【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

事業用の自動車やパソコンをローンで購入した場合の仕訳

2016-08-26 12:30:00 | 勘定科目と仕訳
自動車やパソコンなどをローンで購入する場合、つまり、購入時点で代金の全額を支払わない場合には、順を追って仕訳をしていかなければなりません。なお、ここでのローンとは販売店と金融機関が提携して購入のための必要資金を融通するいわゆる「提携ローン」と呼ばれるもののことです。

◆購入した

≪借方≫車両運搬具あるいは工具器具備品≪貸方≫長期あるいは短期借入金

という仕訳になります。この仕訳は入出金(預金、紙幣・硬貨の動き)とは関係ありません。この仕訳の日付を何時にするかですが、納車や納品のあった日にします。ローンの契約日がこれに前後する場合があるかもしれませんが、そんなに納車や納品のあった日とずれることはないでしょうから問題はありません。購入代金の一部を購入時点に支払う、いわゆる「頭金」がある場合には、貸方が「現金あるいは預金」と「長期あるいは短期借入金」に分かれます。

◆ローンを返済した

≪借方≫長期あるいは短期借入金+支払利息≪貸方≫現金あるいは預金

ローンは何度かに分割して返済しますので、この仕訳を分割回数だけすることになります。なお、このローンの返済が減価償却などの費用勘定になると誤解している人が少なからずいますが、ローンの返済は借入金という負債の消滅と、資金調達の対価である利息という費用の発生ですので、返済の処理は車両運搬具あるいは工具器具備品の「購入代金の費用処理=減価償却」とは違います。

◆年度末の減価償却

≪借方≫減価償却費≪貸方≫車両運搬具あるいは工具器具備品

この仕訳はローンでも全額現金払いでも同じです。減価償却は「購入代金」を費用処理するための手続で、購入代金はローンでも現金払いでも同じであるからです。

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★返済予定表(様式は一様ではない)
ローンを組むと返済予定表が金融機関から送られてきます。文字通り返済の予定で、分割返済をどのようなスケジュールで行い、返済終了が何時になるかを明らかにした表です。この返済予定表ですが、様式は様々です。返済額が「元金+利息」となっているものもあれば、「元金と利息の区分はされていない」ものもあります。前者の場合には返済時の仕訳は返済予定表のとおりに行えばいいのですが、後者の場合には自身で元金と利息に区分しなければなりません。