切られお富!

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国立劇場で歌舞伎鑑賞教室「俊寛」を観てきました。(観劇日6月16日)

2012-07-11 23:24:40 | かぶき讃(劇評)
カッコ悪いんですが、ここのところ人生初のひどい腰痛で、観劇も危ぶまれたのですが、一応行ってきました。ただ、だいぶ集中力がなかったので、ごくごく簡単な感想だけ。

今回は橋之助の俊寛ということで、まあどうなるかってところだったんですが、まずまずの感じでした。

個人的には、抹香くさくて好きな芝居じゃないんですが、晩年の松本白鸚とか先代の勘三郎、今だと吉右衛門や仁左衛門がやるとやっぱり魅せる!好きな役者じゃないけど、幸四郎や今の勘三郎でも、絶好調の舞台だと、わたしみたいな特殊な人間ですら感動できるんですよね?!

というわけで、なかなかよくできた芝居なのかもしれませんね~、「俊寛」って。

さて、舞台なんですが、橋之助の俊寛はヨボヨボじゃないところがよいと思いました。幸四郎がやるとかなりの年寄り感で演じるので、橋之助の俊寛の背筋の正しさは新鮮さがありましたね~。

それに、古風で新劇っぽくないところも悪くない。たぶん体つきのタイプ的には吉右衛門の感じなんですが、ただあえて言うなら、吉右衛門や仁左衛門がかもし出す憂愁まではまだまだ届かない硬い感じがしたってところですかね~。ま、初役なんでしたけっけ?それを考えれば、今後に期待できる舞台だったとは思います。

千鳥の児太郎は、まだアレコレいうのが気の毒。流石だったのは、菊五郎劇団のベテラン團蔵の瀬尾と権十郎の丹左衛門。ふたりとも口跡がよいので、安心して見ていられる。ま、権十郎はもっと気持ちよくやっちゃってもいい位ですけどね~。

芝喜松の康頼は一瞬誰かわからないほど老獪な芝居で、対する成経の芝のぶは渡辺保さんの劇評ほどにはオンナオンナしてなかった(修正したのかな?)。

ところで、今回の鑑賞教室では義太夫の語り(近松の詞章)を電光表示しているんだけど、千鳥のくだりの詞章が艶っぽい駄洒落になっていることに気付いた高校生は何人いるんだろう?こういうところに、教育の難しさってあるなあ~と、センセイに同情したわたしでした。なかなか、教えられないもんね、センセイが思春期の若者に!


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