
ツイッターで第一報を知って半信半疑だったのですが、本当でしたね。正直驚きました。しかし、『失楽園』の監督って言い方は、愛がないよ!ご冥福をお祈りいたします。
80年代以降の映画監督ではトップランナーだったはずのひとでしたが…、後半もうひと花咲かしてほしかったですね。なんだか、器用貧乏みたいになっていってしまった印象でしたが…。
個人的にはなんといっても夏目漱石原作の映画化『それから』!藤谷美和子が水を飲んでしまうシーンの美しさといったら!松田優作と兄嫁役の草笛光子の会話もよかったし、ね。
それと、若手落語家を描いた『の・ようなもの』も、落語好きの森田芳光ならではの作品でした。「黄金餅」の言い立てを利用した脚本とか!
そして、大傑作なのになぜか語られることの少ない『刑法第39条』。今は亡き高瀬カメラマンの代表作といっていい作品ですが、どんよりとした曇天と、あっと驚く最後の展開!法廷劇としても、中原俊監督の『12人の優しい日本人』と並ぶ作品だと思いますね!
あと、新幹線を使ったシーンが黒澤明の『天国と地獄』のオマージュかと思える『ハル』。
とにかく、映像作家としてのテクニックは超一流だった人ですが、それゆえに後年大手映画会社の年間ラインナップに取り込まれてしまって、没個性化が進んでしまった…、といっては酷ですかね。(『武士の家計簿』は嫌いじゃなかったけど。)
たとえば、黒澤作品を見事にコピーした『椿三十郎』なんて、森田芳光でなければできないソツのなさなんだけど、それ以上でもそれ以下でもない出来だったし、同様のことは向田邦子の名作ドラマのリメイク『阿修羅のごとく』でも感じたことでした。
そういう意味では、最後に原点回帰のはっちゃけた作品を期待してたんだけど…。(たとえば、『ピンクカット 太く愛して深く愛して』くらいの!)
しかし、80年代を彩った監督といえば、森田芳光、相米慎二、大森一樹あたりでしょうが、結局、一番早く死んだ相米慎二が一番大きな足跡を残した格好か…。
なんだか、いろいろ考えさせられた訃報でした。2011年は日本のカルチャーの転換点の年かもしれないですね。
PS:『家族ゲーム』にはあえて触れないんですよね、わたしは!
80年代以降の映画監督ではトップランナーだったはずのひとでしたが…、後半もうひと花咲かしてほしかったですね。なんだか、器用貧乏みたいになっていってしまった印象でしたが…。
個人的にはなんといっても夏目漱石原作の映画化『それから』!藤谷美和子が水を飲んでしまうシーンの美しさといったら!松田優作と兄嫁役の草笛光子の会話もよかったし、ね。
それと、若手落語家を描いた『の・ようなもの』も、落語好きの森田芳光ならではの作品でした。「黄金餅」の言い立てを利用した脚本とか!
そして、大傑作なのになぜか語られることの少ない『刑法第39条』。今は亡き高瀬カメラマンの代表作といっていい作品ですが、どんよりとした曇天と、あっと驚く最後の展開!法廷劇としても、中原俊監督の『12人の優しい日本人』と並ぶ作品だと思いますね!
あと、新幹線を使ったシーンが黒澤明の『天国と地獄』のオマージュかと思える『ハル』。
とにかく、映像作家としてのテクニックは超一流だった人ですが、それゆえに後年大手映画会社の年間ラインナップに取り込まれてしまって、没個性化が進んでしまった…、といっては酷ですかね。(『武士の家計簿』は嫌いじゃなかったけど。)
たとえば、黒澤作品を見事にコピーした『椿三十郎』なんて、森田芳光でなければできないソツのなさなんだけど、それ以上でもそれ以下でもない出来だったし、同様のことは向田邦子の名作ドラマのリメイク『阿修羅のごとく』でも感じたことでした。
そういう意味では、最後に原点回帰のはっちゃけた作品を期待してたんだけど…。(たとえば、『ピンクカット 太く愛して深く愛して』くらいの!)
しかし、80年代を彩った監督といえば、森田芳光、相米慎二、大森一樹あたりでしょうが、結局、一番早く死んだ相米慎二が一番大きな足跡を残した格好か…。
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コメントありがとうございます。
自滅した伊丹十三監督といい、失速した森田監督といい、サブカルチャーとしての映画が機能したのはぎりぎりバブルまでだったのかな~と思います。
今では、テレビ局主導のマンガやアニメのリメイク映画とかばっかりですもの。
『ぴあ』の休刊と森田監督の死が、ひとつの時代の終わりと感じているのはわたしだけでしょうか…。