在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

ローマの水道橋公園までの行き方 どーーーんと目の前にローマ時代の水道橋 かなり感動

2016-07-17 09:53:02 | もろもろ、つれづれ
久々に、本当に久々に水道橋を見に行った。
昔は、案内を頼む、頼まれるのは普通だったが、今は乗り合い観光バスが発達、ネットも発達して、なんとか調べて自分たちで行けないこともなくなったので、仕事の内容自体が変わってきている。

たまたま水道橋を見に行ってみたい、という方がいらして、ご案内することになった。



目指すのはローマの水道橋公園Parco degli Acuqedotti。
この辺りはアッピア街道から比較的近く、遺跡のある公園の多いところで、全体はアッピア旧街道州立公園Parco Regionale dell'Appia Anticaとなっていて、水道橋公園はその一部にあたる。

ローマ時代、紀元前4世紀から紀元後3世紀の間に11本の水道が造られたが、うち6本が公園内を通っている。

以下、水道橋公園まで自分で行ってみたい方のために、行き方のご案内。



*まず、贅沢に(笑)車で行く場合
タクシーの運転手さん、リムジンを頼んだとしても、意外と知らない、行ったことがない、という人が多いので、行き方はそれとなく知っていたほうがベター。

サン・ジョヴァンニSan Giovanniから出ているアッピア新街道Via Appia Nuovaを、ひたすら郊外へ向けて走る。

サン・ジョヴァンニは、地下鉄駅があり、出たら城壁(アウレリアヌスの城壁)城門(サン・ジョヴァンンニ門)が見え、すぐにわかる。
ちなみに、城壁の内側にはローマの4大教会のサン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ教会San Giovanni in Lateranoがあるので、時間があれば訪れてみることをお勧め。
城壁のところから出ているアッピア新街道は、しばらく、地元の人が買い物に来る華やかなショッピング街になっている。

なお、この辺りでタクシーはすぐに見つかる。

さて、15分くらい走ると、緑が見えて、住宅街はあるが、かなり郊外〜という感じになる。

左にアッピオ・クラウディオ通りViale Appio Claudioがあるので、曲がる。
アッピオ・クラウディオ通りをずっと行くと、2度、線路の下をくぐる。
2つ目の線路の下をくぐってカーブ、そしてそろそろ。。。。ドーーーーーーーーン、と水道橋が見えて来る。

かなり感動。
私はこちら側から入るのをお勧め。

車でもかなり近くまで行ける。

左はテニスクラブ、右はゴルフのコースになっている。(遺跡を見ながらゴルフ〜最高!)

なお、お勧めのこちら側からバスを使って入るのは、バスの本数がかなり少ないので、やめておいた方がベター。やたら時間がかかる。

*地下鉄を利用する場合
反対側から入り、感動はやや少ないのだが、車がなければ仕方がない。

地下鉄A戦、アニャニーナAgnanina行き方向に乗る。
終点から3つ手前のスバウグスタ駅Subaugustaで降りる。
地下鉄の進行方向に向かって、右側(改札を出たら左側)方向の出口で地上に出る。

出たら、真ん中が緑地帯になっているティート・ラビエノ通りViale Tito Labienoのはず。
間違えていたら道の確認を。
そこをずっとまっすぐ、緑の公園にたどり着くまで歩く。(7ー8分)



ちょうど道の突き当たり、公園に着いたところで、かさ松がたくさん植えている間をよく見ると壁のようなものが見えるが、これがもう水道橋。
でも、これを見に来たわけではない。

近づくと、丸い土管のようなものがずっと続き、上に壁が載っているように見え、土管と壁はほぼ一体化しているのだが、壁はマルキア、テプラ、ユリアの水道Acqua Marcia,Tepula, Iuliaの残骸。
土管は16世紀(1585年)に造られたフェリーチェ水道Acqua Felice。(碑がある)




左の方、よく見ると小さな階段があり、フェリーチェ水道を越えられるようになっている。
なお、フェリーチェ水道のころっとした丸い土管の形が、寝そべるのにちょうどよく、何組かのカップルが談話していた。
16世紀の水道管の上で寝そべる。。。日本では考えられない〜

さて、階段を登って降りて、壁の反対側へ出ると、とてもきれいな水が出ていた。
水道から出た水で、人口の小川のようなものを造っているらしい。
透き通るようにきれいなのだが、飲めません、とは書いてある。




さて、壁を越えるといよいよお目当てのクラウディア水道Acqua Claudia。

ただし、壁を越えて、あっという感じで見えるので、反対側から見るほど感動的ではない。(というより、反対側から入ると本当に感動的)
それでも近づいて、水道橋にペタペタ触れる。
時間があれば、ずーーーーーーと続いている水道橋に沿った道を散策してもいい。

途切れているところからは、水道管の内部の様子が良く見える。

クラウディア水道は、38年カリグラ帝から始まり、52年クラウディウス帝により完成。全長69km、地上部分15kmなのだが、それがこの辺り。

なお、よく見ると2段になっていて、下は石のブロック、上はレンガでてきているが、上の部分は新アニオ水道Anio Novus。造られた年代はクラウディオ水道と全く同じで38年から52年。

車だと1時間半程度で行って帰れるが、地下鉄利用で2時間半はかかる。
(もちろんかなりゆっくり見て、の話なので、見て写真を撮るだけならそれぞれ1時間、2時間くらい)
なかなか時間は取れないかも知れないが、遺跡が好きなら行くだけの価値はある。
歴史が好きなら感動。

ぜひどうぞ。







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