うらめしや 全26巻
漫画、魔木子
江戸の終わり、
霊力者うらめしやの“お妖”が
色々と解決していく霊退治もの。
霊ばかりが相手でもないし、
依頼だったり巻き込まれたんだったり
霊力強いから引き寄せ体質でもあるのかな。
そんなお妖は無気力だったけど
彼女に惚れて転がり込んできた佐治の陽キャの
おかげで前向きになり
元からの思慮深さに本来の正義感の強さが加り
江戸を守るために奔走していく。
ずっと佐治のことは
突っぱねていくのかと思いきや
すんなり夫婦になり子も授かる。
しかし、昔 お妖も攫われた天狗に奪われ
一瞬で10年の時間を天狗に奪われたり、
(一瞬で大きくなったせいで佐治は自分の息子
としてなかなか受け入れられず更に可哀想)
導かれるように近づくなと言われた森に入り
あっさりと命を落としたり、
嘆き悲しむ お妖は“護法”として復活させ、
その後に第2子の女の子を産み
その子の周囲の霊的なものは全て浄化される為
一緒にいられなかったり、
永遠の時を生きる護法は
生まれ変わることもできないし
主人である母親お妖がいなくなった後は
誰にも使役されず孤独になるか
変な人に使役されたら何をさせられるかという
不安を抱えることになり、
母が巨悪に立ち向かうことになったので
心配と不安から同じ時の流れを歩める
天狗に主人変えすることにして
その代わりとして母の手助けをする
(そして天狗が暇だからと子供を攫うのを
自分が埋めるから止めるように諭す出来た子)
という、彼の人生の方が波瀾万丈で
刹那で切ないなぁと思ってしまい
メインのお妖がラスボスを倒すのに
身を投げ出しても
そうするしかないよねぇと思ってしまった。
息子を輪廻転生から外してしまったんだし。
でも、お妖さんは
その時その時 一生懸命だったので
仕方ないし、本人は満足だろうと思う。
最後に佐治の夢である
『全員でご飯を食べる』
(一緒に存在できない息子と娘も共に)
を、これも天狗のお陰で叶えてもらったしね。
お妖が帰ってきたと大喜びの佐治が
その後、どれぐらい嘆くかと思うと切ない。
天狗、悪いことしまくりなのに
最後の方はお妖親子に
良いように使われてる気がしますが
この親子の魅力が
天狗をそうさせたんでしょう。
魔木子さんの作品って幅広いですね。
この作品は自然な夜のシーンは
無理に省くこともなく
本当に自然に描かれてるのが流石だなと。
最後まで読めて悲しいけれど
スッキリしました。
ありがとうございます。