切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

作家が言論で闘わずに、圧力を使えという時代

2015-06-29 23:59:59 | 超読書日記
以前、『海賊とよばれた男』を読んだときの感想は、「いまどき企業PRでもここまでの提灯はやらないな」というものでした。だって、企業を扱った小説は他にもあるけど、ここまで「光と影」の光の部分ばっかり誇らしく書いてしまっては、なんの深みもないでしょう。で、そんな人の発言だから、無理もないとは思いつつ、やっぱりひどい。中村歌右衛門が三島由紀夫の死後語ったという「なぜ、筆で闘おうとなさらなかったのか」という言葉を思い出しましたね。

でも、三島なんかはドン・キホーテ的でまだ可愛げがあった気もしますが、百田直樹の場合は権力にすり寄って、経済界にすり寄って、圧力をかけろと言っているわけで、維新の会松井一郎の発言「百田氏にも言論の自由がある」というのはまったくの的外れ。

わたしにいわせれば、「何を言ったって言論の自由だし、本音を吐いたという意味ではむしろ貴重だが、作家が言論機関に向かって言論で対抗せよと言わなかった時点で、この人の作家としての矜持を疑わざるをえない」、ということです。

だから、作家じゃなく、売文屋なんだと思いますね。もちろん、堺利彦みたいな尊敬すべき、根性座った売文屋とは違います。

ということで、NHKにも関わってほしくないです。

パンとペン 社会主義者・堺利彦と「売文社」の闘い
クリエーター情報なし
講談社
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