僕は昭和26年生まれなので、何か昭和の人間のような気がしていた。
しかし、よく考えると、平成元年が38歳。一番働き盛りだったし、よく遊んだのも平成時代だ。
僕の属した文化社会部は芸能、スキャンダル、大きな社会事件、すべてを扱った。
阪神大震災、オウム事件、神戸少年A事件、和歌山毒カレー事件、福知山線脱線事故、東日本大地震などなど。
悲惨な事件、事故、災害ばかりだが、取材過程で現場ならではの興味深いエピソードもヤマほどある。
おいおい書きたいと思う。
すべて平成のことだ。
楽しいことも、悲しいこともいろいろあった。
昔をあまり振り返らない方だが、今日はいろいろ感慨に耽るだろうな。
そんな平成がまもなく終わろうとしている。
こんなめでたいムードで代替わりするのは平成天皇の国民に対するご配慮だと思う。
昭和の終わりは大変だった。年末に天皇が危篤状態になられて、忘年会シーズンに自粛、自粛の大合唱。
非常に窮屈だった記憶がある。
坂本冬美のヒット曲「あばれ太鼓」が「どうせ死ぬとき裸じゃないか」で始まることから、自粛させらるという笑えぬ話もあったな~。
多分、現天皇は自分の代替わりは、国民に迷惑をかけたくないと思われたのでは…。
さらに天皇は憲法に則った象徴という言葉をよく使われる。
戦前の天皇は絶対不可侵の現人神だった。現天皇は自分は象徴だと強調される。
象徴の勤めが全身全霊で果たせなくなったから退位されると、退位の決意を述べられた。
非常に責任感の強い賢明な方だと僕は再認識した。
だから明日から悲しむことなく、明るく令和を迎えられるのだ。
さて、どんな時代になるのかな?
いい時代になればいいが。
まあこちらは老いるばかりだが。
せいぜい世の中に憎まれ口を叩きながら、生きてやろうと思う。