uparupapapa 日記

今の日本の政治が嫌いです。
だからblogで訴えます。


ママチャリ総理大臣 ~時給1800円~ プロローグ 第一話

2021-09-24 10:06:05 | 日記




      プロローグ




 すみません、いきなりタイトルで見栄を張って
嘘をつきました。


 実は私の時給、午前中分は
東京都の最低賃金である1030円。
午後分以降は表題通り1800円です。

 どうして午前中と午後では時給が違うの?

そもそも内閣総理大臣の報酬が何故時給なの?

 その謎をこれから順を追って説明します。

 まず、何故午前中は安い?

 それは首相の職務のスケジュールを見ると分かります。

 一般的に首相の執務はAM9:00から。
まず最初にやる仕事が
内閣総理大臣決済の書類にハンコを押す事。


 一日約300件以上の決裁書類に
ハンコを押さねばならないけれど、
ただ押すだけなら単純作業だし
そんなに時給が高くなくても良いだろうと云う事。

 だから12:00まで死ぬ気で頑張ってハンコを押し続けても
時給は1030円です。
 (しかも、もし300件押印のノルマが達成できなければ、
未達の件数×30円がペナルティとして報酬から差し引かれる)

じっくり中身を吟味している時間など無いのです。


なんて過酷な職務なんだ!!


 でも午後以降は外国要人の対応・接待、
国会対策やメディア応対など、
チョットは仕事に頭を使うから
1800円くらいは出してやらないと
可愛そうとの温情からの設定なのです。




 では次に何故首相が時給職扱いなの?

それは今から遡る6年前の事です。



この国にネット暴動がありました。


 おバカで強欲な政治家や官僚たちがやらかした
煩悩と怠慢に満ちた失敗に
業を煮やしたネット庶民たちが
ネット世界で暴動を起こしたのです。

 その結果当時の政府は倒れ、
政治や行政機関の仕組みまでが
全く新たな組織に刷新されました。

 憲法までも大々的に改正され、
主権在民などの基本的人権はそのまま保障されながらも、
民意の議論、採択の場は議会や省庁から
公設ネットアンケートによる
直接民主制の行政に集約され、
議会や議員たちは只の集計・執行要員に、
 高級官僚たちは、真の意味での
国民の下僕に格下げされたのです。


 総理大臣を筆頭に、各大臣や高級官僚まで
選挙ではなく、公募で決められました。
 しかも財政ひっ迫のおり、
今までの者たちが
高給のくせに給料分働かなかった反省から、
どうせ低賃金に慣れている一般人がその職に就くなら、
どんなに低賃金でもしっかり働くだろうと云う想定から、
要職なのにパート扱いになったのです。



 でも、あまりに時給が低く、
その割に激務であり、
更に失敗したら厳しいペナルティーが科せられる、
そんなポストに就きたいと思う物好きは少ない。
 そうした理由から
公募に積極的に立候補する者が出なかったため、
その多くのポストは、
民間会社や団体からの
出向に頼っているのが実情でありました。

規定により就任期間1年だけの我慢と、
渋々引き受ける者がいるだけなのです。
(全ての公職は任期一年と規定されている)

だからといって、
もちろん誰でもできるポストではありません。

非常識な馬鹿はシャットアウトされる仕組みがあり、
厳正な試験に通った者しか資格が得られないのです。

 とは言っても、
その試験は原付バイクの
学科試験並みの簡単なもので、
誰でも取得できるが、
ちゃんと勉強しなければ合格できない、
そんな微妙なサジ加減の難易度でした。

 要するに常識的な一般人なら
選挙資金など無くても、
広く門戸が開かれているのです。


人選のポイントは
1多少バカでも試験にパスする事。
2仕事にクソ真面目な事。
3骨の髄まで庶民である事。
4低賃金でも腐らず働く事。

 この条件を満たす人材が
強く求めたれた。

 要するに卓越した高い能力など必要としていない。
 その辺の人が普通に一生懸命働ければ良い。
 それしか求められていなかった。



 一方そうした公職のポスト。


 それまでと違い、
有名大学出身者は受験応募資格がはく奪され、
実質的に公職追放されていた。

 何で?
だって東大出など高学歴エリート族は、
プライドだけは高く、
高度な政治判断と称し、自己保身と私利私欲に走り、
売国の徒たちの集団と同じと見なされたから。
 一般大衆の社会常識が通用せず、
ろくでもない行為に終始する
無能な存在との評価しか得られなかったから。

 その証拠に、
1980年代は『ジャパンアズナンバー1』ともてはやされ
あれだけ隆盛を誇った日本なのに、
現在は見る影もない程の、
斜陽な情けない
借金だらけの貧乏国家に成り下がっているのです。

 あれだけ手取り足取り支援してやった
隣国にまで馬鹿にされています。
 それほどの無能で無策な政策しか
やらなかったエリート為政者たち。
しかも誰もその結果の責任をとっていません。



 底辺のネット民たちが怒るのも無理はないのです。


 その報いがそれでした。



 でもそういう輩でも有難い事に
人権は保障されています。
だから彼らには
公共の福祉に携わることは許されていないが、
個人の利潤追求には規制がありません。

 個人の学習能力が高いという特性を生かし、
研究所などを立ち上げ、自分の研究成果を発表したり、
会社の社長になるのは許されています。

つまり公共の福祉に直接携わらなければ
能力次第でどれだけ私腹を肥やしても良いよと云う事です。



 一方、一般大衆に過ぎなかった者たちが
いきなり政治の表舞台に立たされても
ただまごつくだけ。

 だから徹底したマニュアル遵守が求められ、
イレギュラーなミスには、
ペナルティが課せられました。


 例えば先代の総理大臣が、
つまらないミスをしたときは、
16時間の【パワハラマシーンの刑】に処せられました。

 哀れな彼は、その恐怖のマシーンに
「お前の母ちゃん出ベソ!」と、
罵倒され続けられたのです。


 その結果彼は軽いノイローゼになってしまいました。

 でも私たちの仕事は
ペナルティだけではありません。
 良い仕事をしたら、報奨金もあります。

 国家に多大な利益をもたらす
成果をあげることができたら、
退職後の年金に、報奨金として
一件に付き毎月300円も加算されます。

 たかが300円と侮るなかれ。
一件300円と云う事は、10件で3000円、
100件で3万円の加算が一生毎月続くのです。

 例えば毎月14万円の年金受給者なら、
17万円も貰えます。



 凄くない?


 別に。


 あ、そう・・・。


 チ~ン。


 因みに私、竹藪平助は、
ついこの前までラーメンの添えものである、
メンマ製造会社で準社員として働いていました。
 ある日社長に時給が上がるから、
一年だけ出向しなさいと命令され応募したら、
事もあろうに、総理大臣にされちゃったのです。




 これからの一年は
波乱万丈の年になりそうな予感がします。

 





     第一話  キャバクラバレた!!



 私、竹藪平助(32歳)が
内閣総理大臣に指名されて今日で1週間。

 ようやく就任に関わる様々な儀式や行事が終息し、
一息ついて羽を伸ばしたいと思った。

 緊張から解放され、タガが緩んだ私は、
ついこの前まで宅配の配達員だった田之上官房長官と
3丁目のキャバクラに行くことにした。

 もちろんそんな私事(わたくしごと)に
SPを同行させる訳にはいかない。

キャバクラ代は公費から出せないし、
SPの超過勤務代を私費から負担できるほど
報酬も貰っていない。


だからそう言って断ったのに、
SPのひとり、[角刈りの杉本]がついてきた。
勿論自腹で。


ひとしきり大人の世界を堪能し、
楽しんだ私たち。
でも翌朝地獄が待っていた。

私の高校時代からの幼馴染、楓(かえで)が
いきなりノックもせずアパートのドアを開け、
鬼の形相で迫ってきた。

「コラ!平公!!
お前、昨日キャバクラに行ったって?
何やってんだ!馬鹿!!」

「いきなり何だ、かえで!!」
(何処から嗅ぎつけて来た?)
「お前、昨日キャバクラ行ったろう?」

・・・顔が近い・・・

「え?・・・・き、き、記憶にございません。」
「記憶にない?ふざけんな!!
国会答弁やってんじゃないぞ!!」
「でも、何でかえでがそんな事知ってんだ?」
「ほら、やっぱり行っただろう!」
(ちょっとイラつき)
「だから、何で知ってる?」
「角刈りの杉本がゲロを吐いたんだよ」
「あの口軽野郎!SPのくせになんて口が軽いんだ。」
「私が締め上げ、無理やり口を割らせたのさ」
「やっぱりかえでは鬼だな!どんな壮絶な拷問にかけた?」
「人聞きの悪い事言うな!
私の溢れる魅力を使い、色仕掛けで優しく質問したら
直ぐに教えてくれたのさ。」
「嘘つけ!!今「締め上げて」って言っただろう!
そもそもかえでの一体何処に
色仕掛けできる魅力がある?
胸はペッチャンコだし、おケツはでかいし、
絶対地獄の拷問にかけたに決まってる!」
「失礼な奴!!
そんな事より、天下の総理大臣が
迂闊で軽薄にも
キャバクラに行っている場合か?
世間に知れたら間違いなく過酷なペナルティの嵐だぞ。
そんな事も分からんか?この馬鹿が!!」
「バカに向かってバカって云うな!」
「バカだからバカって言って何が悪い?」
「面と向かって言われたら傷つくだろう?」
「この馬鹿・・・。」



 でもかえでは彼女でもないくせに、
何でそんなに私に干渉する?

 キスもさせてくれないくせに・・・。




    つづく