うな風呂

やる気のない非モテの備忘録

バトル オブ サンライズ  60点

2009年05月01日 | ゲーム日記
バトル オブ サンライズ(通常版)

サンライズインタラクティブ





PS2のSRPG。
『スーパーロボット大戦』シリーズのヒットを受けて「だったらおんなじものうちで作ったほうが儲かるんじゃない?」的にひらめいたサンライズが、ゲーム製作の小会社を作って早数年。
あまりにもやる気のないゲームばかりを出しつづけて気がついたら去年消滅していたその子会社サンライズインタラクティブの最終作となったのか、本作『バトルオブサンライズ』

基本的には戦闘演出が最高にチープでインターフェイスがいまいちでテンポがやたら悪くなったスパロボと思っておけば間違いないのだが、しかしそれだけで切り捨てるにはちょっと惜しい気もする本作。

APという行動力の設定により、弱いが行動回数が多いユニットと、強いが行動回数が少ないユニットというバランスのとり方。
移動力がそのまま交戦回数となり、範囲内で移動すればするほど与ダメと被ダメが増加するという独特の戦闘システム。
レベルアップで次々の取得していくスキルを、四つの枠に自由につけかえしていくキャラカスタマイズ。
戦闘マップでの回復がアイテムでしか出来ないが、アイテムと強化装備は同じ枠を使うので、アイテム装備か強化アイテム装備かを迷うバックパックシステム。
などなど、スパロボとは似て否なるシステムの数々が、マンネリ著しいスパロボに比べると新鮮味を感じさせてくれた。
機体を改造しておけば弱いパイロットでもなんとかなるスパロボと違い、機体改造とパイロットレベルの両方が同じくらいに重要になるステータスバランスもなかなか良いところをついている。

また、単純にスパロボには参戦してない(つうか版権とかの問題でしたくてもできない)作品『装甲騎兵ボトムズ』『銀河漂流バイファム』『機甲界ガリアン』が参戦しているのも嬉しい。
特にボトムズはATの小ささと弱さ、それに反する主人公キリコの異常な強さがスキルなどによってちゃんと反映されていてなかなか素晴らしい調整がされている。

ストーリーのクオリティ自体はいつものスパロボと大差のないレベルなのだが、テキストが妙に素人くさいのと(上手い下手じゃなくて、書き方しらねえんじゃないかっていう、基礎知識の点で疑問がちらほら)あらゆる演出がチープなのが難。
そして原作を知らないとわかりにくいが原作を知っていると物足りない、中途半端なストーリー再限度と、打ち切りのようなそれぞれの敵との決着が、絶妙なもやもや感を残してくれる。

戦闘マップの攻略が単調、なのはスパロボもおんなじなのだが、スパロボはやたら新キャラを出したり新敵を出したりパワーアップイベント挟んだりして、ゲーム性ではなく演出面で単調さをなくす努力をしていた。
それに比べて本作は、特にイベントもなく会話も少なく、一度戦い方を確立させてしまえば、ほぼ最後までそれでやっていけるので、あらゆる意味で単調になつてしまっている。
やはりマップごとの違いを出せていないのはSLGとしては致命的かと。

最初にも書いたが、戦闘演出はグラフィックがへぼい、ロードが長い、動きが悪い、攻撃の流れがとろい、台詞が異常に少なくて同じ台詞を繰り返す、などなど多彩な欠点を抱えており、一言「見るだけ時間の無駄」としか云えなくなっている。
この点、なかば戦闘演出鑑賞ゲームと化しているスパロボとは大きく違うので、スパロボのそういうところを期待している人は確実にプレイしてはいけないレベル。

また、戦闘以外でもユニットが切り替わるごとに音楽の切り替えなどが入ってテンポが悪い、それがなくても敵の行動ターンがたらたらと長い、リザルトでいちいち○ボタンを押さなきゃいけないのでめんどくさい、などなど、とにかくテンポの悪さとめんどくささがひかるインターフェイスで、感覚としてはPS1初期のゲームのような不親切さ。


スパロボっぽいしスパロボみたいな楽しさはあるけど、スパロボとはちがうゲーム性をもったゲーム、として結構魅力を感じないこともないのだが、どうにも技術力と予算不足でいい加減な出来になってしまっている作品。
しかし、これをベースに洗練させていけば、あるいは第二のスパロボになれるんじゃないか? と期待させるポテンシャルは秘めていると思う。

が、なにを云うにもこのゲームを最後に会社が潰れているので、続編に期待することも出来ないという、なんともお粗末な結果になってしまったゲーム。
スパロボ全部やってしまった人や、スパロボには飽きたけどスパロボっぽいゲームがやりたい人なら、プレイしてみてもいいかもしれない。



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