雑談の達人

初対面の人と下らないことで適当に話を合わせるという軽薄な技術―これがコミュニケーション能力とよばれるものらしい―を求めて

「クールジャパン」の中国語は「酷日本」のようですwww

2014年04月27日 | 中国の雑談

ウィキペディアで「クールジャパン」の中国語訳が、「酷日本」になっている。

http://zh.wikipedia.org/wiki/%E9%85%B7%E6%97%A5%E6%9C%AC

「酷」は中国語で「クー」と発音され、現地では若者言葉として英語の「Cool」の代わりに使われているようだ。だが、「酷」の本来の意味は……、まぁ、漢字文化圏の人間なら自明である。

とはいえ、こういうところにも、「クールジャパン」という安っぽい造語が、如何に内向きな概念に過ぎないかが象徴されている。外人とトコトン向き合い、相手を徹底的に知り抜こうという覚悟はまるでないが、なんとなく外人にウケたい、ホメられたい、あわよくば金儲けしたいという哀れな妄想にとりつかれている。

中国で「クールジャパン」を売り込んでいる日本人は、きっと何の疑問も持たず「酷日本」と連呼しているのだろう。その陰で中国人に嘲笑されているとも知らず。

 


円高に打つ手がない日本と、人民元高を狡猾に抑制する中国

2010年08月19日 | 中国の雑談
日本は円高で大騒ぎのようだが、日本政府は口先介入ぐらいしか打つ手がないようだ。ここ中国でも、人民元がジワジワとあげているのだが、中国政府による「介入」はもっと狡猾で、徹底していて、我々駐在員泣かせである。

人民元は今のところ過小評価されていて、今後の人民元高へのトレンドは間違いないとみられており、何とかして金を中国で運用しようと、世界中から怪しげな金が集まって来ている。現地では、これを「ホットマネー」と呼んでいる。中国政府のスタンスは、海外からの投資という前向きな資金の流入は歓迎しつつ、ホットマネーの流入はビタ一文(元?)たりとも許さない構えだ。

例えば、貿易の決済で、海外仕入先(日本含む)から中国への輸入に対する代金の支払期限を、輸入通関の終了日から原則90日に制限している。この規制は一昨年から始まった。日本の現地法人は、日本の本社を親会社とする子会社がほとんどで、それまでは子会社支援のために支払条件が半年以上とかユルユルだったのに、急に何カ月分もの支払のキャッシュが必要になり、多くの日系企業は金策で大騒ぎであった(筆者も駆けずり回った)。中国政府にしてみれば、支払日までの猶予期間さえ、無駄な資金が国内に滞留することを許さないのである。

逆に中国からの輸出についても、海外からの前払いで送金された代金を受け取るまでには、契約書、通関関連の書類などなど、さまざまな証明が必要だ。モノを買ったふりをして、海外から随分前もって先に金を受け取り、それを運用しようという輩を締め出すわけである。真面目に商売している我々は、金がなかなか受け取れず、資金繰りが苦しくなり、本当に勘弁してほしい。

極めつけは、去年あたりから駐在員の給料は、かならず人民元で払えという、それまでは比較的多めに見られていたお達しが徹底され出すようになったのだ。架空の駐在員の「給料」と称して、結構な額の外貨が国内に入り込み、それが人民元に姿を変えて投機的な資金になっているという(給料として海外送金されてきた外貨は人民元に両替しても、所得税さえ払えば比較的容易に再び外貨に両替できたのだ)。ホットマネー全体からしてみれば、その影響は微々たるものだと思うのだが、そこまでやるかと思ってしまう。

そんなわけで、筆者は給料を全額人民元でもらっているのだが、当局のさじ加減一つで制度が変わってしまうので、将来無事に日本円に両替して持ち帰れるのか不安である(というほど、貯まっていないのも事実だがw)。

貿易の決済代金から、駐在員の給料に至るまで、中国当局が投機マネーには徹底的に監視の目を光らせていることがおわかりいただけるだろう。中国で外貨を動かすのは、本当に大変である。翻って我が国日本であるが、「日本一国で介入しても効果が知れている」などと言って悠長なものだ。問題の本質は、為替介入の効果云々よりも、こうした責任者の他人事的姿勢ではなかろうか。投機マネーと戦う姿勢をマーケットに見せつけたいならば、中国政府のような断固たる姿勢を学ぶべきではないかと思う。

などと、雑談らしからぬエントリを書いてしまい、脳が疲れたので、この辺で寝ることにする。

参考エントリ
隠れた社会主義
為替介入で円高を阻止しろと簡単に言うけれど

お節介大好き中国なら児童虐待はあり得んでしょう。

2010年08月03日 | 中国の雑談
日本では、痛ましい児童虐待事件が続いているようだ。
筆者にもまだ1歳8か月の娘がいるので、聞いていていたたまれない。亡くなったお子様方のご冥福をお祈りしたい。
ところで、中国だったら、あらゆる意味で児童「ネグレクト」はありえないと思う。筆者の中国での体験を話そう。

中国の方々は、どういう訳か裸足を嫌う。かなり暑い日に、サンダル履きで娘を外に連れ出す時など、ベビーカーに乗せたり抱っこしたり、室内で遊ばせるときに裸足にしたりすると、見ず知らずの中国人の皆さんから次々と厳重注意を受ける。筆者の中国語はたいしたことはないので、詳細はよくわからないが、とにかく裸足は子どもの健康に最悪らしい。裸足で外を歩かせている訳ではないし、むっちゃ暑いし、問題ないよと言うのだが、あまり取り合ってもらえない。仕方がないので、最近は靴下を必ず履かせることにしている。娘は暑そうなのだが……

他にも、かつて娘の鼻水が止まらない時期があり、何軒か病院に連れて行ったところ、「おそらくアレルギーなので問題ない。成長とともに抵抗力が上がり、自然に止まるでしょう」みたいな話であった(現在は完全に止まっている。)。鼻水が垂れる以外はいたって元気なので、引きこもっていても退屈だと考え、外出をしたのだが、その際も「風邪をひいた子どもを外に連れ出すなんて、何て親だ!」みたいな抗議を方々で受け、すっかりまいってしまった。本当に相手は全く見ず知らずの中国人の皆さんである。「いや、風邪ではなくてアレルギーなので…、医者にも診せましたし、熱もないですし」といっても、「万一風邪だったらどうするんだ!」と、激しく怒られる。やれやれである。

むろん、貧困にあえぐ農村部などでは事情は違うのかもしれないが、都市部では一事が万事こんな様子であるから、人口当たりの虐待発生率はかなり低いのではないかという気がする。共働きが標準家庭なので、おじいちゃん、おばあちゃんが孫の面倒を見るのは当たり前の状況である。子どもはとにかくかわいがる。家族のネグレクトもない。中国人は概してこどもが大好きのようだ。レストランなどの公共の場で子どもがわめいたりしても、定員も客も微笑ましい光景として、むしろ温かいまなざしを送ってきたりするので、恐縮していたこちらがびっくりする。アパートの警備員のお兄さんなどは、ウチの娘の日々の成長ぶりに目を細めている。ウチの娘に異変があれば(ありえないが)、真っ先に警備員のお兄さんが公安に通報するだろう。

見ず知らずの人にデカイ声でいわれのない文句を言われるのには少々参るが、日本の悲惨な児童虐待のニュースを聞くにつけ、中国人のお節介も、案外悪いものでないのかな、と思うのであった。

「パッチもん」を求める心性

2010年03月21日 | 中国の雑談
さて、それはそれは高貴な身分の方が、中国へ出張となった。

筆者の担当する客先の、そのまたお客様、東証一部上場企業のエンドメーカーの本体にお勤めの超VIPである。

筆者の会社の直接の客先が中国に拠点がなかったので、どういう訳だか筆者にこのVIP殿を接待しまくるという意味不明な役回りがまわって来た。断るわけにもいかず、止む無く引き受けることにした。

で、このVIP殿、高価な酒を浴びるほどのむとか、女遊びをしまくるとか、そういう趣味は幸いにもないようだ。そんな次第で、全体としてアテンドは楽な仕事だった。ただこの方、何と超「パッチもん」コレクターなのである。年収は軽く1千万は超えているであろう富裕層の方が、「パッチもん」を血眼になって捜すのは、どういう理由か、根っからの貧乏人の筆者には理解不能である。

最近では、さすがに中国でもパッチもんを余りおおっぴらに扱わなくなりつつある。とりあえず、ブランドの偽物をコッソリ売っている店に連れて行ったら、「ロレックスの偽物ばかりで退屈だ。ロレックスのパッチもんなら、既に山ほどもっている。オメガとかないのか」と言い出す始末。

そこで、パッチもんばかりを扱っている店を3件ほどハシゴし、ようやくおきに召した店で2時間は物色しておられた。何でもこのVIP殿によれば、偽物には等級があり、S級(ホンモノをバラして図面を起こし、精巧に再現されたもの)、A級(S級をバラして再現されたもの)、B級「単に外観だけをそっくりまねたもの」などに区分されるという。お目当ての品に巡り合った折には、「これだ! この重量感、この感触! これこそがホンモノのS級(ニセモノ)だ!」などと、意味不明なことをおっしゃられていた。結局、3万円ぐらいのS級品(ホンモノなら、ウン十万円?)を買われたほか、1本100円ぐらいのモンブランのボールペンや50円ぐらいのゴルフ帽をお土産用に何十個も買っていた。

筆者は傍で見ていて、やはり、バブルを知っている世代だなぁ、と思った。これほどパッチもんに入れ込むためには、ホンモノのブランド品に対する強烈な信仰がなければならない。ホンモノにも全く興味がない筆者には、全く理解不能な消費行動である。

今、日本で重要な権限を持つ地位に上りつつある世代は、まさにこのパッチもん大好きVIP殿の世代で、強烈なブランド信仰の信者たちである。で、こういう人が、

「ヒュンダイの自動車なんか売れるわけねぇだろ!」
「サムソンの薄型テレビなんか好んで買うやつがいるか!」
「LGの家電製品なんか、全部ポンコツだよ、ポンコツ!」
「携帯音楽プレーヤーなら、ウォークマンに決まっているだろ!」
「安もんに飛びついて、日本ブランドを理解できない貧乏なクソ客なんか、相手にするな!」

などとホザいて、新興国の市場進出で後手に回ってしまい、今の日本の苦境を招いたのではなかろうか。

山ほど買ったパッチもんを嬉々としてスーツケースにつめなおすVIP殿を見つめながら、筆者はそんなことをふと考えてみたりした。

日系企業は「脱日系」を目指すべき?

2009年11月14日 | 中国の雑談
ブログの更新がすっかりご無沙汰になってしまった。

仕事が多忙を極めたためだが、振り返ってみれば、それほど生産的なことをしているわけではない。日系企業主催のゴルフコンペ、日本の本社からの出張者の面倒見、日本からの客先の出張者の観光案内… 既存の日本企業との関係維持の仕事がほとんどで、中国ビジネスの活路を開くような、前向きな仕事は、ほとんどしていない。中国の企業は、売掛金の回収が難しいので、取引条件は必ず前払いにして、無理して付き合う必要はない、というのが本社の指示である。これは、他の日系企業も同様である。

これまで、日本にとって中国は「生産拠点」でしかなかった。中国で作ったものを、日本を含めた第三国に売るというビジネスモデルである。だが、昨年のサブプライム・ショック以降、中国の位置づけは「販売拠点」へと一変した。この中国でいかにモノを売るか、具体的には、中国人のニーズ・嗜好を如何に探り当てるか、販売ルートを如何に確立するか、資金回収のノウハウを如何に蓄積するか… 現地化のためには、優秀な現地人材の確保、現地での人脈確立が急務だ。

中国で一口に外資といっても、「米国系」「欧州系」「台湾系」などがあるが、中でも「日系」が、もっとも現地化に立ち遅れているというのが、筆者の印象である。それどころか、日系現地法人の幹部は、「日系が日系らしさを失ったらおしまいだ」などと述べ、中国製品の品質管理のいい加減さをあげつらい、根拠のない優越感に浸っている。そのご自慢の日本製品は、現地ユーザー無視の過剰品質と高価格で、中国現地でのシェアはあまり確保できていないものが多い。家電などは、韓国製品と中国ローカル品の独壇場である。

「日系」はこれまで、品質と信頼を想起させるブランドであったが、もはや時代遅れの象徴になりつつある。グローバル化とローカル化を並行して推し進め、「えっ、あの会社、日系なんだ!?」と言われるぐらいの会社にならなければ、もはや生き残れないのではないか。

カルチャーの違う人材を使いこなせない日系企業

2009年10月19日 | 中国の雑談
日本企業は、アジアの優秀な人材には、なかなか相手にしてもらえないらしい。

筆者が暮らしている、ここ中国においても、さもありなんという感じがする。

中国企業の経営層は、上から「総経理」、「副総経理」、「経理」などと呼ばれるのだが、日系企業の現地法人の場合、ほとんどが本社から出向でやってきた日本人で占められている。

では、そういう日本人たちが優秀かというと、微妙なところである。能力的なところはともかく、仕事へのモチベーションがいま一つな方々が多い。だいたい、人事のローテーション上、渋々来ているケースが多い。3年ぐらいの任期が過ぎるのを、指折り数えて待っている。最大のエネルギーを注いでいるのが、本社からのVIP出張者のおもてなしである。

中国人スタッフも、その辺りを見透かしていて、一時日本人に面倒なことを言われても、3年もすればいなくなるのだから、と、適当にやり過ごす術を心得ている。日本人は「あまり頼りにできるスタッフがいない」と、嘆きがちだが、昇り龍の中国のマーケットに深く浸透できているかというと、やっぱり微妙である。おもに、日系企業同士、グルグルと仕事を回し合って、輸出品を製造するのがよくあるパターンだ。

結局、日本企業は、人材をその企業特有のカルチャーに染め上げた上でないと使えないのである。それぞれの人材が持つ特有のカルチャーを活かし、新たなビジネスの領域を広げるのは苦手なようだ。「使える人材」よりも「使いやすい」人材が重宝されるのである。その企業特有のカルチャーを撹乱するような抜擢人事をするぐらいだったら、日本人にとって把握可能な範囲で小さくまとまっていたい、というのが本音なのだろう。


恐るべし、中国の「振替平日」

2009年10月10日 | 中国の雑談
10月10日、土曜日である。週休二日が通常の中国であるが、今日は何と平日、出勤日である。筆者も、今日1日朝からしっかり働いてしまった。週末だという感覚が全くない。

中国では、長い連休(国慶節と春節)の前後は、その「振替平日」になることが一般である。まとまった連休を作るため、わざわざ週末を1回つぶして働くのである。日本の場合、祝日が週末に重なると「振替休日」が設けられるが、振替平日は聞いたことがない。前回のエントリーで、女性がバリバリ働く中国の状況に触れたが、こんなところでもやる気が違う。

他方で、中国人は有給休暇はしっかり使い切る。権利なので当然という感じで、休むべき日は休む。周囲の空気読みと顔色窺いの末に遠慮して休暇を取らず、お上が由来の良く判らない祝祭日ばかりつくらないと休めない日本人は、つくづくめんどくさい民族である。

とはいえ、振替平日を休みとしている日系企業は多い。現地と同様に動いている日系企業でも、中国人スタッフは働いているが日本人管理職は休んでいたりする(国慶節の休暇に帰国して、まだ戻ってきていない人が多い)。筆者の勤務先は日系企業との付き合いがメインなので、仕事の用件であちこち電話したのだが、空振りが多かった。日本人は仕事中毒、エコノミック・アニマルだと批判された時代があったなどと、今になっては誰が信じられるだろうか…

中国の繁栄の源泉は、働く女性にあり。

2009年10月08日 | 中国の雑談
中国の祝日である「国慶節」と「中秋節」がらみの連休が今日で終わる。ついに、明日から駐在員生活が本格的に始まる。節目なので、ブログのテンプレートも中華風にしてみた(?)。

下見を目的に、先月既に中国に出張しており、住居はすでに決めてあった。この連休を利用して、生活に必要な物資をいろいろ調達し、とりあえず生活立ち上げの準備がどうにか整った。

出張の際、中国に来て真っ先に強い印象を受けたのが、働く女性が非常に多いということだ。工場労働者だけでなく、朝のオフィス街の通勤風景でも、男はいったいどこで何をしているんだ、というぐらい女性ばかりが目につく。何でも、法律で女性の働く権利がかなり手厚く保護されているという(旧共産圏の良いところか。いや、今でも一応まだ「共産圏」かもしれないが)。産休など、何だかんだで6か月は軽くとれるらしく、別の理由を口実に、産前産後の女性労働者を体よくリストラなどしようものなら、裁判で会社側が確実に負けるという。それならいっそ、人件費もたかが知れているので、産休中の代理の人を別途雇った方がいいとのことだった。

聞くところによると、女性が仕事を見つけるのが容易な中国では、共働き夫婦が一般的なのだそうだ。夫婦が都会に出てきて共稼ぎでお金をため、一人っ子の子供をお爺ちゃん、お婆ちゃんが田舎で面倒をみるのがよくあるスタイルである。食事は外食が普通で、少し豊かになるとお手伝いさんを使う(人件費が安い)ので、家事の負担も小さい。どちらかと言えば、女性の方がまじめで良く働くので、会社側も女性を積極的に採用するという。

ただでさえ人口が多いのに、女性の労働力をここまでフルに活用しているのは強みである。片や日本であるが、人口が中国の10分の1なのに、労働力はもっぱら男性に依存するという片翼飛行だ。日本の女性は今なお寿退社が珍しくなく、子育て後の社会復帰は並大抵ではない。しかも、少子高齢化。既にこんなところで、経済競争の勝負はついているのかもしれない。