友川カズキというミュージシャンをご存知でしょうか？
私がこの人のことを知ったのは、およそ30年前のこと。
「3年B組金八先生」で、三原順子扮する山田麗子がバイトするライブハウスで、歌っていたのが友川でした。
金八先生の言葉を借りるなら、“かきむしられるような歌”に衝撃を受けた私の頭の中には、その瞬間彼の名前がインプットされました。
とは言うものの、友川というのは一部熱狂的支持者を持つ、知る人ぞ知るミュージシャン。
身も蓋もない言い方をするならば、売れないミュージシャンなわけです。
田舎のレコード屋にそのレコードが置かれているはずもなく、インターネットも無かった時代に彼のことを調べる手がかりもなかったのでした。
それから数年後、上京してから、ようやくLPやらCDを入手。
友川の音楽を言葉で表現するなら…
“魂の叫び”“狂気”“激しさ”“パンクフォーク”
1曲歌っただけで、ギターの弦が切れてしまうのも珍しいことではありません。
でも、そのストレートな歌詞が心に染み入ります。
そういう激しい歌を歌い続けているのに、普段の友川は秋田なまりの抜けない、飄々とした酒好きなおっさんです。
競輪が大好きで、趣味が高じて本まで書いてしまっています
そんな友川カズキのドキュメンタリーが映画になりました。
音楽マニアの間では名の知られた映像作家だという、フランスのヴィンセント・ムーンが2週間、友川に密着して作り上げた作品です。
先月のことですが、その映画「花々の過失」を見てきました。
昔とずっと変わらず、酒好きで、競輪好きで、飄々とした雰囲気。
そしてやはり昔と変わらない歌には、感動させられました。
作中で友川は、自身のことを何度も「才能が無い」と語っていましたが、とんでもない！
この人は凄い才能の持ち主だと再確認。
魂を揺さぶられたし、鳥肌が立ったし…とにかく凄いものを見させてもらいました。
京王線 聖蹟桜ヶ丘駅より徒歩7分
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