庭と花の物語*西原村

小さな村の小さな庭やそこで育った花々を紹介します。季節の移り変わりとともに。

相良のトビカズラ(うどんげの花)  千年の古木

2017年05月13日 | 花木

学名を ムクナ センベルビーレンスと言うそうであるが、昔から「トビカズラ」として親しまれてきた。

熊本県の北部、山鹿市の相良寺という観音を祭る寺の近くに自生していた。

源平の合戦の戦火で、寺が焼き討ちされた時、千手観音がこのカズラに飛び移り無事だったという伝説がある。

トビカズラの名前もこの伝説に由来する。

日本に1本しかなく、仏教でいうところの三千年に一度咲くうどんげの花になぞられていた。

近年は毎年咲くようになったそうであるが。

相良観音から1㎞程離れた所にトビカズラの公園がある。

近年ここに移されたものである。

御覧のようにうっそうとしたカズラの棚である。

薄暗い中にまたまた怪しげな大きな花が下がっている。

相良寺には今回はいかずに帰った。

私が相良時に来た数十年前は、花を見ることはまれで、数年前に咲いたという噂を聞くだけであった。

むろん手入れもされてはいなかったと思う。

うどんげの花の霊力はなくなったかもしれないが、花に出会える喜びは増したことだろう。

千年の古株である。

千年前に、訳在ってここに来たトビカズラ。

種は結ばないそうだから、人の手によって植えられたものである。

消えた物語があったことだろう。

藤の花に似た香りも異国的に感じる。

 



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