プリペイドカードで支払った費用

プリペイドカードは一定の代金や料金を前払いすることにより発行され、前払いした代金や料金がゼロになるまで商品やサービス（ガソリン代、運賃、電話料金など）を購入することができます。このプリペイドカードについての経理処理は「カードを購入した時点」と「商品やサービスと引き換えた時点」に行わなければなりません。

（１）カードを購入した時点
前渡金、前払費用、仮払金などの「資産勘定」で処理しなければなりません。なぜならば、いまだ商品やサービスを購入しておらず、いわばプリペイドカードは現金と同じであり資産であるからです。

（２）商品やサービスと引き換えた時点
この時点で初めて費用処理されることになります。

≪具体的な管理方法≫
プリペイドカードは従業員に手渡しておくことが通常です。そこで、従業員ごとに手渡した記録を残しておき、使用済みとなった時点で「報告」を求めるというルールにしておきます。このようにしておけば、１枚のプリペイドカードに対して、カード購入時と使用終了時の２回の経理処理で済みます。

【年度末（決算時）に未使用のプリペイドカードがある場合】
年度末（決算時）に未使用のプリペイドカードがある場合には、資産（前渡金、前払費用、仮払金など）として計上される金額は次のとおりになります。
（Ａ）実際に手もとにあるプリペイドカードの合計金額＋（Ｂ）使用中のプリペイドカードの未使用額合計
（Ａ）は容易に把握できます。数えればいいからです。しかし、（Ｂ）については従業員に報告してもらうしかありません。年度末（決算時）には、未使用であっても使用実績と残額を報告してもらわないといけないということです。

【プリペイドカードの特典】
プリペイドカードの場合には、現金で商品やサービスを購入する場合よりも割引などの特典があることあります。特典がある場合でも、費用として計上するのはあくまでも特典を適用した後の金額です。なぜならば、それが実際の支出だからです。

【従業員が自分で購入したプリペイドカード】
交通費などの小口の経費は従業員に立替払いさせておくことが通常です。従業員は後日会社に立替分を請求してきます。その際、「現金で払った」か「プリペイドカードで払った（特典を適用した）」か、会社としては知ることはできません。つまり、特典があるプリペイドカードで払った場合には従業員は特典相当額を「儲ける」ということになります。会社としては損失です（？）。
このような「せこい従業員」を撲滅するには、会社でプリペイドカードを購入するしかありません。しかし、会社でプリペイドカードを購入すると「管理」が大変です。