料理研究家

　妻は、自称料理研究家である。

　だが研究家はあくまで研究家であって、プロの料理人ではない。そして研究という言葉を言い換えるならば、実験とも言える。

　自主映画の現場では、妻はケータリングスタッフとして関わっていた経験も多くある。そんなことを知る人たちからは「奥さんて料理上手なんでしょ。カームラさん羨ましいですね」なんてことをよく言われるのだが……、実は実は、実験結果はそういつも良いものとは決まっていない。正直言って妻の実験の成功率は、案外低いというのが実状である。


　妻の実験の成功率が、常に高くあって欲しい……。それがモルモットとしての私の切なる願いである。