【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

振替納税は嫌です!

2022-04-09 11:00:00 | 所得税の確定申告
「振替納税(ふりかえのうぜい)」、あんな便利な税金の納付方法を選択しようとしない人がいます。

◆税務署に預金口座の存在を知らせたくない

振替納税を敬遠する人の理由はこれです。税務署には「法定された」必要最小限の情報以外は知らせたくないという考えは根強く、振替納税が法的に強制されていないのであれば選択しないという判断をします。

◆金融機関に納税額を知られたくない

この理由から振替納税を選択しない人もいます。税務署以上に金融機関への個人情報の提供に慎重な人は多いです。「取引のない金融機関の窓口で納付する」「直接税務署に行って納付する」、そこまで徹底した人もいるほどです。

◆「相互不信社会」と行政手続

相互不信社会といわれるようになって久しいですが、今ではすっかり国民の疑いの対象は行政機関にも及んでいます。昨今、行政においてもDXの必要性が叫ばれ、ネットでの行政手続ができない人(しようとしない人)を「厄介者」扱いしているような風潮さえ感じます。しかし、ひとたび漏洩してしまうと取り返しのつかないデジタルデータの法的な強制はできないと思います。いわばそれは、アレルギー反応を起こす食べ物を無理やり食べさせるのと同じです。人権問題にほかなりません。

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★振替納税にしてくださいよ!(税理士の本音)

申告期限ぎりぎりになって、税額が変更になるようなことをいってくる依頼者がいます。減る場合はいいとして、増える場合は「そんなに払えない!」ということになります。そんなとき、振替納税にしていれば「振替納税は4月下旬ですので・・・」といえるのです。

国税の納付書は国税庁のサイトからダウンロードできません(地方税はほとんどの自治体でできます)。納付書を書き損じたら、わざわざ最寄りの税務署までもらいに行かなければなりません。「今日が納付期限」であれば大変なことです。

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雑費(個人事業者の勘定科目)

2022-03-21 18:30:00 | 所得税の確定申告
コロナの影響から、令和元年・令和2年と2年続いた所得税確定申告の「一律の期限延長」も令和3年分ではありませんでした。ところが、申告期限間際に生じた国税電子申告・納税システム「e-Tax」の接続障害により申告(送信)が困難となる納税者が続出し、その救済措置として4月15日までの申告期限の延長が認められました。これと、もとよりあったコロナの影響による「個別延長」とあわせれば、実質的には昨年までと同じ「一律の期限延長」となってしまいました。

e-Taxにおいて接続障害が生じたのは期限内申告を焦った人たちの送信が集中したからです。特に納税者の代理人である税理士は、期限内に申告ができないことで「税務申告上の特典を失うこと」と「ペナルティを課されること」を回避するため期限内申告は絶対的な使命です。

コロナの影響?

人によって様々だと思います。ただし、「誰もが」コロナの影響により活動を制限され、従来のペースに満たない状態にあるのは確かです。そんな状況で、「コロナの影響がない人は・・・」はあまりにも酷です。やはり、一律の期限延長の「解除」は時期尚早だったと思います。

下記の記事は、もっと早くアップロードをしたかったのですが、期限内申告に追われてできませんでした。これから申告をする方も多いと思いますので参考にしていただければ幸いです。

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◆雑費があまりにも多額になる

雑費というのは雑費以外の既成の勘定科目のいずれにも該当しない必要経費のことです。「このルール」に従って雑費で処理をしていると、雑費の年間合計額が思いのほか多額になることがあります。

雑費というのは文字通り、色々な必要経費が入り混じっていて、他の勘定科目のようにそれに含まれる必要経費に統一された意味がありません。雑費という勘定科目では、その内容を説明できなということです。

◆勘定科目を新設する

雑費で処理した必要経費の金額が大きく、今後毎年発生する場合には勘定科目を新設することです。この際の勘定科目名は、特殊な業界用語は避け、できるだけ一般的な名称を用いなければなりません。

◆既成の勘定科目に当てはめる

雑費で処理した必要経費がなんとか既成の勘定科目に当てはまる場合にはその勘定科目を用います。その必要経費が比較的少額で、単発的に発生した場合にはこの方法によるべきです。

◆確定申告書にコメントを付す

確定申告書の添付書類で、必要経費を含む損益計算書を記載する青色申告決算書と収支内訳書には「本年中における特殊事情」というコメントを記載する欄があります。雑費で処理した必要経費が多額で、その年だけ突発的に発生したものである場合にはこの欄にコメントを記載すればいいです。

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★第三者への「説明」と自身の計数による「管理」

各必要経費をどの勘定科目に当てはめるかに悩むことがあります。その際は第三者への説明を意識して処理をすることです。また、勘定科目ごとに集計された必要経費は自身の事業の管理にも役立ちますので、それも意識して処理することです。

これを心がけていたら、勘定科目に関して混乱することはないと思います。

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消耗品費(個人事業者の勘定科目)

2022-02-11 22:01:00 | 所得税の確定申告
消耗品費という勘定科目ほど、事業者によって内容と金額が大きく異なるものはありません。通信費や水道光熱費などは、税務署も事業内容や規模からしておおよその発生額は予測できます。しかし、消耗品費についてはほとんど想像がつきません。それゆえに、消耗品費は税務調査においても重点的に調べられるのです。経験則からして、消耗品費には必要経費に該当しない出費(私生活の費用など)が含まれている傾向にあります。また、減価償却資産が紛れていることもよくあります。

◆消耗品とは

消耗品とは文字通り消耗する物です。使えば無くなる文房具や包装紙がその典型です。消耗品費とはこれら消耗品の購入費用です。消耗品の種類は無数にあります。また、事業によって消耗品の内容は大きく異なります。例を挙げることができないくらい多種多様です。

◆減価償却資産に該当しない物

消耗品に対比される物として減価償却資産があります。消耗品が消耗品費として購入した時点で購入代金全額が必要経費として処理されるのに対して、減価償却資産は購入代金を複数の年度に減価償却費として配分します。

物は同じであっても、金額によって消耗品費(10万円未満)と減価償却資産(10万円以上)に分かれる場合があります。パソコンはその典型です。パソコンは10万円未満でも数年は使えますが、10万円未満であれば消耗品費になるのです。

◆未使用の消耗品(資産として翌年に繰越す)

消耗品は消費するまで消耗品費として必要経費にすることができません。年度末に消費していない消耗品は、消耗品費勘定から除外して資産である消耗品として翌年度に繰り越します。翌年度に消費した時点で消耗品費として必要経費にするのです。

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★少額な部品(仕入か?消耗品費か?)

製品や商品に取り付ける少額な部品の扱いについて質問を受けることがあります。仕入か?消耗品費か?についてです。製品や商品に取り付けて販売するのですから仕入と考えることは自然です。しかし、少額で顧客は販売代金には含まれていないと考えているのであれば消耗品費です。

結局、どちらでもいいということです。「管理がしやすい」「説明がしやすい」方法を選択すればよいのです。ただし、いずれの方法でも年度末に消費していない部分は必要経費から除かなければなりません。

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通信費(個人事業者の勘定科目)

2022-02-11 22:00:00 | 所得税の確定申告
ネットが普及する前の1990年代までは、通信費といえば電話料金と郵便料金専用の勘定科目として用いられていました。2000年代になってネットによるデータ通信が音声や文書に代わって通信の主要手段になり、これに関する多種多様なサービスが提供されるようになってからは通信費で処理される項目も増えています。

〇インターネット回線利用料
〇プロバーダー料金
〇携帯電話回線利用料

今やビジネスに必須です。これらがなければビジネスが成り立たず、これらに関する料金が事業者の通信費の大部分を占めるようになっています。

◆通信関連費用(通信費に含めるべきか?)

データ通信には様々な関連サービスが存在します。データ通信の利便性を高める、用途を拡大するためのサービスです。レンタルサーバーや各種のクラウドソフトなどです。

これらを通信費に含めるかについては悩みますが、データを通信するための費用のみが通信費であると考えるのであれば含まれないことになります。また、これらを通信費に含めると通信費があまりにも高額になる、大きく変動するといった現象が起こってしまいます。それを考えれば、通信費に進めるのは純粋なデータ通信に関する部分に限定すべきです。

◆通信機器

通信機器(電話機やファックスなど)に関する費用を通信費に含めないのは、電話や郵便が通信の手段であった時代からです。データ通信に関する通信機器は、パソコンとその周辺機器、携帯電話がその代表的なものです。

通信機器は購入金額によって、減価償却資産(購入代金を複数の年度に必要経費として配分する)と消耗品費(購入代金を購入年度に一括して必要経費とする)のふたつに分かれます。

通信機器をレンタルあるいはリース契約で利用している場合には、賃料あるいはリース料を支払った都度必要経費として処理します。

◆通信費の一般的な推移

〇固定的に発生する
〇事業規模の拡大とともに増える
〇通信に関する新サービスの出現によって変動する

一般的に、通信費はこのような傾向で推移します。通信費は事業内容と規模からしておおよその発生額が推測できるのです。自身の通信費の推移がこの傾向と異なる場合には、特定の項目については別の勘定科目を使用する、あるいは推移の原因を説明できるようにしておくことが必要です。

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★郵便(郵送)と運送の違い
郵便(郵送)料金は「通信費」、運送料金は「荷造運賃」で処理することが一般的です。郵便(郵送)は「文書を送る」、運送は「物を送る」という違いがあります。しかし、郵便(郵送)で物(書籍など)を送ることもあります。これも通信費で処理すると、通信費の中に運送料金が混入することになります。

★DMの発送費用
DMを郵便で送った場合、その送料は「通信費」で処理することが一般的です。一方、DMの印刷代や発送代行料は「広告宣伝費」です。DMを大量に発送している場合には、通信費の金額はDMの発送状況によって大きく変動します。

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租税公課(個人事業者の勘定科目)

2022-02-05 13:01:00 | 所得税の確定申告
この勘定科目に該当する必要経費は非常に限定されていますので、該当する必要経費が何であるかを正確に理解したうえで処理してください。事業所得者の個別事情に照らしてこの勘定科目の金額が異常な場合、税務調査の際に調査項目とされます。

一般的に租税公課は「租税」と「公課」に分かれると解釈されています。

まずは「公課」から説明します。「公課」はいわゆる行政手数料であるとされています。許認可が必要な業種であれば登録や更新の際に必要となる手数料のことです。公課に各種団体の会費その他を含めるという考えもありますが、これらは含めないほうが無難です。税務署は各事業者に固有の公課について詳しく知ることはできませんので、高額な公課を租税公課に含めてしまうと税務署には異常に思われてしまいます。

「租税」とは税のことで、税であることからそれは法律で定められた税目に限定されます。公課と違って限定されていますので処理は簡単なように思えるかもしれません。しかし、税に関して難しいのは、事業者が納めた税の中には必要経費にならないものがあるということです。「税であればなんでも必要経費」という考えは危険だということです。

以下においては、「税に限定」して説明をいたします。

◆事業者が納める自身の所得税と住民税

ネットで検索して愕然とされた方も多いと思いますが、これらは必要経費にはなりません。税ですが必要経費にはならないのです。

◆事業者が納める源泉所得税と住民税の特別徴収

これも必要経費にはなりません。従業員から「預かった税」だからです。これらを納めても事業主には一切負担が生じていないのです。

◆事業者が「支払う」消費税

これも大変難しいです。あらゆる必要経費の領収書には「消費税額」が記載されていますが、この処理を巡って大いに悩む人が後を絶ちません。

事業者が仕入代金や諸経費の支払いに際して支払う消費税は租税公課にはなりません。いわゆる税込処理をしている場合には「各必要経費」に含めます。税抜処理の場合は「仮払消費税」で処理します。なお、免税事業者は税込処理しかできません。

◆課税事業者が「納める」消費税

課税事業者が税務署に納める消費税は税込処理と税抜処理で扱いが異なります。税込処理の場合は租税公課になります。税抜処理の場合は、仮受消費税(売上に関する消費税)と仮払消費税(仕入代金や諸経費の消費税)を相殺した差額を未払消費税に振替えますので租税公課という勘定科目は用いません。

これも難しいですが、自身が課税事業者で税込処理をしている場合にのみ租税公課になると覚えておいてください。

◆印紙税・固定資産税・自動車税など

説明は省略させていただきます。ただし、自宅兼事業所の固定資産税、事業と私生活で兼用している車両の自動車税に関しては一定割合しか必要経費にならないことにご留意ください。

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★租税公課はゼロ!

以上からすれば、このような個人事業者も相当数いると思います。

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