ゆめ431 『中州には』 2012年12月19日 21時47分19秒 | だれかのゆめのにっき 家の近くの川が氾濫するのを眺めていた。 狭くなった中州には幼い頃の私たちが立っている。 みんな七五三の服を着てこっちを見ている。 懇願するわけでもなく、絶望するわけでもなく。
ゆめ430 『青い影』 2012年12月19日 21時46分32秒 | だれかのゆめのにっき 路地裏や十字路でうずくまっている青い影を掃除するアルバイト。 これは一体なんの影なのだろう。 私は今まで気付かなかったけれど、他の人は普段から見えているのだろうか。 時給1800円の条件は何も聞かないことと誰にも言わないこと。
ゆめ429 『白い龍』 2012年12月19日 21時45分35秒 | だれかのゆめのにっき 坂を下って学校へ向かう途中、眼下に望む校舎の屋上に白い龍が羽を休めているのを見た。 陽の光が鱗の一枚一枚に反射してとても綺麗だ。 この辺りにもまだ龍がいるのか。
ゆめ428 『夢の中で人を殺す』 2012年12月09日 01時01分02秒 | だれかのゆめのにっき 「夢の中で人を殺すとするじゃない」 「うん」 「で、起きたら殺した人が横で死んでるってこと多いけど、あれってなんなんだろうね?」 「は?」 「いや、だから、よくあるじゃん」 「待って、意味分かんない。その死体はどうしてるの?」 「普通にバラバラにしてトイレに流してるよ。あんたもそうでしょ?」 にこやかに答える友人が心底怖くなってしまって、私は彼女を刺し殺した。 そこで目が覚める。 横には死んだ友人が横たわっている。 またバラバラにして流さなくては。
ゆめ427 『ゴリラ人間』 2012年12月09日 01時00分12秒 | だれかのゆめのにっき ゴリラ人間とゴリラが闘っている。 パワーについて言えばゴリラの方が上だが、ゴリラ人間の武器は高い知能だ。 どちらが勝ってもおかしくない接戦がガラス越しに繰り広げられる。 私はバナナを食べながらそれを見ている。
ゆめ426 『海になる』 2012年12月09日 00時58分27秒 | だれかのゆめのにっき 地上に降りしきった雨はそうしてひとつの海になった。 海辺は噂を聞いてやって来た野次馬でごった返している。 水平線に浮かぶ夕日にイルカがジャンプして、人々の間から歓声が上がった。
ゆめ424 『構わない』 2012年12月05日 01時19分40秒 | だれかのゆめのにっき 私の乗っている電車と平行して、もう一台電車が走っている。 向こうの電車では家族や友人が集まって楽しそうに談笑しているが、 こちらに乗っているのはたくさんのマネキンばかり。 けれど向こうに乗っているのはみんな死んでいる人たちだ。 私はマネキンで構わない。
ゆめ423 『まるでタコ』 2012年12月05日 01時18分55秒 | だれかのゆめのにっき その女はとても美人だが脚が何本もあるので私は好きになれない。 まるでタコかイカのようなので、もしかしたら本当の口は脚の付け根にあるのかもしれない。 だから彼女の上の口から出る言葉は墨のようにどす黒いのかもしれない。
ゆめ422 『非道ク搖レル』 2012年11月24日 03時51分40秒 | だれかのゆめのにっき 眞ツ暗ダ。然モ狹イ。 此處ハ何ダカ甘イ匂ヒガ充滿シテヰテ、 其レハ存外厭ヂヤナイノダケド、非道ク搖レテヰルノデ氣分ガ惡イ。 オ母サン、何處ニヰルノデセウ。 壁ノ向カウカラ水ノ音ガシテヰル。 己ガ今何處ニヰルカモ判ラナイ。 ドンブラコ、ドンブラコ。 搖レテヰル。