危険球退場

●阪神４－６日本ハム○　（阪神１勝２敗）

土曜日の阪神－日ハム交流戦。
この日は甲子園のライスタ観戦だった。
快晴のデーゲーム。いや、もう暑いのは暑いんですが、
じめっとした蒸し暑さがなかったのは幸い。
この連戦を終えると、しばらくデーゲームから遠ざかるだけに、
しばし、日差しの下の野球を堪能する気分だった。
が、しかし、試合開始早々、5分後には冷や汗タラリ。
それは先発福原のわずか１２球目の出来事だった。




あ わ わ……。


福原が投じた球が小谷野の顔面をかすめるデッドボールとなり、
一発レッドカードとなってしまった。
実はこのシーン、リアルで見逃してしまった。
なので、はじめ何が起こったのかがわからずにあたふた。
それから状況が飲み込めて、危険球退場と知って冷や汗。
いそいそベルトを締めながらマウンドに上がる（ように勝手に想像した）江草に、また冷や汗。
案の定、明らかに調整不足のうちに3点目を与えて、またまた冷や汗。
快晴の青空の下、「冷や汗三連発」の10数分間だった。

なんといっても相手はパリーグ、いやNPBのエース・ダルビッシュ。
このとき、甲子園には5月のロッテ戦のあの悪夢が球場を覆いつくしていた。
試合前、ダル相手だと2点取られたらお終いだなと思っていた私は、
もう、この時点で残りのイニングはネタに走る算段をする始末。

「ブログのネタ集めに球場に来てるんじゃねえぞ！」

それはむなしい心の叫びだった。
文筆活動の寸暇を裂いて観戦に訪れた文豪・Ryuhey大先生の目にも同じ思いが去来したのだろう。
その目は動揺を隠せないでいた。
試合終了まで、うだる息苦しさに包まれることを覚悟した。



後からビデオで危険球のシーンをじっくり見たが、あそこに投じて当たってしまっては「一発退場」もやむを得ないわなあ。が、しかし9回にジェフが稲葉投じた一球もコースは似たようなものだったし。稲葉がこともなげにかわしたから事なきを得たが、福原の投じた一球と同じようなコースでヒヤッとさせられた。打者の身のこなしの上手下手、そのときの打者の踏み込みの加減次第で「危険球」になるもならぬも紙一重ということか。

それにしても、これがロッテ戦でなくて良かった。
さもなくば、間違いなくこの一球でグラウンドは一触即発のムードが漂ったことだろう。いや、1回の段階で一触即発ムードとなって、ジェフの時に揉み合いになったであろうことは間違いない。あの見たくもない「報復合戦」がよぎった。ヒルマンがボビーよりもジェントルマンであることを感謝したい。

この試合、唯一、最初で最後のカタルシスは1回裏。ダルの唯一のウィークポイントである「立ち上がり」を攻めて、アニキのバットでスタンドに叩き込んでくれた逆転打。それまで球場を覆っていた暗雲を吹き飛ばしてくれた。
でも、そこまでだった。結局、あと1点が奪えなかった。奪いに行く策を欠いた。その後、徐々に調子を取り戻したエースに、無策で正攻法に挑んでしまった。1点を取りに行くオプションを持ち合わせていない無能ぶりを露呈しては、負けるべくして負けたも同然だ。
ただ、勝敗という点では物足りないものの、アニキのホームランや日本のエース・ダルビッシュ、それに最高のストッパー集団・ＪＦＫのピッチングという、交流戦ならではの至極の一品を堪能できたことは満足できた観戦だった。

とても趣のある御馳走をいただくことが出来ました。
ルーさん、Ryuhey先生、有難うございました。



いやあ、それにしてもこの風景、ドーム球場では絶対に味わえない開放感ですよ！