うんこのけむり

要点だけ言います。ただ、テストには出ません。

MFJ~2008年8月『Pure』~

2009-06-23 | Weblog

最近の俺の地元で密かに頻発されてるのが。



 『プチ同窓会』



 男女共に6~7人くらいが集まり計14~5人で酒を飲んでは大騒ぎして昔話に華を咲かせる。


 男共はほとんど地元の奴らだが。女性陣は大阪や東京。一番近くても車で30分ってトコだろう。そう考えると女性陣もまんざらでもないというのが伺える。



 今回で2回目だが。今回の俺はいささか具合が違った。



 俺の人生で唯一無二と言ってもいい『ピュアな思い出』がぎっしり詰まった『あの子』が参戦するからだ。


 前回のプチ同窓会ですっかり話が盛り上がり。ありがちな『中学校の時誰が好きだった?』という話になった。


 俺の番になり・・・(順番で申告ってのも笑える)俺は『実はかおりちゃんに俺告白してふられてるんだよね・・・。んでその後高校に行って手紙をもらってさ。まああの時ふった事後悔してるみたな内容のものを頂いたんだよ』と言った。



          『ええ~~~~~~~~~~~!!!??』



 女子一同驚愕。。。うん。わからなくもない。組み合わせでいったら決してありえない。想像だにしない組み合わせだった。


 俺は中学の時から目立ちたがりやで。なんでも先頭じゃなくちゃ嫌なタイプで。一方かおりちゃんはものすごく勉強も出来て。性格も明るかったし。かと言って浮いた話なんかなくて。


 女子の間でもすごく好感を持たれてる子で。クラスによくいがちな『おせっかいな女』からしてみたら『あいつだけは絶対駄目だよ!』って言われるような俺だったから。


 中学2年の冬。彼女を屋上に呼び出して告白に踏み切った・・・・。


 丁寧な口調で今の自分を伝えてくれた彼女の言葉にはちゃんと真剣に考えてくれたっていう想いが込められていて。本当に綺麗なふられ方だった。


 その後も学校内で会っても普通に挨拶とかしてくれて。逆に心地よかったりした。



 それから俺は水戸に一人暮らしをしながら高校に行く事になり。彼女は地元の進学校に進んだ。地元を離れ一人遠方で生きてる俺を哀れんだのか。なぜか何人かの女性から手紙を頂いた。


 以前も書いたように。地獄のような一年生時代を過ごしていた。その時に頂いた手紙の数々は本当に嬉しくて。励みになった。文通めいたことをしていた同級生の女子もいた。


 やがて2年生になったばかりの頃。俺にもやと彼女が出来て。公私共に(この場合の公とは部活の事だ)充実していた日々を送っていたとき。


 かおりちゃんから手紙が届いた。



 『元気にしていますか?』という文章で始まり。彼女の近況を丁寧な文章で書き綴ってあった。


 そして。3枚の便箋の2枚目には俺が中学の時彼女に告白していた時の事を書いてあって。『私は今あの事を後悔してる』と書いてあった。でも頭のいい彼女だから。その『後悔』に縛られたままじゃいけないとも書いてあった。


 そして2枚目の最後の方に『今でももしあの時と同じ気持ちなら・・・』と書いてあった。


 なぜか俺の心臓は高鳴る。『え・・うそ・・・まじで?』



 恐る恐る3枚目に手を移す。。。






             『忘れてください』




  ・・・・・・・・・・・・・・・・え?・・・・・・・・え?。。。。。。



 流れ的には『もう一度』という展開ですけど・・・・・・。(汗)とまあこれは今でも俺の地元では伝説になっている話なのだが。。。



 今思えば彼女も彼女で必死だったんだと思う。いくら人に説明しても。理由なんか見当もつかない。俺には彼女があそこであえて『忘れてください』と書いた理由がわかっていた。



 それからまた数年が経ち。俺は地元で跡取りとして生活をスタートしていた。そんなある日。後輩のカズノリが『今日銀行のおね~ちゃんと飲み会やるんすけど。頭数足んないんで来て下さいよ!』と頼まれ俺がピンチヒッターで参加した。



 するとそこにはかおりちゃんがいた・・・。



 『うそ?なんでいんのよ??』『あれ~~!!なんで~~~!?』とお互い驚きを隠さず。


 彼女は進学校から東京の6大に進学し。現役で卒業。今は地元の銀行員として働いてると言う。



 その時もやはり。中学の話で盛り上がり。帰りは俺が彼女を家まで送っていく事になった。メルアドを交換して。今度二人で飲みに行こうとなった。


 その時。彼女は半年後。俺は1年後に結婚が決まっていた。



 メールのやり取りを何回かして。彼女と飲みに出かけた。



 もちろん『そんなこと』は何も無い。俺は。ちゃらちゃらしてどうしようもなかった当時の俺でさえ。これはここだけは『そうしちゃいけない』と思っていた。


 飲みに行き。少し走ろうかとお台場の方までドライブしたのを覚えている。


 そんなことを2~3回繰り返し。彼女が勤めていた銀行を退職し。来週には嫁ぎ先の東京に行くって時に。最後の飲みに二人で出かけた。


 頭のいい彼女だったから。去り際も本当に綺麗だった。



 そんな彼女が今までしてきた恋。俺との中学校の時の思い出を車中語ってくれて。


 最後の別れ際。彼女に俺が『向こう行っても頑張れよ。幸せになってな!応援してるよ』と俺が言うと。彼女も『うん。お互い頑張ろうね』と微笑んだ。



 そうして彼女が車を降りるとき。


 『・・・あと3年早く再会できてたらね~・・・。』と俺に向かって微笑んだ。



 『え?』俺が聞き返したら。『なんでもないよ』と今まで見せた事無いようないたずらな顔で笑って見せた。俺もそれに答えるように微笑んだ。



 あれから俺もかおりちゃんも結婚をして。お互い2児をもうけ。それなりの生活を過ごしている。



 そんな中で。今回のプチ同窓会にわざわざ東京から参加してくれたかおりちゃん。


 久々の再会に。俺はなぜかドキドキするというよりはわくわくしていた。そえは決していやらしいものではなく。本当にピュアな気持ちだった。


 隣に座った俺は。


 『おっす!久しぶりだね~』と言うと相変わらずの笑顔で『久しぶり!』と彼女もまた笑った。




 よもやま話に華が咲き。俺が。


 『結婚前に二人で飲みによく行ったっけな~。。。』とそれらしく言うと。彼女は。




 『え~~~~~!?行ったっけ???』ととぼけて見せた。



 俺も『は~~~!?忘れたの!?ひどくね~か~それ~!?』と彼女に乗ったけど。俺にはわかっていた。彼女が『ふり』をしてるってことに。



 時間の都合で早く帰った彼女が帰り際俺に『じゃあ先に帰るね!今日はいろいろ思い出した!ありがとね!』『おう!またな!』と見送った。



 もちろんアドレスだって携番だって聞くような野暮な真似はしない。



 彼女はそういう子だから。決して口にしないけど。



 彼女が『大切な思い出』と思ってくれてる以上。俺もまたそうする事に決めてるから。




 『あえてまたねとは言わないから』そう小さい声で俺に言って帰っていった彼女の事を。心底『いい人だな~』と思えた俺も。少しは大人になったのかもしれない。。。