切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

『ドラゴン桜』①~⑦ 三田紀房 著

2005-06-12 06:15:00 | 超読書日記
マンガ家では高野文子と萩尾望都が好きなわたしにして、これか・・・。はっきりいって、私の芸風とは違うんだけどなあ・・・。しかし、ホリエモンが大絶賛しているということで話題のこのマンガ、話のタネに読んでみました。

まず、最初に断っておくと、確かにこのマンガ、面白い。でも何で面白いのか説明するのは意外に難しい気がする。

知らない方のために簡単にストーリーを紹介すると、倒産寸前のおバカが集まる高校を「東大合格者100人」の超進学校にして再建するという話。つまり東大受験ネタのマンガなんですね。

正直言って、絵は下手だし(個人的には「ナニワ金融道」以来の下手さかな?)、出てくるキャラクターも図式的で深みがないしで、けして巧みなマンガではない。それに、ここに出てくる「常識破り」の「効果的な勉強法」も、真面目に受験勉強したことのある人なら、知ってる話も多いはず。想像するに、和田秀樹氏の受験本なんかを読んで東大に入った編集者が付いてるのかなという気もするが?(「赤チャート」なんか出てくるし・・・。)

アンチ「ゆとり教育」という面では「沈黙の艦隊」と憲法9条みたいな感じもあるし、建前と大胆な本音のぶつかり合いという意味では、「編集王」なんかが引き合いに出せるかもしれない。ただし、画力や構成力は大分落ちるが・・・。

しかし、それでもこのマンガは面白い。(あんまりフォローになってないか?)一巻だけ読むつもりがついつい7巻まで読んでしまったし・・・。

結局、何がわたしをここまで惹きつけたのかまだ整理がついていないのだけど、要するに一種の「自己啓発マンガ」として楽しめたのかなという気がする。以前、ホリエモンのファッションや態度を見ていると「内申書軽視、偏差値重視」の姿勢を感じると書いたことがあるのだけど、実力主義と偏差値重視の思想というのは、おそらくわたしたちの世代ではまったく矛盾しないものだと思う。言い方を変えると、内申書とオヤジの根回しというのはどこか通じるものがあるようにわたしは感じてきた。つまり、このマンガに関していうと、「負けたくなかったら賢くなれ」という根本思想に共感しているから、多少陳腐なところがあっても付き合っていけるということか?

ただ、教育関係者の推薦がついたり、内容が具体的な東大対策に及ぶにつれて、大分陳腐さが目立ってきたし、わけのわからないキャラの教師の登場も、科目数からいってそろそろ限界。おまけにマンガ自体の進度が遅く、この先どうなるのかちょっと心配ではあるな・・・。

因みに、7巻にはホリエモンの特別講義『一度は東大に入っとけ!!』が収録。彼の著書「ホリ単」を宣伝しています。

まあ、最後にあえて受験生に言いたいのは、所詮はこのマンガも自分でものを考える材料に過ぎないってことかな。このマンガに出てる手法や参考書を鵜呑みにするんじゃなくて、自分の頭で戦略を考えるってことが、なんにつけ重要だとわたしは思うんですけどね。結局このマンガを使って商売しようという「受験商売人」だっているんだし。

ドラゴン桜 (1)

講談社

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