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映画「十二人の怒れる男」

1957 米 95分 監督 シドニー・ルメット 出演 ヘンリー・フォンダ リー・J・コップ 鑑賞 「午前十時の映画祭」松江SATY東宝

今年4月になくなったシドニー・ルメットの作品。
見事な構成で、ルメットにしては珍しく見た後がスカッとする。

NYの裁判所で、有色人種の17歳少年の父親殺しの裁判。審理の後、陪審員の評議が行われる。有罪だと少年は死刑になる。

12人の陪審員は全員白人男性。

その日は蒸し暑く、部屋は狭く汚く、扇風機が故障して、居心地が悪い。その上外から施錠される。一刻も早く片付けて、家に帰りたいと思うのは無理もない。有罪はわかりきっていると、退屈しのぎにゲームをしたり、雑談とか、悪戯書きをしたりする人もいる。

そういう抵抗勢力11人にたった一人で異論を唱える、インテリ(建築家)の男性をヘンリー・フォンダが演じる。これが実にカッコいい。
そしてたくみに11人を説得していく。すばらしい知力、意志力である。(ああ、こういう人に私もなりたい。しかし私は短気で頭が粗雑、じっくり考え、人を説得する能力がないなあ。)でも、だんだんとフォンダの意見に賛同する人が増えるにつれて、聞く耳を持つ人も出てくる。最後まで有罪を唱える男は、心に傷のある男(リー・J・コップ)だった。

蒸し暑さ→対立→雷雨→和解と言う筋は「稲妻」1952年を思い出す。まさかルメットが成瀬巳喜男作品を見たとは思えないが……。


1990年7月に立川の公民館でKと一緒に見た。土曜日で彼は眠そうだった。

→シドニー・ルメット監督逝去 2011-4-13
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