武蔵野を歩く

元社会人兼ロースクール生の日記

自然法則

2006年04月14日 | 選択科目等
紋谷先生の授業は、審議会の裏話等が聞けて面白い。
平成14年の特許法改正でプログラムの発明は物の発明として扱われることとなったが、その際に特許法2条1項の発明の定義から「自然法則」を削除することが真剣に議論されていたらしい。
自然法則を削除するというのは、余りにも全体の影響が大きいのであり、そんなことを考えていたのかと感心してしまった。
紋谷先生は一言、「世界の孤児になりたければどうぞ」と言ったそうである。

発明の定義を世界で最初にしたのは、ベルリン大学教授のコーラー氏で、彼の著書がヨーロッパではバイブルとなり、そこからEPCではプログラムは特許の対象とならないとする考えが今でも根付いているそうである。日本は大陸法系なので、アメリカのようにはいかないとも先生はおっしゃっていた。私自身もそう思う。具体的な検討はしていないが、少なくとも多数の判例、裁判例が水泡に帰することになるであろう。

大変ためになる話であるが、今まで特許を扱ったことのない、学生にはピンとこないだろうとも思う。先生は本質的なこと講義することを意識されており、レベルは高い。しかし、このような講義をできる研究者は、日本で数少ないと思われるから、私にとっては大変有意義であり有り難い。

最新の画像もっと見る