【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

売掛帳(売上帳、得意先元帳などとも呼ばれる)

2018-09-18 12:30:00 | 経理業務(帳簿の作成)
売上に関する帳簿は、「売掛帳」「売上帳」「得意先元帳」などと呼ばれ、この帳簿で「売上という収益」の集計と「売掛金という資産」の算出(増加-減少=残高の計算)を行います。売上を集計するため、「何時」「誰に」「何を」「いくらで」売ったかを記録しなければなりません。売掛金を算出するため、代金を「何時」「誰から」「いくら」回収したかを記録しなければなりません。

売掛帳は得意先の数だけ作成します。記録と計算は「誰に」という単位でするからです。「どの得意先に」「どれだけ販売したのか(請求したのか)」「入金されたのか」「入金されていない金額はいくらあるのか」がこの帳簿に記録されなければなりません。

いわゆる「販売管理ソフト」では、売掛帳は必ず作成できるようになっている帳簿です。売掛帳は請求業務(請求書発行)と直結した帳簿です。売掛帳がなければ、どこにどれだけ請求してよいのかわかりません。販売管理ソフトでは売掛帳の作成は欠かすことのできない重要な機能なのです。

★売掛金一覧表(複数の得意先を一覧にして概観する)

売掛帳は個々の得意先ごとに、どの商品を販売したかまで記録されますが、複数の得意先についての概略を同時に把握するのには不向きです。そこで、各得意先の「売上」「入金」「売掛金残高」を一覧にした「売掛金一覧表」などと呼ばれる表を作成します(通常は月単位で作成します)。この表も売掛帳同様、販売管理ソフトで必ず作成できるようになっています。

★売掛帳と総勘定元帳(試算表と決算書)の関係

売掛帳は個々の得意先単位で作成します。一方、総勘定元帳では、販売は「売上高」と「売掛金」、販売代金の回収については「売掛金」という勘定科目単位で集計、算出されます。

総勘定元帳は仕訳を勘定科目単位で集約したものですが、この仕訳にデータを提供するのは個々の販売や代金回収の記録をした売掛帳に他なりません。売掛帳は仕訳を通して総勘定元帳と試算表、最終的には決算書に反映されます。このように試算表は売掛帳のデータに基づいて作成されることから、全ての売掛帳の売上を合計した金額、売掛金残高を合計した金額は試算表の金額に一致します。

★販売管理ソフトから財務会計ソフトや在庫管理ソフトへのデータの提供

販売管理ソフトでは売掛帳が、財務会計ソフトでは総勘定元帳が作成されますが、販売管理ソフトの販売と代金回収に関するデータは財務会計ソフトにそのまま転用できることから、同一ソフトメーカーの販売管理ソフトのデータは財務会計ソフトに提供できるという構造になっていることがほとんどです。

さらに、売掛帳の「何を売った」ということに関しては在庫(商品の動き)とも関連してきます。販売管理ソフトは仕入在庫管理ソフトとも連携して在庫に関する情報(品名や品番、払出し)を共有していることが通常です。

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借入金を一括して返済すべきか? (借入金のメリットとデメリット)

2018-09-11 12:30:00 | 決算書・試算表
「借入金を一括して返済すべきか?」
「借入金があることのメリットとデメリットは?」

借入金を返済するための資金があり、その資金がなくなっても資金繰りに困ることがないのであれば借入金を一括して返済しても問題はありません。借入金が1億円、預貯金が2億円という状態で借入金を一括返済すれば預貯金は1億円に減ります。しかし、この1億円で以後の経営が成り立つのであれば返済しても何の問題もありません。かといって、「返済しなければならない」というわけでもありません。

★借入金のメリットとデメリット

借入金のメリットは、手持ちの資金がなくても経営ができるということです。借入金のデメリットは返済しなければならないということです。手持ちの資金がないけれども、目の前に利益を獲得できるチャンスがあり、借入金を返済するめどが立っているのであれば、借入金をしてもかまいません。

★借入金と税金の関係について

借入金は負債ですので、借入金そのものの増減と残高は利益に影響しません。利益に影響するのは利息です。利息を支払えばそれは費用となりますので、利益が減り結果としての法人税が減ります。しかし、利息を支払うことにより「減る法人税」よりも、「支払う利息の額」のほうが多いですので、借入金がゼロで利息を支払わないほうが流出する資金は少なくて済みます。

なお、利息は消費税とは関係ありませんので、利息を支払ったからといっても会社として納税する消費税に影響はしません。(借入金そのものも消費税とは無関係です。)

★借入金と財務内容(返済能力)

「あまりにも借入金が多いと・・・」ということがいわれます。返済が苦しくなると追加融資や返済条件の見直しが行われ、形式上は返済ができている状態が保たれているかもしれません。しかし、それにも限度があり、いずれ資金が回らなくなれば会社は破綻します。

必ず返済できる借入金の金額というのはありませんが、借入金が多いほど返済できなくなるリスクは高まります。

★金融機関との関係

金融機関にすれば優良貸出先との関係は継続したいのは当然です。また、新規の貸出先よりも継続しての貸出先のほうが審査手続も簡略であることが通常です。そんなことから、資金の必要がなくても一定額を借り続けているということもあります。

★近い将来に廃業する場合

近い将来に廃業する場合には、廃業の直前に一括返済するのではなく、廃業の2・3年前に一括して返済してもかまいません。廃業時の事務手続は少なくて済むからです。

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役員報酬(社長の給与)の手取り

2018-09-05 12:30:00 | 経理業務(帳簿の作成)
役員報酬(社長の給与)も従業員の給料と同じように「総額」と「手取り」があります。役員報酬を会社から支払うにあたっては、この手取り金額どおりでなければ「過不足」が生じてしまいます。この過不足は「会社と社長との貸借関係」として精算が必要となり、この精算を怠ると決算数値を「汚してしまう」ことがあります。「社長貸付金」「社長借入金」、経理がずさんな会社の決算書によく表れる勘定科目です。

月額の役員報酬から徴収するのは下記の項目です。

所得税
住民税
健康保険料
介護保険料(40歳以上の場合)
厚生年金保険料

従業員との違いは雇用保険料が無いということだけです。役員報酬についても給与台帳と給与明細が必要であることはいうまでもありません。

★預かった(徴収した)税金や保険料を支払うときの処理

役員報酬を支払うときはともかくとして、預かった税金や保険料を支払うときの処理に戸惑うことがあります。

役員報酬を支払った際に預かった税金や保険料に相当する金額は会社にプールされています。しかし、預かるといっても役員報酬からの天引きですので「預かったという実感」がありません。また、預かったお金を区分けしている、つまり通常の現金(硬貨や紙幣)と区別している、それ専用の預金口座に保管していることもありません。

そこで、税金や保険料を支払うときに再び預かってしまう、社長が会社に資金を提供してしまうことがあります。当然、このようなことは必要ありません。これをしてしまうと社長借入金が生じてしまいます。(実際に資金が不足している場合にはこのようにしなければなりません。)

★出金があるのは給与総額という認識が必要(保険料については会社負担額も考慮)

役員報酬に関わらず従業員給与においても、出金はあくまでも給与総額であるという認識が必要です。手取りと税金や保険料を支払う日が異なるだけで、合計すれば給与総額の出費があるのです。さらに、保険料については預かった額とほぼ同額の会社負担があることを考慮しておく必要があります。

★保険料が引き落とされる預金口座の管理(適宜補充すればよい)

保険料が引き落とされる預金口座の資金補充は、適宜必要な額を補充すればよいです。徴収した保険料相当額を入金した「記録を通帳に残す」べく、徴収した保険料相当額を入金していることがありますが、その必要はありません。

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損益計算書の不思議?

2018-08-29 17:00:00 | 決算書・試算表
★総額と純額

損益計算書においては収益と費用は「総額」で表示することがルールとなっています。どういうことかというと、収益と費用を相殺した結果としての「利益だけ」を表示するのではなく、収益と費用を対比させて、その差引きとして利益を計算するということです。売上高と売上原価を対比させて売上総利益を計算する。そこから販売費及び一般管理費を差し引いて営業利益を計算するといった具合です。

ところが損益計算書では、この総額での表示というルールに基づいていない部分もあります。収益と費用を相殺して、「収益>費用」であれば「・・・益」などの勘定科目で、「収益<費用」であれば「・・・損」などの勘定科目で表示していることがあります。このような方法を総額に対して「純額」といいます。

★純額による表示の例

○有価証券の売却
譲渡収入から簿価(取得価額)を差し引いた額を有価証券売却益あるいは有価証券売却損として表示します。譲渡収入を有価証券売却収益などの収益としての勘定科目、簿価を有価証券売却原価などの費用としての勘定科目として総額で計上することはありません。

○有形固定資産の売却
譲渡収入から簿価(取得価額-減価償却累計額)を差し引いた額を、売却したのが建物であれば建物売却益あるいは建物売却損として表示します。譲渡収入を建物売却収益などの収益としての勘定科目、簿価を建物売却原価などの費用としての勘定科目として総額で計上することはありません。

★純額で表示されていることが数多くある

収益と費用は総額で表示することが原則ですが、それは損益計算書の大部分を占める「売上」「売上原価」「販売費及び一般管理費」においての原則であり、それ以下の営業外収益と営業外費用、特別利益と特別損失の計算においては収益と費用が純額で表示されているケースが数多くあります。

「株を売った収入は?」「不動産(土地と建物)を売った収入は?」、このような疑問を抱く損益計算書の読者が非常に多いです。

★特別利益の中に収益が?

特別利益は経常利益の次に表示されますが、これに属する多くの勘定科目が純額で計算されています。土地や建物の売却益がその典型です。その意味で、特別利益の各項目は「収益-費用=利益」ですので特別利益という名称に納得できます。

ところが特別利益の中には収益と呼べる項目が計上されることもあります。補助金、保険金、損害賠償金の受取りがそれです(これらが比較的少額で経常的に生じる場合には営業外収益に計上することもある)。

★特別損失の中に費用が?

特別利益の次に特別損失が表示されますが、これも純額で計算されている勘定科目が多いです。しかし、特別退職金(リストラにより多額に生じる退職金)や損害賠償金の支払いなど、費用と呼べる勘定科目もあります。

★雑収入なのに収益(慣れるしかありません)

営業外収益の中に雑収入という勘定科目があります。これは、本業以外の収益で、既存の勘定科目(受取利息、受取配当金など)もなく、新たな勘定科目を新設するほど重要性がないものをいいます。「収入」という名称ですが収益です。収益ですので入金がない部分も計上しなければなりません。

勘定科目の名称については、理論や原則では理解できないものがいくつもあります。これらについては「言葉」ですので慣れるしかないのです。理屈で考えてもどうにもなりません。

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利益と資金繰りは別々に計算する

2018-08-27 17:00:00 | 決算書・試算表
利益は「収益-費用」として計算しますが、収益と費用は入出金とはタイミングがずれることから利益の計算を資金繰りに用いることはできません。また、利益計算と資金繰りでは構成要素が異なります。その典型は減価償却と借入金です。減価償却は利益計算には含まれますが、資金繰りからは除かれます。借入金は資金繰りには含まれますが利益計算からは除かれます。利益の計算をしてもそれを資金繰りには利用できませんので、資金繰りは利益とは別に計算しなければなりません。

資金繰りの計算方法は、その結果を何に活用するかによって異なってきます。

■翌月の資金繰り(支払いはできるのか?)

これが一般的、というよりも一番切実な資金繰りだと思います。「翌月の支払いはできるのか?」「蓄えを取り崩す必要があるのか?」「借入れをする必要は?」「支払いを待ってもらわなければ・・・」といった具合です。

■中期的な資金繰り

翌事業年度など、比較的中期の資金繰りです。「毎月平均してどの程度の入金と出金があるか?」「月ごとで入出金にばらつきはないか?」「臨時の入出金は?」といった具合の見通しを立てます。

■先の状況が変化する場合の資金繰り

「事業を拡大する」「多額の設備投資をする」「人員を大幅に増やす」「取扱商品や取引先が激変する」「売上が激減する」など、先の状況が変化する場合には資金繰りの見通しを立てておかなければなりません。

■過去の資金繰りを分析する

過去の資金繰りを分析することも大切です。

「販売による収入-仕入代金の支払い-諸経費の支払い-借入金の返済」

当然、これがプラスでなければなりません。これがマイナスで「蓄えの取り崩し」や「借入」で補っているようでは、いずれは資金が枯渇します。

★試算表と決算書は資金繰りの参考になる

試算表と決算書は過去の利益を計算したものですが、資金繰りを計算するにあたっての参考になります。売上総利益率(売上と仕入の関係)、諸経費の内訳(販売費及び一般管理費)は資金繰りを見通すにあたって大変参考になります。試算表も決算書も「網羅性」がありますので、資金繰りにおいて何よりも大切な「漏れの無い」見通しをするのに大変重宝します。

納税見込み額は資金繰りにおいても大変重要な計算要素です。納税見込み額を算出するには過去の試算表と決算書から将来の利益を見通さなければなりません。

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