野菜の食卓〝vegefull〟スタイル

野菜を楽しむ大人の生活。  日々の暮らしの中で野菜の旬を楽しみ、野菜の食卓を囲みます。

山菜の季節に思う山田さつさんの料理

2011-05-10 | 青森のおいしいもの

野菜の食卓

震災から2か月、新幹線も復旧してゴールデンウイーク中は5月に入り弘前の桜祭りも例年のにぎわいを取り戻したと聞いて嬉しくなりました。桜祭りも終わると津軽は山菜の季節です。根曲りダケやぜんまい、わらびなどを使った飯寿司は忘れなれないふるさとの味です。年に2回の神田なみへいで開催されるそすべの会にはいつも津軽から郷土料理が直送されます。そのお料理は温かく、優しく、本当に故郷の味そのものです。そのお料理を作っている人は弘前市に隣接する平川市の山田さつさんです。写真はどれもさつさんの作ったお料理です。ぜひお会いしてみたいと思っていましたが、今年3月始めに実現しました。

 
根曲りだけとますの飯寿司


ぜんまいのくるみ和え


根曲りだけとわらびとみがき鰊の飯寿司


サモダシ(ナラタケ)のナンバ漬け

山田さんは平川市(大鰐温泉の隣町津軽藩の南玄関とも言われ関所があった旧碇ヶ関村)にある「司」という創業30年のお店の店主。この場所は四方を山に囲まれた盆地です。すぐ眼の前に山があり山菜採りが日常と納得しました。


3月初めの碇ヶ関の駅のホームから見た風景。山に囲まれた雪深いところです。


たくさんの山菜のお料理を作って待っていてくれました。涙が出るほどどれも懐かしく、母の味そのものでした。



根曲りダケとぜんまいの煮物


わらびのお浸し


ミズ(ウワバミソウ)の水物


棒だらの煮物


高菜のピリ辛炒め


津軽漬け(一度漬けこんだ漬物を塩だしして、数の子やするめ、とろろ昆布などを加えさらに味付けしている手の込んだもの)


津軽の代表的な伝統料理 けの汁


アザミの葉の味噌汁


沢庵・キク芋・かぶの漬物


とろりとした梅漬け

 

いただきながら山菜の下処理やもどし方などをお聞きし、頼んで途中段階を見せていただきました。


塩漬けの塩を抜いているところです。鮮やかな色が残っています。この色に仕上げるための工夫をぜひまたゆっくり聞いてみたいと思いました。


ミズ、こちらも美しい緑色が残っています。


アザミの葉はさっとゆでてから冷凍し、自然解凍


自家製梅漬けもトロリとしていて何とも深い味わいでした。

 

新幹線の中で食べてとお土産で持たせていただいた太巻き稲荷寿司。もったいなくて家に帰って味わいながらいただきました。子供のころから食べていた津軽の味、いろいろな記憶と重なり心にしみました。


太巻き寿司。甘辛煮に詰めたシイタケた卵焼き、母の味です。


青森のお稲荷さんはごはんが甘く、紅ショウガのピンク色です。

初対面のさつさんと旧知のようにいろいろ話が盛り上がり、みずみずしい感性、前向きな生き方に人間として魅力を感じました。おいしいものを作る人の潔さに触れたような気がしました。さつさん、山菜の季節が終わらないうちにまた訪ねます。今度はじっくりとお料理教えてください。おいしいものの記憶を呼び覚ましてくれるお料理の数々、本当にありがとうございました。出会いに感謝です。