雑談の達人

初対面の人と下らないことで適当に話を合わせるという軽薄な技術―これがコミュニケーション能力とよばれるものらしい―を求めて

お節介大好き中国なら児童虐待はあり得んでしょう。

2010年08月03日 | 中国の雑談
日本では、痛ましい児童虐待事件が続いているようだ。
筆者にもまだ1歳8か月の娘がいるので、聞いていていたたまれない。亡くなったお子様方のご冥福をお祈りしたい。
ところで、中国だったら、あらゆる意味で児童「ネグレクト」はありえないと思う。筆者の中国での体験を話そう。

中国の方々は、どういう訳か裸足を嫌う。かなり暑い日に、サンダル履きで娘を外に連れ出す時など、ベビーカーに乗せたり抱っこしたり、室内で遊ばせるときに裸足にしたりすると、見ず知らずの中国人の皆さんから次々と厳重注意を受ける。筆者の中国語はたいしたことはないので、詳細はよくわからないが、とにかく裸足は子どもの健康に最悪らしい。裸足で外を歩かせている訳ではないし、むっちゃ暑いし、問題ないよと言うのだが、あまり取り合ってもらえない。仕方がないので、最近は靴下を必ず履かせることにしている。娘は暑そうなのだが……

他にも、かつて娘の鼻水が止まらない時期があり、何軒か病院に連れて行ったところ、「おそらくアレルギーなので問題ない。成長とともに抵抗力が上がり、自然に止まるでしょう」みたいな話であった(現在は完全に止まっている。)。鼻水が垂れる以外はいたって元気なので、引きこもっていても退屈だと考え、外出をしたのだが、その際も「風邪をひいた子どもを外に連れ出すなんて、何て親だ!」みたいな抗議を方々で受け、すっかりまいってしまった。本当に相手は全く見ず知らずの中国人の皆さんである。「いや、風邪ではなくてアレルギーなので…、医者にも診せましたし、熱もないですし」といっても、「万一風邪だったらどうするんだ!」と、激しく怒られる。やれやれである。

むろん、貧困にあえぐ農村部などでは事情は違うのかもしれないが、都市部では一事が万事こんな様子であるから、人口当たりの虐待発生率はかなり低いのではないかという気がする。共働きが標準家庭なので、おじいちゃん、おばあちゃんが孫の面倒を見るのは当たり前の状況である。子どもはとにかくかわいがる。家族のネグレクトもない。中国人は概してこどもが大好きのようだ。レストランなどの公共の場で子どもがわめいたりしても、定員も客も微笑ましい光景として、むしろ温かいまなざしを送ってきたりするので、恐縮していたこちらがびっくりする。アパートの警備員のお兄さんなどは、ウチの娘の日々の成長ぶりに目を細めている。ウチの娘に異変があれば(ありえないが)、真っ先に警備員のお兄さんが公安に通報するだろう。

見ず知らずの人にデカイ声でいわれのない文句を言われるのには少々参るが、日本の悲惨な児童虐待のニュースを聞くにつけ、中国人のお節介も、案外悪いものでないのかな、と思うのであった。

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