切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

『日本のいちばん長い日』で思い出すべき、細木数子の話。

2015-07-15 23:57:23 | 政治少女死なず(反アベ宣言!)
再映画化された『日本のいちばん長い日』は、岡本喜八監督の旧作であれ今度の新作であれ、日本に暮らしていたら絶対観なければいけない作品でしょう。「愛国」だの「尊王」だのと言っている連中の怪しさをこれほど物語っている話もない。で、映画では語られざる部分、天皇が読んだ玉音放送の原稿を書いた男の後日談に細木数子がからんでいるって、いまどの程度知られているのか!このブログでは何度も書いているネタなんですが、いま一度!書いてみます!

昭和天皇が読んだ「耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び~」という玉音放送の原稿。これを書いたのが陽明学者安岡正篤というオジサンで、「歴代総理のブレーン」、「政界の黒幕」「平成という年号の発案者」だったということになっています。

で、このオジサンになぜ細木数子がからむかというと、細木がすでに耄碌気味だったとされる安岡に酒を飲ませて、再婚の約束をさせてしまったからです。のちに安岡の家族から婚姻無効の調停申し立てをおこされています。

で、このあたりの経緯は、佐野眞一の『あぶく銭師たちよ』(ちくま文庫)にかなり詳しく出ているので、興味のある方はどうぞ。

ということで、わたしが何をいいたいか。世の中って、胡散臭いことだらけでできてるんだなってこと。吉田茂から岸信介を経て現在に至る保守政治の流れとそのブレーンの晩年。むかしもろくなものじゃなかったけど、今はもっとろくなものじゃない。

ま、そんなことを考える7月15日なのでした。

(むかし書いた記事)
・古舘さん、あんたは報道辞めなさい!(細木VS古舘をめぐって)

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2 コメント

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うさんくさい世の中 (ひでかず)
2015-07-18 00:17:39
今の世のなかろくなものしじゃない,という主張にはまったく同感です.ところで,終戦の詔勅のなかの「耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び~」という部分はよく引用され,むかしのニュース映画なんかでもここですすりなくひとびとが映しだされており,そのためにわたくしも,昭和天皇がひとびとの戦中の苦労をおもいやって発したことばであるかのようにかんがえていたのですけど,じつはこれは「大平ヲ開カムト欲ス」にかかるんですね.つまり,いやいやながらポツダム宣言を受けいれる,といっているわけです.このあたり,いまでも誤解しているひとのほうが多いんではないでしょうか.
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コメントありがとうございます。 (切られお富)
2015-07-19 07:20:01
ひでかずさま

コメントありがとうございます。

さすが鋭いご指摘ですね!こういうのも巷間言われるのとは別の意味で「戦後レジーム」だと思いますが、確かにおっしゃる通りだと思います。そもそも、昭和天皇は終戦前後も「三種の神器の確保が大事」だと思っていた方ですし。

それと、吉田喜重の映画『秋津温泉』で、岡田茉利子が玉音放送を聴いて「何を言ってるかわからない」といって、席を立つくだりがありましたが、あれは一般的な反応だったのかも。

あと、最近になって思うのですが、昭和天皇は1901年生まれだから、当時44歳。老成した声だなと。

映画をきっかけにいろんな見方が出るとよいんですが、どうなりますか・・・。
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