Alaska アラスカ
監督 クラウディオ・クペッリーニ
実に激しい愛の物語、というより冒険
とても評判の良い映画だったので楽しみにしていた。今回は忙しく、以前さらっとあらすじに目を通していただけだったので、珍しくほぼ「無防備状態」で行った。
場所はパリ。英語とフランス語が飛び交う場面から始まり、字幕は英語。白っぽい画面に白い文字は、読むのに最初結構きつかった。後ろにいる人が、イタリアの映画で、音声はフランス語、字幕は英語~??と話していた。最近、国際的配給を意識して英語が多い。。。
主人公は、モデル志望のフランス人のナディーヌと成功を夢見ているイタリア人のファウスト。
モデルのオーディションを抜け出して、会場のある超高級ホテルの屋上でタバコを吸っているところ、休憩に来たホテル従業員のファウストと出会う。
カッコつけたいと思ったファウストは、彼女をホテル内最高級の部屋(室内にプールまである)に誘う。そうこうしているうちに部屋に泊まっている客が帰ってきて、「何をしているんだ?ディレクターと話しをする」となり、カッときたファウストは客を殴ってしまう。(突然でちょっとビックリ~) そして、逮捕。監獄でしばらく過ごすことになる。
一方ナディーヌは、絶対不合格と思ったオーディションに何故か合格し、いっぱしのモデルになり、やがてミラノに移住する。
いよいよ出獄の日、ミラノに行っていてもう来ないと思ったナディーヌが迎えに来た。
そして、二人は一緒に暮らすことになる。(ここからはだいたいイタリア語で、字幕は引き続き英語)
ミラノでモデルとしてまずまず成功しているナディーヌ。
ファウストは、最初は地味にアルバイトをして過ごすが、そのうち、超高級ナイトクラブの共同経営を持ち掛けられ、参加することになる。
車の中での言い争いが元で交通事故を起こしてしまったナディーヌは、モデルとしての人生を終える。事故後の松葉杖の生活はナディーヌをイラつかせ、喧嘩になって、終いにファウストは出て行ってしまう。
そんな頃、以前からファウストに惚れているのがフランチェスカ。父親が超高級ホテルを経営する、大金持ちの令嬢である。そのうち、ファウストはホテルのディレクターとなり成功する。
まあいろいろ、実にいろいろ。かなり複雑な内容で、何度か二人の再会の場面はあるものの、歯車は噛み合わず、ファウストはフランチェスカとの結婚を決め、失意のナディーヌはフランスに帰る決意をする。
ところが、ここで、今度はナディーヌが殺人を犯してしまうことになり、監獄に。面会に来たファウストが、結婚しよう、と紐で指輪らしきものを作って誓う。結局は元の鞘に戻ってメデタシ。
とにかく激しい愛。内容も状況も心理も複雑。テンポも早い。その早いテンポで、実にいろいろなことが起こる。
やたらカッとなってものを壊す、人を脅す、殴るという場面は多く、ここまで短気な男がよくまあ成功したものだと思うところはあるが、シナリオが非常にうまく、複雑なつじつまを実に巧妙に合わせている。
2時間を超える作品なのだが、それだけの長さは感じさせない。
この上映会は、上映後の監督のインタビューが面白くやめられないのだが、よく話す監督、あまり話さない監督など色々である。
クペッリー二監督(「チョコレート・レッスン」で有名)は、作品のごとく、早いテンポで、実に明解に話し、答えていた。
ところで「アラスカ」というタイトル。タイトルだけ見るとアドベンチャー映画かと思うので、これが良いか悪いかは個人的に疑問だが、二人の愛の成り行きをアドベンチャーにもたとえたとのことで、気に入っているそう。
なお、アラスカは、共同経営に参加することになった超高級ナイトクラブの名前。
共同経営者のサンドロは最後自殺してしまうが、それをきっかけに再び二人が再開する重要な場面もあり、見終わってみれば、何故このタイトルを付けたのかわからなくもない。
監督曰く、二人の浮き沈みが対照ということだが、確かに、ナディーヌが成功しているときはファウストはくすぶり、ファウストが成功するとナディーヌに不幸が訪れるなど、まるでバランスの取れていない天秤のよう。最後、フランチェスカとの結婚を取りやめ、自分も経験のある監獄に入ってしまっているナディーヌとシンプルにやり直そうと決心することで、天秤がやっとバランスを取る。
ナディーヌの役者はフランス人、ファウストはイタリア人が演じ、どちらも3ヶ月程度で言葉を習得したということだが、ナディーヌのつたないイタリア語が可愛かった。
何故この男がここまでモテ、成功し、また、これだけいろいろなことが起こったら気が変わるよね~、まだそこまで惚れてるの~?前科もあるし、やめときなよ、その男、と思うところは多いのだが、ここまで激しく、そして長く人を愛せたら羨ましい。
監督 クラウディオ・クペッリーニ
実に激しい愛の物語、というより冒険
とても評判の良い映画だったので楽しみにしていた。今回は忙しく、以前さらっとあらすじに目を通していただけだったので、珍しくほぼ「無防備状態」で行った。
場所はパリ。英語とフランス語が飛び交う場面から始まり、字幕は英語。白っぽい画面に白い文字は、読むのに最初結構きつかった。後ろにいる人が、イタリアの映画で、音声はフランス語、字幕は英語~??と話していた。最近、国際的配給を意識して英語が多い。。。
主人公は、モデル志望のフランス人のナディーヌと成功を夢見ているイタリア人のファウスト。
モデルのオーディションを抜け出して、会場のある超高級ホテルの屋上でタバコを吸っているところ、休憩に来たホテル従業員のファウストと出会う。
カッコつけたいと思ったファウストは、彼女をホテル内最高級の部屋(室内にプールまである)に誘う。そうこうしているうちに部屋に泊まっている客が帰ってきて、「何をしているんだ?ディレクターと話しをする」となり、カッときたファウストは客を殴ってしまう。(突然でちょっとビックリ~) そして、逮捕。監獄でしばらく過ごすことになる。
一方ナディーヌは、絶対不合格と思ったオーディションに何故か合格し、いっぱしのモデルになり、やがてミラノに移住する。
いよいよ出獄の日、ミラノに行っていてもう来ないと思ったナディーヌが迎えに来た。
そして、二人は一緒に暮らすことになる。(ここからはだいたいイタリア語で、字幕は引き続き英語)
ミラノでモデルとしてまずまず成功しているナディーヌ。
ファウストは、最初は地味にアルバイトをして過ごすが、そのうち、超高級ナイトクラブの共同経営を持ち掛けられ、参加することになる。
車の中での言い争いが元で交通事故を起こしてしまったナディーヌは、モデルとしての人生を終える。事故後の松葉杖の生活はナディーヌをイラつかせ、喧嘩になって、終いにファウストは出て行ってしまう。
そんな頃、以前からファウストに惚れているのがフランチェスカ。父親が超高級ホテルを経営する、大金持ちの令嬢である。そのうち、ファウストはホテルのディレクターとなり成功する。
まあいろいろ、実にいろいろ。かなり複雑な内容で、何度か二人の再会の場面はあるものの、歯車は噛み合わず、ファウストはフランチェスカとの結婚を決め、失意のナディーヌはフランスに帰る決意をする。
ところが、ここで、今度はナディーヌが殺人を犯してしまうことになり、監獄に。面会に来たファウストが、結婚しよう、と紐で指輪らしきものを作って誓う。結局は元の鞘に戻ってメデタシ。
とにかく激しい愛。内容も状況も心理も複雑。テンポも早い。その早いテンポで、実にいろいろなことが起こる。
やたらカッとなってものを壊す、人を脅す、殴るという場面は多く、ここまで短気な男がよくまあ成功したものだと思うところはあるが、シナリオが非常にうまく、複雑なつじつまを実に巧妙に合わせている。
2時間を超える作品なのだが、それだけの長さは感じさせない。
この上映会は、上映後の監督のインタビューが面白くやめられないのだが、よく話す監督、あまり話さない監督など色々である。
クペッリー二監督(「チョコレート・レッスン」で有名)は、作品のごとく、早いテンポで、実に明解に話し、答えていた。
ところで「アラスカ」というタイトル。タイトルだけ見るとアドベンチャー映画かと思うので、これが良いか悪いかは個人的に疑問だが、二人の愛の成り行きをアドベンチャーにもたとえたとのことで、気に入っているそう。
なお、アラスカは、共同経営に参加することになった超高級ナイトクラブの名前。
共同経営者のサンドロは最後自殺してしまうが、それをきっかけに再び二人が再開する重要な場面もあり、見終わってみれば、何故このタイトルを付けたのかわからなくもない。
監督曰く、二人の浮き沈みが対照ということだが、確かに、ナディーヌが成功しているときはファウストはくすぶり、ファウストが成功するとナディーヌに不幸が訪れるなど、まるでバランスの取れていない天秤のよう。最後、フランチェスカとの結婚を取りやめ、自分も経験のある監獄に入ってしまっているナディーヌとシンプルにやり直そうと決心することで、天秤がやっとバランスを取る。
ナディーヌの役者はフランス人、ファウストはイタリア人が演じ、どちらも3ヶ月程度で言葉を習得したということだが、ナディーヌのつたないイタリア語が可愛かった。
何故この男がここまでモテ、成功し、また、これだけいろいろなことが起こったら気が変わるよね~、まだそこまで惚れてるの~?前科もあるし、やめときなよ、その男、と思うところは多いのだが、ここまで激しく、そして長く人を愛せたら羨ましい。