雑談の達人

初対面の人と下らないことで適当に話を合わせるという軽薄な技術―これがコミュニケーション能力とよばれるものらしい―を求めて

思言行不一致でいこう!

2013年10月31日 | その他の雑談

「言っていることとやっていることが違う」、これは日の本で最も忌み嫌われる態度である。方や、「ブレない」ことが至上の美徳としてもてはやされる。だが最近、この言行不一致こそ、人生で成功するための最強の戦略ではないかとつくづく思うようになってきた。通りすがりの読者の皆様も、思い当るところはないだろうか。あなたの遥か上手をいき、周囲の羨望を集めるあの人も、この人も皆、実は言行不一致ではないだろうか。

そもそも何故言行不一致になるかと言えば、人間を囲む環境は常に変わり続けるものであること、そして人間は基本的に成長(時には退化もあるだろうがw)するものだからである。だとすれば、「言っていること」と「やっていること」に齟齬が生じるのは当たり前のことなのである。そこで問題となるのは、そうした場合に、「言っていること」と「やっていること」のどちらを優先するのか、ということになる。

そして、「言っていること」を優先する場合、言行不一致はまずもっておこらない。つまり、発言の方に行動を合わせるわけだから、結局やっかいなことは何もしないという結果に落ち着くしかないのである。これは楽だし、何の葛藤もない。逆にあくまで「やっていること」を優先したらどうなるだろう。これぞまさしく「言行不一致」となる。いままで言ってきたこととは全然違うこと、口にもしてこなかったことを突然やりだすのである。周りの人間は鬼の首をとったように言行不一致だと騒ぎ立てるだろう。かといって、発言の方を修正すれば、さらに思う壺である。「発言がブレている」「嘘つきだ」「信用できない」という批判の渦に巻き込まれてしまう。ここで怯んでわざわざ前言を撤回するぐらいだったら、むしろ新たな行動の方が有無を言わさぬ好結果を残すまで、言行不一致を貫いた方がマシかもしれない。

もう、通りすがりの賢明な読者の皆様にはお分かりだろう。言行不一致な人物とは、周囲の批判などおそれない行動力の持ち主ということなのだ。だからこそ、凡人を出し抜いて成功を掴み取る可能性が高いのである。

さて、この素晴らしき言行不一致の美徳を備えているだけではなく、もう一段その上を行く傑出した人材が我が国にはいる。他でもない、安倍総理である。安倍総理閣下は、「言っていること」と「やっていること」が違うだけではない。さらに「考えていること」まで違っているとしか思えないのである。安倍総理の政策は思考と、発言と、行動がどれ一つとして同じでなく、バラバラ、というか、バンラバンラ、といより、ブワッラブワッラなのである。外交、税制、経済、人気取りのパフォーマンス、何一つとして一貫したものはない。考えてもみないことを言い、言ってもいないことをやり、やりたくもないことを考えているのだ。少なくとも筆者にはそのようにしか見えない。これはすごいことである。常人ならアイデンティティー危機に陥り、発狂しそうなものである。

だがそんな安倍総理は就任以来、非常に安定した高支持率を維持しているではないか。先般の選挙でも完勝だった。「友愛」だの「脱原発」だのバカの一つ覚えのように念仏を唱えてブレなかった方々の末路はどうだったか、まだ記憶に新しいだろう。

腹痛で逃げ出した前科を持つ総理など全く支持していなかったが、彼の「思言行不一致」は大いに見習うべきであり、今では世界に誇れる優れた指導者として尊敬申し上げている、などと全く心にもないことをブログに書き、次回にはまったく矛盾する内容のエントリでもあげてみたりする予定である。


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