在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

イタリア映画の紹介 Una questione privata di Fratelli Taviani いたって個人的な問題

2018-02-08 12:01:58 | 何故か突然イタリア映画
Una Questione privata いたって個人的な問題
監督 パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ(タヴィアーニ兄弟)



第2次世界大戦中、イタリアが連合軍に降伏して停戦を宣言したときから、イタリアでは内戦が始まった。
新政権によるレジスタンスとフェシストの戦い。

特にピエモンテではレジスタンス活動がひどかったというが、そのピエモンテ、最近世界遺産になったランゲ地方での内戦が背景。

ランゲ、景色が綺麗、というので、バローロの畑での綺麗な映像でも出てくるのかと思ったら、これは大違いだった。
ぶどう畑は影にも見えない。
というのが、2200−2300mの標高のところが舞台になっているそうで、その標高では、同じランゲ地方でも、さすがにぶどうは育たない。

さて、その内戦中の若者の恋愛を描いたのかと思ったら、監督曰く、逆らしい。

ただし、原作の同名小説があるので、原作者ベッペ・フェノーリオも同じ意図を持っていたのかもしれない。
だいたい、タイトルがそんな感じ。

タヴィアーニ監督曰く、「恋愛」に起こり得る「三角関係」そこから生まれる「ジェラシー」が人を変えていく。
そのことしか頭にない「嫉妬の塊」が生まれる。
そういったことを、内戦を舞台にして描いた、とのこと。

3年ほど前、偶然ラジオ小説で朗読していたのを聞いて、すぐさま映画化を申し込んだということだが、小説自体は1963年に出版されたもの。

全編にオズの魔法使いのオヴァー・ザ・レインボーの音楽が印象的。



それにしても、罪な女性もいるもんだ、に尽きる。
いや、今でもいるいる。

フラヴィアは、ミルトンも好きだが、彼の親友のジョルジョも好き。
本命はジョルジョ。
でも、ミルトンにも気がある。
それらしいそぶりは見せる。
ミルトンは今でいうとキープ君?

そぶりは見せてくれるので、ミルトンは脈があると信じている。
真面目なところが災いしてか、フラヴィアと親友ジョルジョの関係には気づいていない。

しかし、二人に関係があることを知ってから、嫉妬の塊になってしまう。
レジスタンス活動中、自分の命も危うい時なのに、もう、他のことは眼中にない。

そこで、他の部隊で、同じくレジスタンス活動をしているジョルジョに聞く、と決心。

恋って、こういうものだよね〜

彼女に聞けばいいのに、そうしない、そうはいかないのが恋。。。(笑)

しかし、ジョルジョはファシストに捕まっていて、彼に聞くには彼を救い出すしかない。。。。

親友だから助けたい、ではなく、本心を聞きたいために救わなきゃ、が、三角関係。。。。

嫉妬の塊を、ルーカ・マリネッリ(ジグロボの悪役)が見事に演じる。

最後はちょっと尻切れトンボのような感はあるが、これは、作家が2ヶ月後に亡くなったため、未完成作のかもしれない、という話もあるらしい、に共通。
しかし、その後はどうなった?と想像の域を残すのも悪くない。

ジョルジョはファシストに殺され、ミルトンはフラヴィアとハッピーエンドになるか
私が好きだったのはやっぱりジョルジョ、と、ミルトンはフラヴィアとはハッピーエンドになれないか
ジョルジョが生きて戻り、フラヴィアと結ばれ、ミルトンは失意の元に町を去る。。。とか

ランゲ地方は霧が有名だが(だから、ネッビア、霧、ネッビオーロ(品種)でバローロが造られる)、画面に霧、霧、霧。。。。

今回のインタヴューには、お兄さんのヴィットリオ氏は体調が悪く、パオロ氏のみの出席。

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