うな風呂

やる気のない非モテの備忘録

ダンテズ・インフェルノ ~神曲 地獄篇~  65点

2013年10月28日 | 日記系
十字軍の勇士として遠征で数々の戦果をあげたダンテ。
しかしその実態は数々の罪にまみれていた。
その罪から妻を魔王ルシファーに奪われたダンテは、妻を求めて地獄の九つの圏を巡る旅にでる。
ダンテの『神曲』を題にとったダーク・ファンタジー・アクションゲーム。


PS3/XBOX360/PSP
2010/2/18
エレクトロニック・アーツ販売。Visceral Games開発。

他の会社がつくった『ゴッド・オブ・ウォー』。
それ以外の説明が不要なほどの『ゴッド・オブ・ウォー』。
アクションも背景も映像もストーリーもキャラもほぼすべてが完璧に『ゴッド・オブ・ウォー』。
ただ残念なことに、クオリティがPS3世代の『ゴッド・オブ・ウォー』ではなくPS2世代のころのそれ。
ムービーのクオリティだけ唐突にいまでも通用するレベルに跳ねあがるから余計に目立つ。なんだこれ?

内容自体は、『ゴッド・オブ・ウォー』なので無難に遊べる。
武器が鎌と十字架の二種類なのだが、十字架が遠距離武器なのに広範囲高威力という鎌の存在意義を完全に失わせているところ以外はそれなりにきびきび動くし、爽快にアクションできるし、あまり不満はない。
地獄をめぐるという設定も、グロ成分多めでなかなかよい。死者がぼとぼとと降ってくる中、亡者のへばりついている壁をのぼり、ミダス王の裁きを受け、ひたすらに地獄をくだっていくさまはシンプルで面白い。
が、途中からどうも似たような景色が多いうえ、終盤で力尽きたのか、クリア後のチャレンジステージみたいなのが本編に組み込まれていて、闘技場でひたすら闘わされるのが厳しい。これのせいでクリアするころには印象が悪くなっている。中盤がだれるならまだしも終盤で力尽きるのはやめてほしい。
また、初代『ゴッド・オブ・ウォー』で評判の悪かったアスレチックな部分がより強化されているあたり、どれだけ初代が好きなんだと思わざるを得ない。

ストーリーも、十字軍の英雄が大罪人で、その罪の意識に苦しんでいるというのは、なかなかダークで良い。
が、曖昧なでだしの流れで唐突に地獄に落ちるし、んかよくわからんうちに妻をおっかけているし、大暴れしているくせにでてくる台詞はずっとうじうじだしで、どうにもシンプルなストーリーの流れになかなか入っていけない。ストーリーの内容も『ゴッド・オブ・ウォー』と大差ないのだが、主人公クレイトスの怒りで統一し、それに感情移入できるように構成したあちらとちがって、どうにも無駄にわかりにくい。
おとなしく傲慢な英雄が地獄で罪を暴きたてられて後悔していくようなストーリーラインでよかったのではなかろうか?

Visceral Gamesは名作ホラーゲーム『DEAD SPACE』の開発元で、あれもシステム自体は『バイオハザード4』の丸パクリで製作者本人も明言している。にもかかわらず、きちんと独自の雰囲気とゲーム性を確立した名作になっていた。
対して今作は『ゴッド・オブ・ウォー』の劣化コピーの域を出ず、残念な結果になっている。なにか一つでも「これがオリジナルにはないこの作品の肝だ!」といえるものがあればよかったのだが、それがまったくない。あと主人公がすごいカッコ悪くて萎える。
ただ『ゴッド・オブ・ウォー』のテイストや要素をパクッたゲームはたくさんあるけど、ここまで潔く100%そのまんまのゲームはほかにプレイしたことがないので、「シリーズ全部クリアしたけどもっと『ゴッド・オブ・ウォー』がやりたいよ!」という人が代替品としてプレイする分にはありだと思う。
プレイ時間は6~8時間程度で、二周する気にはなれなかったけど、かるくプレイする分には悪くないと思う。なんかどこでも安いし。



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