【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

相続でアパート経営を引き継いだ(アパート経営なんて嫌だ!)

2017-11-20 20:40:00 | 相続・贈与、資産運用、節税
故人が、自身の死後に残される家族のことを考えずにアパート経営をしていたということがあります。そのような場合、「アパート経営なんて嫌だ!」という遺族もいます。アパート経営という事業、不動産投資という行為が性に合わないのです。これは仕方ないことです。

アパート経営も事業ですので、アパート(土地と建物)という財産を引き継ぐだけでなく、事業者としての責任も引き継がなければなりません。事業者としての責任は数多くありますが、まずは管理業務を途絶えることなく行わなければなりません。管理業務とは、物件のメンテナンスを中心とした、入居者に快適な住環境を提供するための様々なサービスです。これが大変です。今時の入居者の要求は非常に厳しく、その要求に応えなければ、たちまち入居者は出ていってしまいます。

◆アパート経営を継続する

アパート経営が一定の収益を生み、それが生活の糧となっている場合には、アパート経営を継続すべきです。管理業務は管理会社に任せれば何とかなります。税務や資金繰りは会計事務所(税理士)のサポートとアドバイスを受けることができます。

アパート経営は、ほかの事業に比べて拘束時間は圧倒的に少ないです。今後も一定の収益が得られることが見込めるならば、アパート経営に前向きに取り組むべきです。

◆再構築あるいは撤退

アパート経営の再構築をすれば収益が見込めるケースもあります。物件の集約や買換え、物件の模様替えなどにより、収入やコストが大幅に変わる場合もあります。そうなれば、アパート経営を継続することも可能です。

アパート経営を続けると財産が目減りする(借金だけが増える)場合は、アパート経営から撤退しなければなりません。「空室」、「賃料の低下」、「大規模修繕」、「過大な借入金」に耐えられない場合です。
再構築や撤退には、「物件の売却」、「借入金の返済」、「買換え」、「大規模修繕」という局面で大金が動きますので、信頼できる業者や専門家のアドバイスが必要不可欠となります。

★故人が騙されていた?
故人がお人好しで、周囲にすすめられるままアパート経営をしていたというケースが少なからずあります。このような場合には、故人の周囲を取り巻いていた「不誠実な人たち」とは「絶縁」しなければなりません。その後に、収益が見込めるのであればアパート経営を継続すべきです。

【PR】記事の内容と直接的な関連はありません。

最新版「築20年超え」のアパート・マンションを満室にする秘訣
クリエーター情報なし
ごま書房新社

この記事をはてなブックマークに追加

アパート経営の収支を把握する(生活の糧を得る)

2017-11-06 11:31:00 | 相続・贈与、資産運用、節税
【ご注意】以下の説明は個人でのアパート経営を前提としております。

アパート経営をしている人であれば、アパート経営の収支についての理解はしています。しかし、実際に収支を「把握」している人は、どちらかといえば少ないように思います。というのは、アパート経営をしている人の多くは給与収入や年金収入があり、アパート経営は副収入であることが多いからです。また、アパート経営を相続により引き継ぎ、非自発的にアパート経営をしている人の中には収支の計算方法さえ不確かな人もいます。

◆専用預金口座の開設

収支を把握する第一歩は、アパート経営専用の預金口座を開設することです。この預金口座に家賃の入金をするのは当然として、固定資産税の納付、火災保険料や修繕費の支払い、ローンの返済をします。

◆アパート経営と無関係な入出金を混入させない

専用預金口座には余計な入出金を混入させてはいけません。しかし、中には専用預金口座で入出金させるべきか悩むものがあります。

例えば、各種の税金です。固定資産税は、賃貸アパートと自宅が同じ市町村にある場合には一括して計算通知されます。課税根拠の内訳はわかるとしても、その区分けは大変です。所得税や住民税もアパート経営(不動産所得)以外の分が含まれていると区分けが必要になります。このような出費は、アパート経営に関する部分のみ専用預金口座から出金します。

◆生活費の引出し

専用預金口座から生活費を引き出し、私生活上の出費はその引き出した中から行います。専用預金口座から「直接」私生活上の出費を支払ってはいけません。例えば、私生活上の公共料金や保険料を専用預金口座から口座振替してはいけないということです。

◆資金が不足する場合

専用預金口座の資金が不足する場合には、私生活の資金から補充しなければなりません。大規模な修繕などはこのようにしなければならないことがあります。この場合、私生活の資金から直接支払うのではなく、いったん専用預金口座に入金して、専用預金口座から支払います。

◆アパート経営に関連する書類の保管

アパート経営に関する書類も私生活の書類とは分けて保管しておく必要があります。賃貸物件の購入に関する契約書や領収書は当然として、賃貸借契約書、ローンの返済予定表、諸経費の領収書など、紛失しないようにしなければなりません。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

このような作業は、個人事業者ならば誰でもしています。そうしておかなければ、収支は把握できないし、確定申告もできません。そして何よりも、経営状況を把握し、今後の方針を決めることができません。

誰でもアパート経営で儲けられる時代は終わりました。これからは、一般の事業と同じ意識でアパート経営に取り組まなければならないのです。「殿様商売」では入居者は集まりません。入居者は「お客様」なのです。今どきのお客様の要求は大変厳しいのです。

入門図解 最新 アパート・マンション・民泊経営をめぐる法律と税務 (すぐに役立つ)
クリエーター情報なし
三修社

この記事をはてなブックマークに追加

アパート経営における修繕費用(想定外の支出と税務問題)

2017-10-11 12:30:00 | 相続・贈与、資産運用、節税
数年前までは、アパート経営(個人)に関しての相談の中心は、不動産所得の赤字と他の所得との損益通算、交際費が必要経費になるかといった「楽しい!節税対策」がほとんどでしたが、最近は「経営」に深くかかわる税務問題が中心となってきました。

その典型が修繕費用です。「資産計上か?」、「支出時の必要経費になるか?」といった単純な相談ではなく、「修繕の必要性」、「修繕の方法と選択」、「修繕費用の調達方法」、「修繕に関する税務処理が資金繰りに与える影響」までと、一般事業会社や個人事業者と同じような経営と税に関する相談をしてくる人が増えてきました。アパート経営では一度に多額の資金が動くことがあります。それは、相談者にとっては人生を左右するような出来事であることから真剣そのもので、相談に対する回答は慎重にしなければなりません。

管理会社についての相談も多いです。管理手数料の水準、管理業務の範囲、入居者の募集方法になどついて、「管理会社との対立」が目立ちます。

賃貸物件の取得時に組んだローンの借換えについての相談も多いです。この問題は「違約金(繰上返済手数料)」の税務処理があります。しかし、それ以上に金融機関との交渉が大変です。確定申告書は当然として、家賃収入の内訳(物件別、賃借人別など)など、詳細で正確な数値が必要となります。

ローンの返済がアパート経営の資金繰りを圧迫することは多いです。上記の借換えで資金繰りに改善が見込まないのであれば、親族から資金を借りて繰上げ返済をしなければならない場合もあります。そうなれば贈与税の問題が生じます。

最終的には、売却による「集約」、「買換え」、「撤退」という選択肢があります。いうまでもなく譲渡所得の問題が生じます。

最近、賃貸アパートの供給過剰がいわれるようになってきましたが、物件が古くても、物件の所在が不便な所でも、「満室」というケースも多数あります。小売店や飲食店で優勝劣敗が鮮明になってきているように、アパート経営においても同様の現象が今後より一層進むことが確実です。大切なのはアパート経営の「戦略」です。入居者となる人のターゲットを絞り、物件の量と質を定め、入居者が納得する家賃の水準で満室にして利益を出さなければなりません。

会計事務所には、アパート経営の戦略を、資金繰りと税務面からサポートすることが強く求められています。税務知識を切売りする、単なる「節税対策屋」の時代は終わりました。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

★あらかじめ修繕のための資金を確保しておく

修繕のための資金は次のように計算した「収支」の中で確保しておく必要があります。

≪収入≫
家賃収入

≪支出≫
必要経費(減価償却と金利を除く)
ローンの返済(元金+利息)
税金(必要経費になる事業税や固定資産税を除く)
修繕のための資金の積立て

修繕のための資金の「積立て」は、そのための預金口座を開設する必要はありませんが、「この分は修繕のために残しておかなければならない」という金額を計算し、その部分はほかのことに使わないようにしなければなりません。

★解約時の修繕

屋根や壁などの大規模修繕は、時期や金額についてある程度の予測は立ちます。蛍光灯、エアコンの部品取替えなどは少額です。予測不能なのは解約時の修繕です。特に解約が重なった場合です。次の入居者を早期に確保するためには直ちに修繕をしなければなりません。その際、管理会社や建築会社に任せきるにするのではなく、修繕の内容が必要十分であるかを自ら確認する必要があります。

【PR】記事の内容と直接的な関連はありません。

最新「金持ち大家さん」になる! アパート・マンション満室経営術
クリエーター情報なし
日本実業出版社

この記事をはてなブックマークに追加

個人年金を受け取る人が増えています

2017-03-20 18:00:00 | 相続・贈与、資産運用、節税
ホーム>税について調べる>タックスアンサー>所得税>年金を受け取ったとき

個人年金を受け取る人が増えています。公的年金に対する不安感が芽生え始めた平成の初めごろから個人年金保険に加入する人が増え、その人たちが個人年金を受け取るような年齢になりました。

個人年金の保険料は、公的年金のように支払った(サラリーマンの場合は給与から天引きされ)全額が所得控除の対象とはなりません。所定の計算方法に従い、「上限で5万円」の所得控除がされます。

個人年金を受け取るようになった場合の課税は次のようになります。課税される場合には自ら確定申告をしなければなりません。

所得の種類は「雑所得」で、課税される金額は、その年に受け取った個人年金の額から、その金額に対応する払込保険料の額を差し引いた金額です。この計算は契約している保険会社が連絡してくれます。また、年金が支払われる際は、(年金の額-その年金の額に対応する保険料の額) ×10.21%の所得税と復興特別所得税が源泉徴収されます。ただし、(年金の額-その年金の額に対応する保険料の額)が25万円未満の場合には源泉徴収されません。

◆遺族が受け取る個人年金

上記は、年金の保険料を自ら支払い、保険料の全額を支払った後に個人年金を受け取るようになった場合の課税関係です。

個人年金の多くは、保険料を負担した当初の年金受取人が死亡した場合には、その遺族が引き続き年金を受け取れるようになっています。この場合の課税関係は下記の国税庁サイトのとおりです。

ホーム>税について調べる>タックスアンサー>所得税>年金を受け取ったとき>No.1615 遺族の方が支払を受ける個人年金

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

わずか5万円の所得控除で長年保険料を支払い続け、やっと年金を受け取れるようになったのに、課税されることを嘆く人が多いです。多くの人は、「年金の保険料=貯金」、「年金の受取り=貯金の取り崩し」と考えています。でも、課税されるのです。

【PR】記事の内容と直接的な関連はありません。

定年男子 定年女子 45歳から始める「金持ち老後」入門!
クリエーター情報なし
日経BP社

この記事をはてなブックマークに追加

家主が入居者にマイナンバーを提供しなければならない場合がある

2017-01-05 23:30:00 | 相続・贈与、資産運用、節税
===国税庁作成パンフレット===

不動産の売主・貸主のみなさまへ 取引先へマイナンバーの提供をお願いします

個人である家主は所得税の確定申告をする際に申告書にマイナンバーを記載しなければなりませんが、そのほか、賃貸先にマイナンバーを知らせなければならないケースがあります。

賃貸先は、収集したマイナンバーを「不動産の使用料等の支払調書(法定調書)」に記載し、税務署に提出しなければなりません。

◆賃貸先が法人または個人の不動産業者である
◆同一の相手からの家賃・地代などの受取金額の年間合計が15万円を超える

この二つの条件に当てはまる場合は、賃貸先=入居者にマイナンバーを提供しなければなりません。

オフィスビルを会社(法人)に賃貸している、マンションを会社に賃貸しその会社が社員の住居として提供している場合がこれに該当します。決してまれなケースではありません。

【PR】記事の内容と直接的な関連はありません。

【2016-2017年度版】大家さんのための超簡単!青色申告 不動産所得用・申告ソフト付 (Windows用・ダウンロード版)
クリエーター情報なし
クリエイティブ ワークステーション

この記事をはてなブックマークに追加