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クルシャの天地

京都駅東高瀬川あたりの猫



線路の高架下を通ります。
この上を新幹線が走るのでしょうか。

すると、高瀬川を沿って南へ歩いてきた飼主は、ようやくここから
西へ向かえばすぐに京都駅というところまで南下して来たことに
なります。

実は四条から歩いても、そんなに距離は無い。






四条から五条、五条から七条と南へ条を越えたところで、景物ががらりと変わるだけなのです。







五条から南のあたりは、菊浜といって、かつては色町だったらしい。
現在はかろうじて名残があるくらいですが、近いうちにまた寄って
みようと思っております。






七条より南のこのあたりは、空き地とフェンスばかりで、用地整理が
進行中の模様。いずれ、大学が移転してくる計画だとか。
そんな地区の一部にゴミ回収車が並んでいるリサイクル施設がありまして、
施設の中に猫を発見。この猫が何か白い粒を舐め回しているので、ごはん
でも食べているのかと思って撮影したところ、この子が舐めていたのは
スチロールの欠片でした。






同じように、落ちたスチロールの欠片を食べられもしないのに餌に見立てて
舌で転がしている猫がすぐ近くにもいました。人に生きづらい場所であった
としても、猫は幸せで居てもらいたい。そうでなければ辛すぎる。






フェンスに空き地に、廃業した店舗。
再開発の準備が進行中です。






このような見た目のものたちもいずれ一掃されて、きらきらしい施設が
立ち並ぶことになるのでしょう。かつて秋葉原駅周辺だってこんな様子
でしたよ。






緑にのしかかられている廃墟。

周辺が立ち入り禁止になってました。






鴨川対岸を見ると、このあたりは工業施設があるようです。
そういえば、ここよりもっと南に、あの日本電産の本社があったはず。






地区の建物が一層されていく中、まだありました、この手の建築物。

しかも現役らしい。
この風情に、なぜか(理由は明白だが)胸が押さえ込まれるような気分に
なること、あると思います。単に自分が幼い頃見たことのある何かに
似ているから、というだけではなく、有り様の持つ魅力ですね。
自分が生きていなかった、19世紀末の街並みの写真を見ても、
似たような感覚があります。

そんな収穫を心の中で整理しながら、しばらく行きますと






猫発見。

先程のリサイクル施設の猫とは違って、目を合わせて機嫌良く
挨拶してくれるので、ヒトに愛されている子のようです。
このような猫がいることこそが、地域の救いとなるのです。
日本猫の国計画の基本ですよ。人の幸せは猫の幸せ。

黒猫と挨拶していると、すぐ近くに三毛猫が現れました。


京都 東九条あたりの猫



三毛猫は寄ってきて、飼主にしっぽを立てて、すり寄って挨拶して
くれました。最大級の歓迎であります。もうこの時点で感激。
しかし、彼らの喜びの向かうところはもちろん飼主ではなく、動画に
僅かに影が見える、猫に話しかけている小母さんなのです。飼主の
ところにはついでに立ち寄ったに過ぎない。

小母さんは飼主が撮影しているのに気付いて猫たちに言いました。
「ちゃんと撮ってもらい」

猫たちに言い聞かせるようでありながら、飼主が撮影していることを
知っている、そして撮影することを許している、と伝えてくれたわけです。
このへんは関西弁特有のニュアンスなのかな。






再開発地区なので荒れています。
京都市のディープサウスだな。







そして高瀬川へと戻ります。

ここから北上して行こう。






北上途中で見つけた、説明板。
京都市におけるこの地区の位置が分かると思います。







え、エンジェルトランペット。確かスコポラミンが。
まあいいか。花盛りでございました。






何か、犯罪防止を喚起しているようなのだが、何を注意せよと書いて
あるのか分からなくなっています。あ、痴漢ですね。
そういえば通り過ぎた通行人から飼主は、いかがわしげな目つきで
上から下まで見られましたね。痴漢だと思われたのかな。





こちら、よく分からないと思いますが、解体されつつある区画の近く
にあった家屋群の開いた窓から内側が見えている部分だけ切り取った
ものです。すると、そこには食堂のメニューらしきものがあるでは
ないですか。吃驚。
ここに吃驚。その建物には食堂の看板も暖簾も見当たらないのです。

でもどこからか、ここにたどり着ければ、食堂が利用できる。

おそらく、飼主がいつものように入口を見落としていたのでしょう。






夕方の静かな街並み。しかし、飼主が高瀬川への道を探してこの街並み
を歩きますと、人感センサーに反応した警告音があちこちで鳴るのです。
警告音を聞いて誰も出ては来なかったのが幸い。

いずれ、いつまでも居るところでは無いということで、ここを
立ち去るのでした。




水のソーテール5: ベッセン・ベリテン・ベリオ (うるたやBOOKS)
東寺 真生,明鹿 人丸
うるたや



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