雑談の達人

初対面の人と下らないことで適当に話を合わせるという軽薄な技術―これがコミュニケーション能力とよばれるものらしい―を求めて

新卒一括採用は企業にとり最高の制度。

2010年08月07日 | ビジネスの雑談
企業の新卒一括採用に批判が浴びせられている。だが断言しよう。新卒一括採用は企業にとって最高の制度である。すべての日本企業が新卒をこよなく愛するのは、新卒ほど都合のいい存在がないからだ。何の経験もない真っさらで、馬鹿でウブな新卒ほど、便利で使いやすい人材があるだろうか。

ノー天気な脳科学者などは、新卒一括採用では多様で例外的な人材が入らないなどと戯言をほざいて盛り上がっているが。企業の活動において、個性や独創性など全く必要のない部門が大半を占めるということが、学者先生には全く見えていない。企業活動において圧倒的に求められるのは、経営側の理不尽な命令に文句ひとつ言わず黙って従う奴隷の如き社畜である。会社の労務管理に個性は必要なく、会社のためならサービス残業や過労死を隠ぺいする忠誠心こそが求められる。飛び込み営業マンに創造性など必要ない。会社のためなら他人の迷惑顧みず金の匂いのするところへ飛び込む気合いとガッツだけが求められる。経理、人事、庶務、配送、クレーム処理…いずれの仕事にしても、創造性のかけらもない、ひたすら根気と忍耐だけの業務の繰り返しが大半を占めるのが現実である。

そういう意味で、新卒は極めて都合のよい存在だ。何しろ社会経験がなく真っ白なのだから、簡単に洗脳できる。変な知恵や技術をつけさせないまま、精神力と忠誠心だけ叩きこんでおけば、他所では通用しなくなり、もう逃げ出すことも出来なくなる。社会全体で年功序列制度を敷いて退路を塞いでおけば、会社を辞めた後は非正規雇用の地獄しか待っていないので、自殺するほど追い込まれても辞めない。いずれにしても他に生き方を知らないのだから、とにかく社畜を続ける他ない。

ところが、留学経験とか、一定のキャリアとか、専門知識などが多少あったりすると、こうはいかない。社畜に洗脳しようとしても、今までの経験を盾に生意気に反論してきたりする。全く使い勝手が悪い。命令を聞かない雑魚に対しては、軍隊なら軍法会議で処刑できるが、企業ではそうはいかないので、言うことを聞かせるだけでも一苦労である。

実際のところ、会社に有能な人材は多数必要ない。アップルにスティーブ・ジョブスは二人も必要ないのである。個性的で独創的な判断をする人材が必要な部門など、極僅かである。もし、そういう人材が必要なら、ヘッドハンティングでも何でもして、海外から引っ張ってくればいい。あとは新卒一括採用した社畜どもがひたすら従って働く。

浮世離れした学者先生の奇麗事に騙されてはいけない。結局のところ、「迂闊にも大学で一生懸命勉強してしまった君たち学生は、結局就職できなかったかもしれないけど、本当は君たちの方が正しいんだ!」などと、自分の指導力不足を棚に上げて職にあぶれた哀れな学生に向けて言い訳しているだけなのである。これをポジション・トークと言わずに何と言おうか。

参考リンク
大卒は何故職にあぶれるのか

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