uparupapapa 日記

今の日本の政治が嫌いです。
だからblogで訴えます。


ママチャリ総理大臣 ~時給1800円~ 第16話、第17話

2021-11-20 04:58:35 | 日記
   第16話 地震とアメリカ対策




 6年前のネット政変以降、
南海トラフ大地震対策は
加速度的に進められている。

 政変以前の旧政治体制下では
近日中のいつかは必ず発生すると
断定されているのに、
大規模地震の対策は
何もとられていなかった。

 与党・野党など議会の不毛な対立と
省庁の無能な仕事しかできない
高級官僚たちには
そんな災害などどうでも良かった。

 
 予防的災害対策など
自分にとって業績の評価にならないし、
立場保持や蓄財には何の利益も生まない。
 起きるかどうかわからない
不確実な災害への対策やら努力なんて、
何の得にもならない。


 国民がどれだけ犠牲になろうが
(安全なところにいる)
自分は痛くも痒くもないから
何もしないのだ。


 しかし、庶民は違う。
今まさに 自分の生活圏の近未来が
危険に晒されている事が分かっている。

 そんな状態の今、
直接ネット民主制に変わり、
政治の意思決定の主体は
それまで虐げられてきた何の力もない
一般人にとって代わった。
 当然ネット庶民にとって大規模災害は、
自分の身に関わる最大の関心事となる。
 私たちが負担する税金を
そういうところに投入しないで
何処に使う?

 彼ら一般庶民は、我が身に降りかかる
災害や危機に対し、
最大の備えを最優先に取り掛かった。
 津波対策は勿論の事、
避難経路、避難所の拡充。

 それだけではない。


 機能的に活躍する
組織づくりが進められた。

 既存の役立たずの省庁主導ではなく、
それぞれの分野の現業を主体にし、
役割別に新たな災害対策組織を結成。

有事即応体制が整備された。



具体的には・・・

 大きな被害が想定される地域を
関東・島嶼(しょ)ブロック
(小笠原諸島など)、
静岡ブロック、名古屋三重ブロック、
和歌山大阪ブロック、
四国ブロック、九州ブロック
の6つの地域別に
緊急災害対処本部が置かれている。

 東京の総合統括本部は首相官邸地下深く
秘密裏に設立、
シャドーと命名された。
(何でシャドー?何で秘密裏?)

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 現在は冷静沈着な?
竹藪平助最高司令官が指揮権を持つ。




  そしてとうとうその日が来た。
 

 地下司令部の超大型スクリーンには
各ブロックから災害状況が刻一刻と報告され、
編成部隊の出動状況が表示された。

 やはり予想通り
地震による建物倒壊の被害は殆ど見られなかったが、
高さ10mを超える巨大津波が各地で発生、
広範囲にわたり甚大な被害をもたらした。

 自衛隊を中心とする救出起動部隊。
 警察を中心とした捜索部隊。
 消防を中心とした消火避難誘導部隊。
 医療・救急を中心とした救命部隊。
 路上の瓦礫除去や物資輸送の建設・トラック部隊。
 救援物資分配・ボランティア編成統括部隊。

 などの活動が報告される。



 深刻で緊急を争う事態に
懸命に立ち向かう各部隊の名も無い人たち。



 首相官邸は対応に連日ごった返していた。


 そして・・・。

 大地震発生から1週間後、
テレビ番組の途中でうんざりする程流された
あの「AC」のCM内容が変わった。

 こんな事態が想定される前に撮られていた
首相官邸の面々による
宣伝用動画が一部使用され、
その後の災害に立ち向かう人たちの姿を
一本のメッセージとして作成、
広く公開されたのだった。

 

 参考資料【サカイ引越センターCM】



OGPイメージ

引越しのサカイ CM 仕事キッチリ(日本舞踊)篇

youtube#video

 



 ここでその当該動画を披露できないが、
内容を説明しよう。

 画面を想像して欲しい。



 まず竹藪平助首相が扇子を持って踊る。

 そこに流れるのが
「時給ゥ~安い~、仕事キッチリ!」

 次に平助に続き角刈り三兄弟が登場。
そこにまた
「時給ゥ~安い~、仕事キッチリ!」

 更に首相官邸メンバーズ
(閣僚、掃除、警備・管理人などの非常勤職員)
たちによる
「時給ゥ~安い~、仕事キッチリ!」


 場面が変わり、
ジョーカー大統領や近平、
プー〇ン大統領のそっくりさんが登場。
会議場に見立てた場面で
平助や井口外相たちが対峙し、
国を背負った喧々諤々
(けんけんがくがく)の主張を戦わすシーン。

 そこでも
「時給ゥ~安い~、仕事キッチリ!」




 でもここから雰囲気が一変。



 自衛隊、警察、消防、医療関係たちの
懸命な活躍が登場。

 「意識ィ高い~、仕事キッチリ!」



 そして・・・


 地の底から突き上げられるような
静かに、力強い曲が流れ、


 瓦礫の山を背に
崩れ落ちるように座り込む被災者。
 
 暗闇の中、一本のろうそくの光に見える
子供の顔。

 


 場面が更に一変し、
 瓦礫から救出される犬や猫たち。


 日常の避難所生活の中、
人々の笑顔が写される。


 そして最後に

『頑張ろう!日本!!』

のテロップが浮かぶ。







 この動画は大きな反響を呼んだ。


 TwitterやFacebook、Instagramなどで
世界中に拡散され、世界が動いた。


『災害に負けるな!!日本と連帯しよう!』

その潮流は国際政治をも動かす。


 平助たちは大地震対策がひと段落した後、
懸案だった対米交渉に臨む。


 世界の世論はそんな日本に味方する。






 そもそも多国間貿易協定を提唱したのは
アメリカ本人ではなかったのか?

 環太平洋貿易協定(TPP)は
アメリカ主導で進められたハズ。

 しかしトランプ大統領に時代、
自らの我儘で勝手に脱退したのもアメリカ。

 その後、空中分解し崩壊寸前に追い込まれた
TPP交渉会議。
 そんな危機的状況の中にあって日本が孤軍奮闘。
崩壊を回避しアメリカ抜きで
会議を最後までまとめた。

そうやって身勝手なアメリカの
尻拭い役を果たす。

 そう、アメリカ抜きで
残存交渉参加国をまとめたのは
日本である。

 しかも、いつでもアメリカが復帰できるよう、
常に配慮しているのも日本であった。

 本来ならアメリカが日本に頭を下げ、
「私たちが悪かった。
どうぞ私たちアメリカも仲間に入れてください』
とお願いするのが筋でしょ!

 今やあれから日本が主導し
努力して進化させた拡大TPPには、
中国やロシアまで参加を強く希望している。

 しかし中国もロシアも日本に倣(なら)い
ネット直接民主制を取り入れたとはいえ、
今までの国際社会に於ける
悪魔に等しい行状を考えたら
良識を持った民度の国民が造る政府とは考えにくい。

(ア!国名を言っちゃった!
もとい、彼の国です!
あくまで彼の国です!)


【参考資料】

OGPイメージ

【流出】中国が描く2050年後の世界地図

中国の外務省から流出したといわれる「2050年の国家戦略地図」が話題です。今回流出した地図が本物なのか?という事はわかりません。しかし、中国...

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 当然日本の両国の国民に対する評価は低い。

 ランクから言えば危険度の高い
『要観察国』の最低ランクに属されている。


 そんなヤクザ国家を引き入れたら
せっかく苦労して作った
国際協調の強力な枠組みを
ズタズタにされてしまう。
 日本としては断固拒否するつもりです。

 アメリカはどうします?
そんな状況でもまだ我儘(わがまま)を通し、
理不尽な態度をとり続けますか?

 さぁ、どうします?


 交渉担当の井口外相が
いつになく強気でまくし立てた。

 日本には正論と世界の世論がついている。
 更に井口には官邸メンバーズがついている。

 負ける気がしなかった。


 返答に困るジョーカー大統領代理の
アメリカ通商代表部代表 ペリー交渉担当官。




 井口外相は表情を和らげ、こう言った。
「私たちの国、日本は知っての通り、
大きな災害に見舞われました。

 産業は大打撃を受け、
総生産の半分以上が消失しました。

 この状況から現状復帰するには
早くとも5年から10年はかかるでしょう。

 でも日本の国民は誰もくじけていません。
必ず復活します。

 あなたたちアメリカの皆さんも
自らの努力不足により招いた
経済不振という不遇な現状に甘えていないで
意地を持って奮起してください。

 そして、
自分たちが常に相手より優位に立とうとする


手段を択(えら)ばず
 「相手に勝つ」
 「有利に動く」
 「自分の欲望を満たす」

 そんな独りよがりの身勝手な発想から
脱却してください。


 私たちと共に、
幸せを掴む方法を探しましょう。

 

 この井口外相の発言は
どうした訳か、アメリカ側側近から
国家機密情報暴露組織にリークされ、
世界中に発信された。

 世界中で日頃から燻(くすぶ)っていた
アメリカへの不満が爆発、
それだけに限らず、
アメリカ国内からも

「日本や他の貿易相手国への
理不尽な要求に頼っても
根本的な構造的不均衡の解決にはならない。
高圧的な孤立から脱却し、
TPPに復帰すべき」

との世論が高まる。


 ここにきて勝負がついた。

 ジョーカー大統領が折れ、
大統領声明により
アメリカがTPPに再加盟するための
国内法整備に着手すると
約束されたのだった。

 それ程拡大・強化されたTPPは
重要な意味を持つ国際組織へと進化していた。


 凱旋する井口外相。

 日本の全国民から祝福を受け、
首相官邸メンバーズからはもちろん
モミクチャにされた。

 いつも昼食におにぎりを持参する
掃除担当、青木のおばちゃんは、
「 ┐(´д`)┌
ヤレヤレ良かった!
あたしゃ、毎日近所のお寺で
アンタのためにお百度参りしてたのよ。
 だからあんたの仕事が成功したのは
その効用もあったんだって忘れないでね。」
とクシャクシャにした笑顔で言った。



 その日の夜、
国中がまだ復興途中ではあったが、
官邸では内輪だけのささやか(?)な
祝勝会が開かれた。







    第17話 カエデとエリカ




 最近、官邸内の雰囲気は
とても明るくフレンドリーだ。

 最初緊張からギスギスしていた
官邸メンバーたちも、
お互い気心が知れ、仕事にも慣れ、
お互いを思いやる気風に溢れている。

 みんな生き生きしている。



 但し、例外もある。

 カエデとエリカの微妙な関係。


 あの温泉旅行以来、
エリカとカエデは競うように
平助にべったりだった。

 鼻の下が緩みっぱなしの平助。

 でも平助はそこにのみ
溺れているわけにもいかない。
角刈り兄弟や井口や板倉との
男の付き合いもある。


 男・平助。
仁王立ちになり、
皆を引っ張る気概に満ちていた。
(短足で角刈りだけど)

 そんな日常に埋もれ、
その上エリカの牽制に阻まれて、
ちっとも進展が見られない
カエデと平助の仲。



 次第にフラストレーションが溜まる。


 そんなある日、
カエデの誕生日がやってきた。

 歳はいくつ?

 平助の同級生だもの、
どちらかが落第していない以上、
同い年でしょ?
(落第疑惑に関しては、
平助はちょっと怪しいが)


 誕生日の一週間前、
平助の私邸(むつみ荘)一階の
『蓬莱軒』で
遅い夕食のチャーシューメンを一緒に食べながら
カエデに
「今度のカエデの誕生日は
確か1週間後だったな?
 どうだ、今度こそ誕生祝に
ホテルでディナーでも?」
と誘った。

 カエデは、
「えっ!今度こそホテルで?
まさかまだ私をホテルに誘う
いやらし~い野望を
持ち続けているんじゃないでしょうね?
 それにどうせ誘ってくれるなら
『安い』とか『格安』とかは嫌よ!」
「おいおい、僕を誰だと思っている?」
「へたれの平助。」
「誰が「へたれ」やねん?
よ~し、ここでしっかり宣言したる!
来週僕がカエデを
超~~、豪ォ~華なディナーに連れて行ったる!
どおだ!参ったか?」
「別に参ったりしてないし。
平助の『豪華』なんて信じてないし。
でも本当かどうか
確かめるチャンスをあげる。

 でもエリカには内緒よ。
また邪魔されたくないし。」

「分かった、
エリカには内緒な?」

 その後の1週間は
平助の顔に締まりが消えて
液状化したスライムのようだった。

 これは何か怪しい。

 勘の鋭いエリカは
何かを嗅ぎつけたかのようだった。


 
 

   つづく