雑談の達人

初対面の人と下らないことで適当に話を合わせるという軽薄な技術―これがコミュニケーション能力とよばれるものらしい―を求めて

「安定」とは、「大手」ではなく、「競争がないこと」ですよ、就活中の皆さん。

2010年01月17日 | ビジネスの雑談
今年の人気就職ランキングを見た。相変わらずの企業郡が並んでいるが、予想通りJALは下位に沈んだ。それでも100位以内に入っているのは驚きである。無名の会社に入るぐらいだったら、倒産するJALに入りたいということだろうか。

今年の傾向は、「大手安定志向」だそうだ。安定を求めるのは悪くない。冒険ばかりするのが人生ではない。身の程をわきまえ、要らぬ野心を燃やさないのも、人生を渡って行く上では重要だ。

しかし、就活生の皆さんにちょっとアドバイスしたい。「大手」と「安定」は関係がないのですよ。JALの墜落から、何も学んでないのですね。「安定」がほしいのであれば、「競争」がまったくない業界をめざすべきです。具体的には、中小企業だが、その分野でのシェアはほぼ独占しており、ニッチ産業なので利益率はそれほどでもないため、どの会社も新規に参入しようとしてこない。さらに非上場で、創業者がオーナー兼経営者。そういった会社こそが、「超安定企業」なのです。合コンでモテたりということはないかもしれませんが、こういう時代でも、間違いなく定年まで逃げ切れると思いますよ。

超大手だったJALがつぶれたのは、航空業界が、グローバル化時代において最も熾烈な国際競争に晒される業界であったためです。激しい競争があるところでは、会社の規模や官民を問わず、つぶれることがあります。公営であった郵便局や、地方公共団体でさえ、民間の物流会社や、他の有力自治体との競争にさらされ、破たん寸前になったりするわけです。許認可や既得権益に守られ、競争とは無縁に繁栄を謳歌してきたテレビ、新聞等のマスコミも、インターネットという化け物のような競争相手が現れ、青息吐息です。

そういう意味では、人気就職ランキングの企業は、商社、金融、製造などなど、どれもこれも大競争時代に喘いでいる会社ばかりです。わが国を代表する会社でも、外資の巨大多国籍企業の足元にも及ばないのが現状です。就活を勝ち抜いても、人生で勝てるとは限りません。むしろ、就活を含め、如何に極力戦わずに生き延びるかを真剣に考えることこそが、「安定」へのカギなのです。


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