事件の被害者となった青年。
その無念により、成仏できずに現世をさまよっている。
裁判員の1人に憑依することで、
事件を「正しい判決」へと導くのがゲームの目的。



「憑依」および「真実と嘘を見抜ける」というオカルト要素がありながら
裁判のプロセスはそれなりにリアル。
用語の解説も入るので、遊べば自然に裁判員裁判の内容を理解できる。



シナリオ重視の作品だけれど、ゲームがゲームたる部分は以下の通り。


ストーリーの各ポイントごとに3つの情報の中から
ひとつを選択し、「カード」として手元に残す。

べつに3つの中に嘘が入っているということはなく、
「被告人の特徴で重要なものは?」
→ 1.義理堅い 2.責任感がある 3.娘のことを想っている
といった感じの選択肢。

一見どうでもいい情報が証人尋問などで強力なカードに
パワーアップすることもあり。


裁判員裁判のルールに則り、3人の裁判官と6人の裁判員のうち
最終日までに過半数を説得し、正しい判決へと投票させられればクリア。
主人公が裁判員の一人に憑依するため、実質4人の説得が必要となる。

一日の終わりの「評議」において、そこまでに得たカードをぶつけることで
一人ずつ「説得率」を上げていく。
説得率はパーセンテージで表されており、100%までもっていけば説得完了。


選択肢の中に「これを選べ!」的なヒントが入っていることもあり、
クリアするだけならヒントに従えば簡単に過半数を説得できる。
ストーリーだけを楽しみたい人には、まったくストレスにならない。

ただし全てのシナリオでかならず偏屈な裁判員が混ざるため、
全員を説得しようとすると結構なやり込みが必要。
ここがゲーマー心をくすぐる要素。



ま、説明すると野暮ったいけれど実際はオマケ程度の要素。
あくまで作品のメインはシナリオ。

事件はとことんデフォルメされた、「ゲーム的」な内容で
荒唐無稽と言ってしまっても語弊はないけれど、
裁判員裁判の範囲内で起こりうる可能性を考慮したシナリオ。
エンターテイメントを強く意識しながら、
制度そのものに対する矛盾や疑問点を突いたりすることもある
なかなか意欲的な内容になっている。


お気に入りのキャラ




松園正照(33歳無職)
死刑反対に反対する典型的ネトウヨ。
不特定多数へ向けて発売する家庭用ゲームにおいて
ネットスラングの多用は個人的には反対なのだけれど
実際の裁判員裁判でもこういった輩が出てくることが予測される。
フィクションとして誇張した問題提起が見られるのもこのゲームの面白さ。




エロゲーのようなグラフィックや、いかにも法廷サスペンスなBGMも
ゲームを盛り上げるうえで効果的に使われていて
ずっと甘く見ていたSIMPLEシリーズに思わぬ佳作を発見。

プレイ時間もそんなに長くないので
年末年始の合間に是非。


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