マイノリティリポート 70点

SF。スピルバーグ監督。PKディック原作。

予知能力者の力によって犯罪が未然に予防され、平和になった未来のワシントンDC。
犯罪予防庁につとめる主人公がある日受け取った予知は、
自分が見ず知らずの男を殺すというものだった。
予知を信じず逃走し、独自の調査をはじめる主人公。
果たして少数報告にあるように、予知は外れることもあるのだろうか？

ディックらしい陰鬱で猜疑心に満ちた世界観をベースに、
しかし『ブレードランナー』のように暗くなりすぎないよう、
ところどろにユーモアを交えながら軽妙洒脱に語られるストーリーは見事。
見事にうざい。
そのユーモアシーン要らないから。
目隠ししてるから腐った牛乳飲んじゃったとか、
そういうユーモアはいらないから。
ふんだんにあるユーモアを全部なくして一時間短くしてくれ。
そしたらかなり面白いと思う。

しかしまあ、ディックの作品をハリウッドで受け入れられるようにするあたり、
さすがスピルバーグという感じではある。そこが好かん。
でもまあ、ストーリー自体は古臭いけどハードなＳＦミステリーだし、
設定も世界観も骨太で面白く、
二転三転するストーリーは最後まで飽きさせない。
良作だと思う。
思うけどユーモアが……