つわわわわ

上半身が球体に近づきつつある男の、特になんともないブログ

つぶやき昔話5

2015年05月07日 01時54分44秒 | つぶやき昔話
2015/05/07 0:24 on Twitter


母「ゆうくん、起きなさい」
子「起きてるよ。つぶやき昔話の時間だよね?」
母「まぁ、この子ったら。ダメじゃない、こんな時間まで起きてちゃ」
子「起こすでしょ!!?」

母「さて、今日のつぶやき昔話はこのお話?」
子「いや聞かれても」
母「『シンデレラ』」
子「え、シンデレラ?」
母「そうよ。これからは洋モノもガンガン扱っていくわよ」
子「言葉選んで!!」

母「昔々、あるところにシンデレラという、
  それはそれは掃除ばかりしている娘がいました」
子「特筆すべき点そこ?」
母「なぜシンデレラが掃除ばかりしていたかといえば、
  それはもちろんあの女たちのせいです」
子「知ってる前提で話すのやめよう」

母「いじわるなまま母、その連れ子である二人の姉、そして…」
子「?」
母「お前だ!!!!」
子「怖い話みたいに!!! ごめん、僕は抜きで進めて!?」
母「まま母と姉たちはいつもシンデレラをいじめていました。
  そして、ゆうくんを仲間はずれにしていました」
子「そういうことではなく!」

母「まま母たちはシンデレラに全幅の信頼を置き、
  屋敷の掃除をすべて彼女に任せていました」
子「物は言いようだな!」
母「そしてシンデレラをまるでルンバのように扱っていました」
子「ついにロボット出てきちゃった、昔話に」

母「まま母たちはシンデレラのことを『シンデルンバ』と呼んでいました」
子「なんで?」
母「まま母たちが『シンデルンバ』と呼ぶと、
  シンデレラはいつも悔しそうに『生きてルンバ!!!』と返すのでした」
子「何そのやりとり!! なんか意外と仲良い感じじゃねえか」

母「そんなある時、お城で舞踏会が開かれることになりました。
  まま母はシンデレラに言いました」
ま「留守番」
子「単語!!!」
シ「お母様、お願いです。私も舞踏会に連れていってください!」
母「いや、私に言われても…」
子「ママには言ってないよ! 何しゃしゃり出てきてんの!?」

ま「あんたには着ていくドレスなんてないだろう?
  それともそのみすぼらしい服で行くのかい」
シ「じゃあ、まっぱで行きます!」
子「間違った潔さだ!!! まだその服の方がマシだよ!」
ま「まだその服の方がマシだよ!!」
子「ほら!!!」

シ「えっ、いいんですか!?」
ま「連れてかねーつってんだろ!」
姉「あんたなんか連れて行ったら私たちが恥かくんだから」
姉「そうよそうよ」
子「姉の判別がつかない!!」

姉「そんなに踊りたきゃ、留守番しながらルンバでも踊ってなさいよ」
姉「そうよそうよ」
子「絶対ドヤ顔だよ、腹立つ!!!」
姉「あんたには一人舞踏会がお似合いだわ」
姉「そうよそうよ」
子「あっ、姉の判別つく!!」

ま「私たちが帰ってくるまでに屋敷をピカピカにしておきな、シンデルンバ」
シ「生きてルンバ!!!」
子「出た!!!!」
母「こうしてシンデレラは一人、屋敷に残され留守番をすることになりました」

母「初めのうちは気丈に掃除をしていたシンデレラでしたが、
  そのうちそんな自分がみじめに思え、ついには無様にも泣き出してしまいました」
子「そんな言い方なくない!?」
母「涙は止めどなくこぼれ落ち、せっかく掃除した床をどんどん汚していきます」
子「なんでそういうこと言うの!!!」

母「そのとき、どこからか声が聞こえました」
?「泣くのはおやめ、シンデレラ」
シ「生きてルンバ!!!」
子「普通に呼ばれてたよ今」

母「声のした方を見ると、そこには魔法使いというテロップの出ている人がいました」
子「何そのテレビ的演出」
魔「このテロップも魔法で出しているんですよ」
子「なんのために!!」

魔「シンデレラ、あなたも舞踏会に行きたいのでしょう?
  私がその願いを叶えてあげましょう」
シ「いや、そういうの大丈夫なので、ごめんなさい、出て行っていただいてもいいですか?」
子「全然信用してない…!」

魔「分かりました、それなら私が魔法使いである証拠をお見せします」
母「魔法使いはそう言うと呪文を唱えました」
魔「魔法ホッホホイ!」
子「呪文ダサいな!!!」

母「するとどうでしょう。魔法使いのテロップが瞬く間に消えてしまったではありませんか」
子「心底どうでもいい!!!!」
シ「テロップが…消えた…!」
子「いや、テロップ出てたのもすごいからね!?」

魔「さぁシンデレラ、あなたが舞踏会に行けるよう私がなんとかしてあげましょう」
母「魔法使いはそう言うと呪文を唱えました」
魔「魔ッホーイ!!」
子「さっきよりひどい!!!」

母「するとどうでしょう。シンデレラの服はきらびやかなドレスに、
  カボチャは馬車に、キュウリは馬に変わりました」
子「お盆!!!!」
母「魔法使いはシンデレラにガラスの靴を差し出して言いました」
魔「この靴をお履きなさい。歩きづらいですよ」
子「なぜそんな物を!」

魔「これで舞踏会に行っても恥ずかしくないはずです。
  しかし気をつけて。この魔法は0時には解けてしまいますからね」
シ「えっ、0時ちょうどですか?!」
子「そこそんなに食いつくとこ!?」

シ「もし0時を過ぎたらどうなってしまうのです?」
魔「それはもう見るも無残ですよ。さっきまでのみすぼらしい姿に戻ってしまいます」
子「こいつデリカシーないな!!」

シ「そうですか…ところで魔法使いさん、馬を駆る御者がいらっしゃらないのですが…」
魔「そりゃそうですよ。それはあなたの仕事ですからね」
子「馬車の意味なくない!?」
母「シンデレラは釈然としないままお城へ馬を走らせました」
子「素直な良い子!」

母「シンデレラがお城に到着した時にはもう舞踏会は始まっていましたが、
  彼女が広間に足を踏み入れると、そこにいた人々は彼女の美しさに息を呑み、
  その場は水を打ったように静まり返りましたし、実際打ち水もしていました」
子「バシャバシャうるさいよ! ていうかなんで広間で!?」

母「慣れない好奇の視線に戸惑っていると、誰かがシンデレラに近づいて言いました」
お「麗しき御令嬢、どうか私と踊っていただけませんか?」
母「知らないおっさんでした」
子「知らないおっさんキザだな」

?「その次はぜひ私と」
母「見ればそこに立っていたのはこの国の王子でした」
お「うひゃあ、王子様!! お先にどうぞん!!!」
子「おっさん小物だ!!」

母「時間を忘れ、王子様とのダンスを楽しんでいたシンデレラでしたが、
  ふと手首のアップルウォッチを見ると」
子「アップルウォッチ」
母「まもなく日付が変わるところでした。どれだけまもなくかと言えば、
  めざましジャンケンのカウントダウンと同じくらいの秒数でした」
子「んん、分かりにくっ」

シ「申し訳ありません、王子様。そろそろ帰らないと…アレなもんで…」
子「上手な言い訳ができない!」
王「そうですか、残念です…では最後にもう一度だけ踊っていただけませんか?」
シ「いや、でももうめざましジャンケン始まるくらいの感じなので」
王「???」
子「そりゃそうなるよ!!」

シ「本当にごめんなさい。今日
は楽しかったです、多分人生で一番…うわ、やばい解ける!!!」
王「溶ける!!?」
母「シンデレラは慌てて走り出しました」
子「別れ際めっちゃゴタついてる…
!」

母「王子もそのあとを追いかけます」
王「待ってください、せめてあだ名だけでも!」
子「せめて欲しい情報それ?!」
母「あだ名と言われ、シンデレラの脳裏に『シンデルンバ』という言葉がよぎりました」
シ「生きてルンバ!!!」
王「何て!?!」

シ「んああっ、走りづらっ」
母「魔法使いの言っていた通り、やはりガラスの靴は動きづらい物でした」
子「だからなぜそんな物を…」

母「シンデレラはついにガラスの靴を脱いでそこらへんに放り投げました」
子「放り投げてくことなくない?」
母「手ぶらの方がリラックスした状態で走ることができるからです」
子「アスリート!!!」

母「ガラスの靴という枷を外したシンデレラは彼女本来のパフォーマンスを発揮することができ、
  舞踏会へ行ったという高揚感もあってか、自己ベストを叩き出しました」
子「何の話」

母「屋敷に着く頃にはシンデレラは元の姿に戻っていました。
  そして、お城に置いてきた馬は道端で割り箸の刺さったキュウリに戻っていました」
子「ほんとにお盆みたいになってる!!
  ていうか最初割り箸刺さってなくなかった!!?」

母「シンデレラは急いで掃除に取り掛かりましたが、
  やはり屋敷中をきれいにする時間はなく、
  帰ってきた、まま母と姉たちにこっぴどくチョップされました」
子「変に陰湿だな!」

母「さて一方、シンデレラのことが忘れられない王子でしたが、
  やけにシャイな彼は彼女の顔をちゃんと見ることができておらず、
  手がかりといえば、残されていたガラスの靴、
  『めざましジャンケン』や『溶ける』といった発言、
  『生きてルンバ』というあだ名だけでした」
子「ゴミみたいな情報ばっかだ」

母「ガラスの靴にピッタリと足が合うのが昨晩の女性に違いないと考えた王子は、
  翌朝から靴を携えて出席者の家々を巡ることにしました」
王「このガラスの靴にピッタリと足が合うのが昨晩の女性に違いない。
  翌朝から靴を携えて出席者の家々を巡ることにしよう!」
子「それ今聞いたよ!!!」

母「そしてシンデレラの家にも王子たちがやってきました」
家「この家から舞踏会にいらっしゃったのは三名ですな」
子「家が喋った!!!」
母「家来よ」
子「分かんないよ!!」

ま「はい、私とこの娘二人です。じゃあまずは私からよろしいでしょうか?」
王「いや、娘さんだけで大丈夫ですよ」
子「やけにはっきり物を言う!!!」

母「まずは上の娘が試しましたが足が靴に収まりませんでした」
姉「いやいやいや…あれ? 昨日は結構いい感じでスッといってたんですけどね?
  あれ~? おかしいな、靴が縮んじゃったのかしら? あの、ちょっともう一回いいスか」
子「往生際悪っ」

母「次に下の娘が試しましたがやはり足は入りません」
姉「そ…そうよそうよ…!」
子「それしか喋れないの!?」
家「残念ですが期待に沿う結果にはなりませんでしたな」
姉「沿うよ沿うよ!!」
子「応用を効かせ始めた!!」

母「そのとき、二階の掃除を終えたシンデレラが降りてきました」
王「彼女は?」
ま「召使いのようなものです。昨日の舞踏会には関係ありませんわ」
王「…そうですか」

シ「どうかなさったのですか、お母様」
ま「なんでもないわよ!
  ほら、お客様がいらしてるんだから奥に引っ込んでなさい、シンデルンバ!」
シ「生きてルンバ!!!」
王「!!?!?」

王「失礼ですがお嬢さん、この靴を履いていただけませんか!?」
シ「えっ、王子様?」
ま「いえ、ですからこの子は関係ないと…」
王「少しでいいのです! ほんと先っちょだけでいいですから!!」
子「何か言いだした!!!!」

母「シンデレラがガラスの靴を履くと、それはピッタリと足に収まりました」
王「やはり…! 私は今朝からずっとずっとあなたのことを探していたのです!!」
子「言うほど大した苦労ではない!!」

母「こうして王子様に見初められたシンデレラは幸せに暮らし、
  まま母と姉たちは地獄に落ちましたとさ、めでたしめでたし」
子「急に怖いよ!!!!」
母「ゆうくんも地獄に落ちないように気をつけてね」
子「どう気をつければいいのか分からん…!」
母「おやすみなさい」
子「おやすみなさい…!」

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