毎日暑くて、自分もPCも大変な毎日を送っています。6月から書くと言っていた短編が一話目だけ書き終える事ができたのでアップします。続きはいつになるか未定ですが、今月中の掲載を予定しています。
夏の一日 ♯1
六月はお互い忙しくて、六月九日に顔を合わせて食事をするだけで終わってしまった。
誕生日に征士に会えたのは良かったけれど、やっぱり物足りなかった感じで改めて七月に入ってからまた征士と会う機会を作ってどこかへ行きたいと思っていた。七月のある日、僕は征士と都合を付けて会った。その日は、夕方になっても蒸し暑かった。
「伸、待たせたな」
征士はそう言うと僕らが待ち合わせていた場所に来た。待たせたと言っても電車が遅れた程度の事なので多少遅れた位で気にもならなかった。
「別に気にならないよ、征士。そんなに遅くなってないし」
「ならいいのだが。伸に迷惑を掛けていなければ私は構わない」
征士は僕の返事に真面目に答えた。征士の返事自体が僕の事を気遣ってくれていて、まさに征士らしいなと思った。
「ところで征士、暑いしどこか飲みに行かないか?」
「そうだな、こんな日だしビアガーデンでもどうだ、伸」
「いいね。僕も行きたいと思ってたよ」
「それでは行くか」
征士は僕の返事を聞いて、近くのビアガーデンに向かった。歩いている最中にも蒸し暑いので汗が出て来る感じだ。
「征士、今日は暑いからビアガーデン日和だね」
「そうだな、伸。こんな時に飲むビールが一番美味い」
征士は僕が話し掛けると嬉しそうに返事をした。
ビルに入りエレベーターに乗り、ビルの屋上まで昇りエレベーターを降りると風が吹いてきて地上の暑い世界と違った感じがした。
「いい所に来たみたいだね、征士」
「とりあえず席に座ろう、伸」
僕と征士は空いている席を探して座り、やっと落ち着いたと思った。
「伸、私がビールを取ってこよう。中ジョッキでいいな?」
「うん、よろしくね」
「わかった」
征士は僕に注文を聞いてビールを二人分取りに行った。今いるビアガーデンはセルフサービスで二時間飲み放題で客が自分で飲む分をビールサーバーから注いで持って来る所だった。少し経ってから征士がジョッキを両手に持って帰ってきた。
「征士、お帰り。僕おつまみ取ってくるから待ってて」
「ああ、頼んだぞ伸」
征士は持って来たジョッキをテーブルに置いて返事をした。僕は征士に声を掛けてバイキング形式のおつまみコーナーに行き、二人で食べられる量を適当に盛って両手で皿を持った。
「ただいま~。征士」
僕がおつまみを持って帰ってくると征士は笑顔で出迎えた。征士は両手がふさがったまま帰ってきた僕の為に、ジョッキをおつまみが置きやすいように移動してくれていた。
おつまみをテーブルに置き、ここに着いてようやく落ち着く事ができた。
「かんぱ~い!」
僕と征士はジョッキを軽く合わせて音を鳴らして一口飲んだ。
「暑い日のビールは最高だな、伸」
「僕もそう思うよ征士。ところで、夏だしどこか行かないか?」
「どこかというのは、どの辺りなんだ伸?」
「そうだね、夏だから海とかプールなんかいいんじゃないかな」
「それはいいな。私も伸とどこか行きたいと思っていたよ」
「征士が行きたいと言ってくれて良かった。僕がだいたい決めておくって事でいいよね?」
「わかった。予定を組むのは伸に任せる」
「それじゃあ、だいたい決まったら電話するからね」
「楽しみにしているぞ、伸」
征士はそう言うと僕に笑いかけた。
それから僕らは制限時間いっぱいまで食べたり飲んだりして過ごした。時間が終わって、ビルの屋上から降りるとまた生暖かい風が身体にまとわり付いた。
「上はまるで別世界だな」
「征士の言う通りだね。せっかく涼しくなったのにまた汗かいちゃうよ」
「それが夏だ。仕方ない」
「征士出かける計画の事だけど、なるべく早く連絡するからね」
「わかった、よろしく頼む」
僕らはそれから電車に乗って途中まで一緒に行って別れた。
征士と一緒に行く事が決まって、僕はこれからの毎日が楽しくなった。
6月の話を書きそびれたので7月の話にしようと思っていて書いてみたけど、夏の暑さと少しの時間の涼しさを実感できるような感じになればいいと思ったのでその点については書けたかなと思います。
夏の一日 ♯1
六月はお互い忙しくて、六月九日に顔を合わせて食事をするだけで終わってしまった。
誕生日に征士に会えたのは良かったけれど、やっぱり物足りなかった感じで改めて七月に入ってからまた征士と会う機会を作ってどこかへ行きたいと思っていた。七月のある日、僕は征士と都合を付けて会った。その日は、夕方になっても蒸し暑かった。
「伸、待たせたな」
征士はそう言うと僕らが待ち合わせていた場所に来た。待たせたと言っても電車が遅れた程度の事なので多少遅れた位で気にもならなかった。
「別に気にならないよ、征士。そんなに遅くなってないし」
「ならいいのだが。伸に迷惑を掛けていなければ私は構わない」
征士は僕の返事に真面目に答えた。征士の返事自体が僕の事を気遣ってくれていて、まさに征士らしいなと思った。
「ところで征士、暑いしどこか飲みに行かないか?」
「そうだな、こんな日だしビアガーデンでもどうだ、伸」
「いいね。僕も行きたいと思ってたよ」
「それでは行くか」
征士は僕の返事を聞いて、近くのビアガーデンに向かった。歩いている最中にも蒸し暑いので汗が出て来る感じだ。
「征士、今日は暑いからビアガーデン日和だね」
「そうだな、伸。こんな時に飲むビールが一番美味い」
征士は僕が話し掛けると嬉しそうに返事をした。
ビルに入りエレベーターに乗り、ビルの屋上まで昇りエレベーターを降りると風が吹いてきて地上の暑い世界と違った感じがした。
「いい所に来たみたいだね、征士」
「とりあえず席に座ろう、伸」
僕と征士は空いている席を探して座り、やっと落ち着いたと思った。
「伸、私がビールを取ってこよう。中ジョッキでいいな?」
「うん、よろしくね」
「わかった」
征士は僕に注文を聞いてビールを二人分取りに行った。今いるビアガーデンはセルフサービスで二時間飲み放題で客が自分で飲む分をビールサーバーから注いで持って来る所だった。少し経ってから征士がジョッキを両手に持って帰ってきた。
「征士、お帰り。僕おつまみ取ってくるから待ってて」
「ああ、頼んだぞ伸」
征士は持って来たジョッキをテーブルに置いて返事をした。僕は征士に声を掛けてバイキング形式のおつまみコーナーに行き、二人で食べられる量を適当に盛って両手で皿を持った。
「ただいま~。征士」
僕がおつまみを持って帰ってくると征士は笑顔で出迎えた。征士は両手がふさがったまま帰ってきた僕の為に、ジョッキをおつまみが置きやすいように移動してくれていた。
おつまみをテーブルに置き、ここに着いてようやく落ち着く事ができた。
「かんぱ~い!」
僕と征士はジョッキを軽く合わせて音を鳴らして一口飲んだ。
「暑い日のビールは最高だな、伸」
「僕もそう思うよ征士。ところで、夏だしどこか行かないか?」
「どこかというのは、どの辺りなんだ伸?」
「そうだね、夏だから海とかプールなんかいいんじゃないかな」
「それはいいな。私も伸とどこか行きたいと思っていたよ」
「征士が行きたいと言ってくれて良かった。僕がだいたい決めておくって事でいいよね?」
「わかった。予定を組むのは伸に任せる」
「それじゃあ、だいたい決まったら電話するからね」
「楽しみにしているぞ、伸」
征士はそう言うと僕に笑いかけた。
それから僕らは制限時間いっぱいまで食べたり飲んだりして過ごした。時間が終わって、ビルの屋上から降りるとまた生暖かい風が身体にまとわり付いた。
「上はまるで別世界だな」
「征士の言う通りだね。せっかく涼しくなったのにまた汗かいちゃうよ」
「それが夏だ。仕方ない」
「征士出かける計画の事だけど、なるべく早く連絡するからね」
「わかった、よろしく頼む」
僕らはそれから電車に乗って途中まで一緒に行って別れた。
征士と一緒に行く事が決まって、僕はこれからの毎日が楽しくなった。
6月の話を書きそびれたので7月の話にしようと思っていて書いてみたけど、夏の暑さと少しの時間の涼しさを実感できるような感じになればいいと思ったのでその点については書けたかなと思います。
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