西向きのバルコニーから

私立カームラ博物館付属芸能芸術家研究所の日誌

うそかえ祭

2007年01月27日 01時23分00秒 | 関西ですねん!
 25日は初天神。大阪、藤井寺市にある道明寺天満宮で行われた「うそかえまつり」に出かけた。
http://www.domyojitenmangu.com/usokae.shtml

「うそかえまつり」は菅原道真公ゆかりの神事。

 集まった参拝客一人一人には、それぞれ鷽鳥(うそどり)をかたどった木彫りのお守りが入った小さな袋が手渡される。そして参拝客らは、口々に「かえましょう、かえましょう」と言いながら、その袋を見ず知らずの者同士で交換に交換を重ねていく……。そうして15分ほど経つと、太鼓の合図とともにその袋を開ける。それで中にある木彫りの鷽鳥の裏に「金」「銀」などの文字が記されているものが入っていたら、それぞれ純金製や純銀製といったお守りと交換してもらえる。言わば福を授かることになる。

 たくさんの人々と「うそ(鷽鳥)」を「かえる(交換する)」ことによって、去年ついた「うそ(悪事)」を「誠(良運や福)」に変えようといった、厄払いの意味合いもある神事である。

 老若男女、何百人もの見ず知らずの人たちと「かえましょう、かえましょう!」と、まるでゲームのように鷽鳥の入った袋を交換していく内に、皆自然と笑顔になり、見ず知らずの他人同士のはずなのに、いつの間にか皆が親兄弟か友達のように、何となく親しみを覚えるようになってくる。不思議なひと時を過ごせる、お祭であった。


 日本中で、いや世界中で、もしこのようなお祭が広まれば……、世の中から争い事がなくなるかもしれない……、と思った。