社保庁・年金・公務員法案
審議するほどボロ
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安倍内閣と自民・公明の与党が数を頼んで強行可決をねらう社会保険庁解体・民営化法案と年金時効特例法案、天下り自由化法案(国家公務員法改悪案)。審議をすればするほど次々と問題点が噴出し、欠陥法案ぶりがあらわになっています。
社保庁解体
国の責任逃れ
「消えた年金」問題をめぐっては、全受給者・加入者に納付履歴を速やかに送れという日本共産党の提起にこたえて、政府は二十八日、全受給者・加入者に納付履歴を速やかに送付する考えを表明しました。しかし、その送付時期など課題は山積しています。
「消えた年金」問題の全容解明も、まともな対策もこれからというときに、解決に直接責任を負っている社保庁を解体・民営化するのは最悪の責任逃れです。
数十年の長期にわたって保険料を預かり、運用する公的年金の仕事を安定・確実に遂行するならば、国の責任を根幹に位置付けることがどうしても必要です。民間委託して業者も従業員も数年で入れ替わる仕組みでは、公的年金に対する国の責任など果たせません。
与党からも「国の責任がどうなるのか不安に思っている」との声が相次ぎました。
法案審議のなかでは、国民年金保険料の未納者を、有効期間が短い国民健康保険証に切り替える制裁措置によって、被害が三百四十二万人におよぶことも判明しました。
しかも、社保庁を解体して新たにつくる法人(日本年金機構)が、新たな天下り先になる問題も浮上しました。これも柳沢厚労相も「何らかの規制を検討していかなければならない」と答えざるをえなくなるなど欠陥法案であることが明らかになっています。
社会保険庁解体の強行はやめて、「消えた年金」問題の解決に全力をあげるとともに、新しい組織のあり方は改めて検討し直すことが求められています。マスコミからも「過ちの全体像とその原因をはっきりさせてから、二度と再発させない組織と運営方法を考えるべきだ」(「朝日」二十九日付)との声が上がっています。
現行規制撤廃
天下り自由に
国家公務員法改悪案は、「官民交流の拡大」のためとして、営利企業に限って二年間だけ天下りを禁止している不十分な現行の事前規制さえ撤廃し、天下りや天上がりを自由化するものです。
政府は「省庁のあっせんを禁止するから天下りはなくなる」といっていましたが、特殊法人などを経由した天下りはなくなるのかと聞かれて、「別途のガバナンス(統治)が必要」(渡辺喜美行革担当相)とのべるなど、「ザル法」(与党議員)であることを政府自ら認めました。
与党議員から「法案を修正すべきだ。(現行規制を)削除しながら癒着防止といっても理解されない」と公然と批判されるほど欠陥法案ぶりは明らかになっています。
改悪案ではさらに、「国家の繁栄のために高い気概や使命感を持った公務員をつくる」(安倍晋三首相)として、「能力・実績主義」を導入します。
これは「国民全体の奉仕者」であるべき公務員を、時の政権いいなりの公務員につくり変えようとするものです。
これにも与党から「中立性に疑問符が付いてしまう」と指摘する声が上がるなど法案はボロボロです。(深山直人)
(出所:日本共産党HP 2007年6月30日(土)「しんぶん赤旗」)
審議するほどボロ
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安倍内閣と自民・公明の与党が数を頼んで強行可決をねらう社会保険庁解体・民営化法案と年金時効特例法案、天下り自由化法案(国家公務員法改悪案)。審議をすればするほど次々と問題点が噴出し、欠陥法案ぶりがあらわになっています。
社保庁解体
国の責任逃れ
「消えた年金」問題をめぐっては、全受給者・加入者に納付履歴を速やかに送れという日本共産党の提起にこたえて、政府は二十八日、全受給者・加入者に納付履歴を速やかに送付する考えを表明しました。しかし、その送付時期など課題は山積しています。
「消えた年金」問題の全容解明も、まともな対策もこれからというときに、解決に直接責任を負っている社保庁を解体・民営化するのは最悪の責任逃れです。
数十年の長期にわたって保険料を預かり、運用する公的年金の仕事を安定・確実に遂行するならば、国の責任を根幹に位置付けることがどうしても必要です。民間委託して業者も従業員も数年で入れ替わる仕組みでは、公的年金に対する国の責任など果たせません。
与党からも「国の責任がどうなるのか不安に思っている」との声が相次ぎました。
法案審議のなかでは、国民年金保険料の未納者を、有効期間が短い国民健康保険証に切り替える制裁措置によって、被害が三百四十二万人におよぶことも判明しました。
しかも、社保庁を解体して新たにつくる法人(日本年金機構)が、新たな天下り先になる問題も浮上しました。これも柳沢厚労相も「何らかの規制を検討していかなければならない」と答えざるをえなくなるなど欠陥法案であることが明らかになっています。
社会保険庁解体の強行はやめて、「消えた年金」問題の解決に全力をあげるとともに、新しい組織のあり方は改めて検討し直すことが求められています。マスコミからも「過ちの全体像とその原因をはっきりさせてから、二度と再発させない組織と運営方法を考えるべきだ」(「朝日」二十九日付)との声が上がっています。
現行規制撤廃
天下り自由に
国家公務員法改悪案は、「官民交流の拡大」のためとして、営利企業に限って二年間だけ天下りを禁止している不十分な現行の事前規制さえ撤廃し、天下りや天上がりを自由化するものです。
政府は「省庁のあっせんを禁止するから天下りはなくなる」といっていましたが、特殊法人などを経由した天下りはなくなるのかと聞かれて、「別途のガバナンス(統治)が必要」(渡辺喜美行革担当相)とのべるなど、「ザル法」(与党議員)であることを政府自ら認めました。
与党議員から「法案を修正すべきだ。(現行規制を)削除しながら癒着防止といっても理解されない」と公然と批判されるほど欠陥法案ぶりは明らかになっています。
改悪案ではさらに、「国家の繁栄のために高い気概や使命感を持った公務員をつくる」(安倍晋三首相)として、「能力・実績主義」を導入します。
これは「国民全体の奉仕者」であるべき公務員を、時の政権いいなりの公務員につくり変えようとするものです。
これにも与党から「中立性に疑問符が付いてしまう」と指摘する声が上がるなど法案はボロボロです。(深山直人)
(出所:日本共産党HP 2007年6月30日(土)「しんぶん赤旗」)