西向きのバルコニーから

私立カームラ博物館付属芸能芸術家研究所の日誌

往来言葉の物語37(ちらし寿司)

2014年10月22日 17時27分00秒 | 往来言葉の物語
 37.大阪富田林、寺内町の外れにて。中年の娘と老母の会話より。

 娘「そら、ちらし寿司ちゃうん?」

 母「う~ん・・・・・・」


 丁度この界隈は、先週末、秋祭りが催されていた。
 恐らく、お祭り特有のご馳走の話だったのではないかと思う。お祭りには、地方や地域それぞれに特有の献立があって、中でもお寿司は欠かせないメニューのひとつであったりする。

 私が子供の頃にいた京都の山科では、秋祭りのご馳走と言えば「鯖寿司」。昔私は魚が嫌いで、上に載った鯖の身は食べずに、下の酢飯だけを食べていたが、今では全て美味しくいただけるようになった。
 昔から鯖寿司が大好物と言う母も、間もなく95歳になる。今年も誕生日には、どこかで鯖寿司を調達できればと思っている。


 さて、富田林のお祭りのご馳走って、何なのであろう? それを知ることもなく、間もなくこの地を離れることになる、私である。

往来言葉の物語36(我慢)

2014年02月23日 16時27分05秒 | 往来言葉の物語
 36.大阪府下の、とあるスーパーマーケットにて。

 地下食品売り場から、昇りエスカレーターに乗る、若い男女の会話。


男性「あ、お腹痛い。トイレ行ってこうかな……?」

女性「アカン! 我慢することも覚えなあかん」


 確かに一理あるとは思うが、我慢も時と場合によるであろうに……。
 世の中には、色々な考え方をする人がいるものだなあ。

 ふと我に返って、同じような場合に、こういうことを言わない妻であって良かったと、胸を撫で下ろした。


 その後の彼に、思わぬ不幸が訪れることがないよう、そっと天に祈った。

往来言葉の物語35(春よ来い)

2014年02月04日 21時09分00秒 | 往来言葉の物語
 35.富田林市の寺内町にて。

 寺内町を通る度、よくご挨拶を交わすお爺さんがいらっしゃって、昨日もまたお会いした。
 遠くから徐々徐々に近づいていくと、独り言であろうか、何やらムニャムニャおっしゃっているのが耳に入ってきた。そして目が合ったところで、いつものように「こんにちは!」と頭を下げると、お爺さんはやはり頭を下げながら……。

「♪は~やくこいっ!」

 ……と歌いながら、木戸を開けてお家の中へ帰っていかれた。
 どうやら、童謡『春よ来い』を歌ってらしたようだ。


 春の訪れが、待ち遠しいですね!

往来言葉の物語34(足して3で割って…)

2014年01月19日 14時56分00秒 | 往来言葉の物語
 34.近鉄電車内。正面の席にいる女子高生と思しき制服姿3人の会話。


「マツジュンとジョニーデップとタカハシダイスケを足して、3で割って、不細工にしたような顔!」


 いい加減、注意したくなるほど耳障りなお喋りが続いていたのだが、これには思わず吹き出しそうになって、堪えるのに必死だった……。


 どんな顔やろ? おーてみたいな!

往来言葉の物語33(メロメロ)

2014年01月04日 12時35分00秒 | 往来言葉の物語
 33.昨日1月3日、奈良、橿原神宮参道にて。初老のご婦人お二人の立話から。


「女の子メロメロよ! もう女の子メロメロ!!」


 はて? 女の子をメロメロにしたというのは、どのような男性なのだろか? まさか女性なのか? それとも動物……?
 もしかすると、食べ物とか薬とか……?

 ただただ、想像が膨らむばかり。


 後学の為にも、その真相を訊ねてみるべきだったか……?

往来言葉の物語32(ちゃんこ)

2013年06月11日 09時12分00秒 | 往来言葉の物語
 32.新しくなった阿倍野歩道橋の上で……。中年男性が携帯電話で話している。


「あ、多分カウンターの棚の上に転がりちゃんこしてしてるかと思うんやけど……」

 【転がりちゃんこ】……?


 笑福亭仁鶴師匠が「~ちゃんちゃこ」と仰るのはよく聞いたが、この「~ちゃんこ」は初めて聞いた言葉の使い方。映画『舟を編む』を観てからまだ間が無いので、思わず「用例採取!」と呟いてしまった。

 そう言えば、私が昔から普通に使っている言葉に「踏みじゃんじゃん」という言葉がある。何かを踏みつけて踏みつけてしてしまうことを表現した言葉であるが、ひょっとしたらそれと似たような部類の用法なのだろうか?


 教えてちゃんこ!

往来言葉の物語31(給料ぐらい)

2013年05月26日 08時03分00秒 | 往来言葉の物語
 31.ある土曜の午後、富田林市内の某住宅街にて。

 梯子が積まれたトラックの横で、電機工事を終えたばかりと思しき、作業服姿の男性二人の会話から。


「給料ぐらい払うたらんかい!」

「うん、そやな」


 ほんま、そやそや!
 二人してもっと言うたれ!

 ノーギャラはアカンで! なめとんのか?!

往来言葉の物語30(月曜はジャンプ)

2012年12月17日 16時25分56秒 | 往来言葉の物語
 30.とある月曜日の夕方、近鉄長野線「富田林」駅前にて。

 たった今電車から降りてきたと思しき、学生服姿の男子生徒さん独り。
 横断歩道を渡って、パチンコ屋さんの前を通り過ぎようとした時……。

「あっ!! 今日は少年ジャンプの発売日だ!!」と叫んで……。

「読みに行かねば……」と呟く……。


 立ち読みか? 友達のを借りるのか?

 たまには買って読んであげて下さいね……。

往来言葉の物語29(富田林が海底に)

2012年10月16日 13時04分00秒 | 往来言葉の物語
 29.富田林市内の某医院の待合室。老女の会話より。

「金剛大橋が水に浸かったら、サンプラなんかもう海底やがな!」





 
 比較的災害の被害を受けることが少ない、南大阪を表現したかったのだろう。

 石川に架かる金剛大橋近くにあるスーパマーケット「サンプラザ富田林店」は、川の堤防からもなお低い土地、いわゆる「ゼロメートル地帯」にある。故に万が一川が氾濫して洪水になった際は、 なるほど店はどっぷり水に浸かってしまうことが想像される。

 それにしても、川の氾濫でいきなり「海底」とは……。

「私な、雷落ちるとこ見てんで! そらもう辺り一面真っ白やがな! PLの花火の最後んとこみたいやったで!」


 いかにも富田林のオバアチャンらしい、発想が面白い!


スーパーマーケット「サンプラザ」
http://www.super-sunplaza.com/

往来言葉の物語 28(節電節電)

2011年08月19日 21時08分00秒 | 往来言葉の物語
 28-1.大阪京橋の某喫茶店にて。初老の男女数人。

 女A「ここ暑いな、節電節電言うて、イヤラシナァ!」

 女B「ホンマニナァ」

 男A「(横の席の私をチラチラ見ながら)……」



 28-2.近鉄南大阪線電車内にて。老夫婦。

 老女A「これ何や寒いぐらいやな。節電節電言うてる時に……」

 横に座るご主人と思しき男性は、それに返事をすることもなく、まったく別の話を大声で喋っていた。


 喫茶店も電車も、同日の出来事。



 ちなみにすぐ近くにいた私達夫婦は、どちらも暑すぎず寒すぎず、まずまず快適な温度設定だと感じていた。

 人それぞれ、体感気温は違う。


 なかなか、何もかもひとつにはなれないし、無理やりひとつにならなくてもいいのではないか、と思う。



人気ブログランキングへ