妻の仕事が、ほぼ決まった。
私たち夫婦にとっては朗報なのだが、なかなか良い結果の出ない私個人にとっては、いささか妻に先を越された感があって、切ない気もする。
そんなことを考えていたら、なんだか眠れなくなってしまった。
そして眠れぬままの午前4時。配達されてきた朝刊を取りに出たら、玄関の外はまだ真っ暗だった。
新聞を読み始めて30分程経つと、その間に夜が明けてきて、段々に窓の外が白んできていた。
私はふと夜明けの風景写真を撮りたくなって、カメラを片手にベランダに出てみた。するとどうだろう、ベランダのすぐ下に広がる田圃の真ん中辺りに、長い足をした背の高い鷺(サギ)が一羽、ひっそりと佇んでいるではないか。何か餌になるような虫でも、啄ばんでいたのだろうか?
私は思わず、カメラのシャッターを切った。
鷺は、しばらくすると大きな羽を広げて、北の方角へと飛び立っていった。
鷺のいなくなった田圃の水面は、朝焼けに照らされて、少しずつ赤くなっていくのだった。
朝8時半過ぎ、仕事の研修に出かける妻を見送りながら思った。
私にも、いつかあの鷺のように朝焼けに向かって、大きな羽を広げて飛び立てる朝がやってくるであろうことを心から願い、またそうなることを信じたい。
妻よ、ありがとう。私も頑張るからね。もう少しの辛抱だよ。
私たち夫婦にとっては朗報なのだが、なかなか良い結果の出ない私個人にとっては、いささか妻に先を越された感があって、切ない気もする。
そんなことを考えていたら、なんだか眠れなくなってしまった。
そして眠れぬままの午前4時。配達されてきた朝刊を取りに出たら、玄関の外はまだ真っ暗だった。
新聞を読み始めて30分程経つと、その間に夜が明けてきて、段々に窓の外が白んできていた。
私はふと夜明けの風景写真を撮りたくなって、カメラを片手にベランダに出てみた。するとどうだろう、ベランダのすぐ下に広がる田圃の真ん中辺りに、長い足をした背の高い鷺(サギ)が一羽、ひっそりと佇んでいるではないか。何か餌になるような虫でも、啄ばんでいたのだろうか?
私は思わず、カメラのシャッターを切った。
鷺は、しばらくすると大きな羽を広げて、北の方角へと飛び立っていった。
鷺のいなくなった田圃の水面は、朝焼けに照らされて、少しずつ赤くなっていくのだった。
朝8時半過ぎ、仕事の研修に出かける妻を見送りながら思った。
私にも、いつかあの鷺のように朝焼けに向かって、大きな羽を広げて飛び立てる朝がやってくるであろうことを心から願い、またそうなることを信じたい。
妻よ、ありがとう。私も頑張るからね。もう少しの辛抱だよ。