在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Ravaldo 2016 Stefano Berti

2018-03-03 21:17:47 | Veneto, Emilia Romagnaヴェネト、エミリア
Ravaldo 2016 Stefano Berti



エミリア・ロマーニャのワインと言うと、イメージは決して良くないと思う。
代表はランブルスコ。。。。
大変おいしいものもあるのだが(例えばRadiciはうちのハウスワイン)、そうでないものの方が多いのが現状。

そして、エミリア・ロマーニャにサンジョヴェーゼはあるが、お隣トスカーナにはキャンティ、ブルネッロ、モンテプルチャーノがあり、

エミリア・ロマーニャにもあるの〜??

と言う人もいると思う。

が、エミリア・ロマーニャにもある。
サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャ。

若いうちは、どーんとした重たいワインも平気で飲めるし、おー、ブルネッロ、という感じだが、年とともに、だんだん優しいワインが心地よくなる。
インパクトのあるワイン、パフォーマンスの良いワインもいいけれど、だんだん疲れてくる。


さて、エミリア・ロマーニャのワインとの付き合いは長い。(方だと思う)

ワイン年鑑のテイスティング・グループに入ったとはいえ、新人は、まずマイナーな地域から始める。
ヴァッレ・ダオスタ、そして、エミリア・ロマーニャ、ラツィオ、サルデニア。。。。
その後、だんだんと「のし上がって」行く。

今思うと、とても良い経験をさせていただいた。
そうでないと、ヴァレ・ダオスタのワイン、エミリア・ロマーニャのワインなどを真剣に、そして、相当の数を試飲する機会などないからである。

ステファノ・ベルティのワインと出会ったのはそんな頃。

彼のワインには非常に惹かれるものがあった。

まだ、自然派ワインがちゃんと認識されていなかった頃である。

当時は、ブショネだった場合のことを考えて、一つのワインにつき2本をいただいていた。
そこで、2本目はお蔵入りすることも多く、ステファノのあるワインも1本、お蔵入りすることになった。
というのも、このワインをかなり長く置いて飲んでみたかったからである。

しかし、時は過ぎ、もうダメになってるかも、と思う頃開けたら、素晴らしく、見事に素晴らしく素敵な(そしてかなりセクシーな)ワインになっていたのである。

そのことをステファノに話したら(セクシーになったことは話してない)あのヴィンテージ(2001年)は、それは素晴らしいヴィンテージだった、とのこと。

そうなると、あれー、飲んじゃった。。。。もうない〜、と後悔したりもしたのである。



そのステファノ・ベルティのワインを、よく行くエノテカで入れていただいた。
どこのエノテカでも見ないと思ったら、ローマで初、とのこと。
ローマでは、エミリア・ロマーニャのワインはなかなか見ないから(または、隅にひっそりと置いてある。。。)珍しいわけではないのだが、今はどんなワインになっているか、どんなワインを造っているかをぜひ知りたい。

3種類ほどだが、入れていただいて感謝。
これで、いつでも飲める。

まず1本目を開けたのだが、期待を外さない出来。


すぐにビオワインとわかる、若干の臭みはある。
そして、ワインらしい(ヴィノーゾという)香り。
花の香り、小さなフルーツの香り。。。
強すぎず、複雑ではないが、微妙な臭みとともに続く。
しかし、しばらくするとスパイスが出てくる。繊細なスパイス。

味は、優しい。ひたすら優しい。インパクトのあるワインと比べると物足りないかもしれない。しかし、この優しさが体に、心に染み込んでいく。
酸より塩味が効いている感じだが、フルーツのほんのり甘さと、繊細なタンニンとが混じり後味に残る。+++(+)

自然派ワインに飲みなれていないと分かりにくいと思う。
でも、心に響く、体に優しいワインがよければ、ぜひ試してほしい。
自然派ワインの認証は関係ない。
どういう造り方をしているか、が肝心なのである。

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