前回の原稿で「スプラッシュ」って書いた。何のことかお分かりにならなかったと思う。
わざとそうしたから。大阪・桜川にある知る人ぞ知るショーパブなのだ。僕は一時、そこの常連だった。15年くらい前のある日、皆でワイワイやってたら、フロアーボーイをしている松本竜介と偶然会った。
そこで取材を申し込んだ。まあ「あの人は今」みたいな企画の記事だ。竜介は快く引き受けてくれ、東スポにも大きく載った。それから連絡を取るようになった。
もう一回、大きな記事になった。当時、飛ぶ鳥を落とす勢いの島田紳助が、50歳になったら竜介ともう一度、漫才をしたいとテレビで発言したからだ。その話を聞きにいったら竜介は大喜びして、僕にはその準備はできてます。いつでもオーケーですと語った。結局、実現しなかったが…。
その後、大阪・ミナミの風俗案内所の所長している竜介から話があると電話があった。「お笑い隊」みたいなのを作って、全国を回りたいというような話だった。具体的な話ではなかったので、僕は興味なさげに聞いていた。すると竜介は「興味なさそうですね。もういいです」と席を立った。
それからしばらくして竜介の訃報が届いた。49歳だった。僕はあのときもっと熱心に話を聞いてやったら良かったと後悔した。
今は元相方の紳助も芸能界から消えた。