ゆ~たん音楽堂

ドキドキ&ハートフルな音楽と仲間を探して
東奔西走!
音楽ディレクター ゆ~たんの日常。

ライヴにはたくさんの発見がある。あ、あたりまえか(汗)。

2012年01月08日 18時24分54秒 | Daily Life


事務所にようやく新しい加湿器がやってきた。
なかなか堂々たる体格である。
なのに2,000円しないのだから、すごい。

これでやっと喉のイガイガも取れそうだ。


昨日はイベントとコンサートをつないで歩いた。

昼過ぎに行ったのはYAMAHA池袋店。
ここでNARからCDをリリースしている川上昌裕さんのコーディネートによる
インストアイベントが開催された。

昨日のイベントはCDではなくカプースチンの連弾楽譜『シンフォニエッタ』の
発売記念として行われたもの。
川上さんは司会役で、演奏は松本あすかさんと西本夏生さんが行った。

会場は休日で天気も良かったこともあり、満員御礼の大盛況。
ちょっとビックリした。

NARのスタッフに話によると松本さんのファンが多いのでは、とのこと。
川上さんとはサイン会終了後に、少しだけ言葉を交わした。
お会いするのは4年ぶり、かな?

最初2枚のCDを担当して以降、ご無沙汰してしまった。
川上さんの活躍は、辻井伸行さんの先生として多くの方がご存じだと思うが、
カプースチンの日本への紹介者としての川上さんの仕事を忘れることはできない。

いずれにしても久しぶりに再会できて本当によかった。


その足で地下鉄を乗り継いで
浜離宮ホールで開催された清水雅彦さんのテノールリサイタルへ。



こちらのテーマは「歌曲と合唱で愛される歌たち」。

今や合唱の世界は歌謡曲・ポップス界と緊密な関係にあることは、皆さんもご存じだと思う。
そのひとつの例としてNHKの学校音楽コンクール(『手紙』『YELL』『証』など)があり、
また、昨年震災関連で紹介され、紅白でも歌われた『あすという日が』などがある。

つまり、合唱曲としていくつかの声を絡ませで聞くあり方と、
一本のメロディを柱として、それを中心にサウンドを構築するあり方…といえるだろう。

昨日の清水さんのリサイタルでは「歌曲」と「合唱」との相関図ということになる。

もちろん全ての楽曲がこれに成功するわけではなく、
合唱⇒歌曲、歌曲⇒合唱に置き換えられる時にはそれぞれの創意工夫が必要となるはずだ。

昨日配布されたパンフレットの中で信長貴富さんは
「ソロを合唱に編曲することよりも、合唱をソロに編曲することの方が
数倍難しいと感じています」…と書いている。

なるほど。

リサイタルの中核には信長作品、千原英喜作品があり、
それぞれに新しい歌曲の方法を感じることができた。

その一方で、この数年、僕自身があまり接する時間が少なくなった
中田喜直作品、高田三郎作品にある意味で忘れかけた「エートス」を感じた。

ゆ~たん音楽堂
店主 敬白

林光先生のピアノ曲を聴きながら。

2012年01月08日 10時26分21秒 | Daily Life
林光さんが亡くなられたことをネットで知り、
いろんな方の林先生に対する想いを読み続けた。

僕は直接、お仕事をさせていただいたことはなかったが、
間接的に音源を復刻する時などに、林先生の楽曲を収録することが時々あった。

僕にとって、林先生の音楽といえば、
やはり『原爆小景』の中の1曲、『水ヲ下サイ』(1958年)を忘れることができない。

この曲は原民喜の詩による無伴奏の合唱曲で、僕の高校の合唱部の後輩たちが
1980年に全日本合唱コンクール全国大会に出場した。

僕はその時予備校生活を送っていたので実演を聴くことができなかったが、
「ついに高校生がこの曲を歌うようになったのか」と言われたということを後に聞いた。
それほど凄まじい曲だ。


ジャケットを掲載したCDはNARから昨年リリースされたばかりの林先生のピアノ曲集。
クレジットを見ると10月7日の発売となっている。

演奏は寺嶋陸也さんによるライヴ録音で、
プロデュースはピアニストの斎木ユリさん、浅井道子さんが行っている。

林光 ピアノソナタ全3曲~生誕80年によせて
寺嶋陸也 plays 林光
Rikuya Terashima Piano Recital 2011

【収録曲】
林光
ピアノソナタ
第2ピアノソナタ≪木々について≫
第3ピアノソナタ≪新しい天使≫
◆ボーナストラック
てぃーちでぃーる・じんじん
10月 花の歌
ゆうぐれ

【演奏者】Piano:寺嶋陸也
【録音】2011年2月8日東京文化会館小ホール 【ライブ録音】


ここにはピアノソナタの第1番から3番までが収録されているのだが、
ブックレットに収められている、今となっては貴重となった林×寺嶋対談の中で
最後に林先生がこう話されている。

≪そう、僕の作品、みんな「3番」止まりなんですよ。シンフォニーもそうです。
ピアノソナタもそうです。ピアノソナタ4番ね。しばらく書いてないし、また書いてみようかなあ。≫

残念ながら、林先生のその想いは遂げられなかった。

合掌。

ゆ~たん音楽堂
店主 敬白